きょうは、Webライターの仕事でよくあるトラブルについて綴ってまいります。
Webライターは、だれにも雇われておらず「自由の身」ではありますが、リスクも伴います。
会社員のように守られているわけではないので、トラブルにも巻き込まれやすいのが実情です。
- 「トラブルについての噂を耳にするけど、どんなことに巻き込まれるんだろう…」
- 「困ったときは、どこに相談すればいいんだろう?」
- 「Webライターに興味はあるけど、はじめるのは不安…」
顔が見えない相手との仕事は、トラブルに遭わないか心配ですよね。
すでにWebライターとして歩みはじめている方も、不安を抱えたままだと、せっかくの自由な働き方も楽しめなくなります。
そこで今回の日記では、Webライターがトラブルに遭わないためにどうすればよいか、よくあるトラブル事例と防止策、対応策を解説します。
注意すべき発注先や困ったときの相談窓口、トラブル回避策も紹介しますので、ぜひご参考くださいね。
あらかじめ対応策を知ることで未然にトラブルを防げますので、一緒に学びましょう。
スポンサードサーチ
トラブルを経験したフリーランスはどれくらい?
トラブルを経験したことのあるフリーランスは、どれくらいいるのでしょう?
2020年5月に内閣官房日本経済再生総合事務局が発表した「フリーランス実態調査結果」によると、約4割の方が「トラブルを経験したことがある」と回答しています。
半数は満たないまでも、決して少ない数ではありませんよね。
ではトラブルに見舞われたフリーランスは、どのように対処したのでしょう?
約5割の方は直接交渉を試みていますが、約3割の方はそのまま諦める選択をしています。
フリーランスが交渉を諦めた理由は「取引を打ち切られるかもしれないから」という回答が多かったです。
◆ 取引先とのトラブルを交渉せずに受け入れた理由 回答者:4割 「受け入れないと今後、取引が打ち切られたり、減らされたりすることとなり、フリーランスの活動に大きな支障を来すため」 回答者:3割 「受け入れないとその取引が成立しなくなり、フリーランスの活動に大きな支障を来すため」 引用:内閣官房日本経済再生総合事務局「フリーランス実態調査結果(PDF21頁)」
フリーランスは個人で仕事をしており、企業と比べて法的な後ろ盾がないため、仕事自体を失う可能性があります。
このような状況下では取り引きを続けるために、一歩譲る選択をするフリーランスもいるのでしょう。
しかし、2020年11月に厚生労働省と関係省庁、第二東京弁護士会の連携により「フリーランス・トラブル110番」が設けられました。
2020年11月に「フリーランス・トラブル110番」が始まり、21年度の相談件数は月350件程度。
引用:朝日新聞デジタル
2022年度には月500~600件に増大、昨年末までの相談件数は累計1万541件に到達。「相談の多さは予想以上だ」と担当弁護士は驚く。
政府が相談窓口を設けたことは、それだけフリーランスの問題が注目されていることをしめします。
これまで表面化しなかったトラブルが社会に広く知れわたることで、フリーランスの労働環境や保護の意識が高まり、社会全体での支援や改善策の提案が促されることを期待できます。
フリーランスによくあるトラブル5つの種類
では、フリーランスがよく遭うトラブルには、どのようなものがあるでしょう?
「フリーランス・トラブル110番」に寄せられた相談内容を見てみましょう。
もっとも多い相談が「報酬の支払い」に関するトラブル。
つぎに多いのが「契約内容」に関する相談で、この2つで全体の5割を超えていますよね。
ここでは、この2つに3つを加えて種類別に見てみましょう。
報酬に関するトラブル
相談窓口でもっとも多い件数は報酬トラブルで、そのうち大半を占めるのが「支払いの遅延」です。
つぎに「報酬の減額」や「未払い」に関するトラブルが多く報告されています。
単に発注先が支払いを忘れて報酬の遅延や未払いが起こる場合は、問い合わせをすれば解決できるので、トラブルには発展しないでしょう。
しかし問題は、これらが意図的に行われる場合です。
催促しても報酬を支払われない場合や未払いのまま相手から音信不通になるケース、一方的に減額されるケースには注意が必要です。
契約書を交わさずに、口約束やメールだけで取り引きしてしまうと、最初に提示された報酬額と違っていても証明がむずかしく、泣く泣く受け入れるしかありません。
また、仕事の出来に対して文句をつけて支払いを拒むケースもあり、さらに悪質なケースでは、元から報酬を支払うつもりがなく、適切に検収を行わない発注先もおり、重ねて注意しなければなりません。
契約に関するトラブル
報酬に関する相談に加え、契約に関するトラブルも多く報告されています。
突然の契約の打ち消しや作業開始後の発注の取り止め、一方的な業務内容の変更、不利な条件を押し付けるなど、契約条件による曖昧さが原因でトラブルが発生しています。
口頭で契約してしまうと、トラブルに見舞われたときに適切に対処できません。
そのため、適切な契約書の取り交わしや契約内容の確認を行うことが非常に重要です。
しかしながら、日本労働組合総連合会が行った調査「フリーランスの契約に関する調査 2023」では「契約書を交わす」と回答したフリーランスは全体の23.8%に過ぎず、少数派であることも事実です。
契約書を避ける理由には「発注側に契約書を交わす習慣がない」「契約書を交わすことで信頼を失う可能性がある」などが挙げられ、フリーランスから契約書の取り交わしを提案しにくい実情も見受けられます。
ですが、フリーランスとして活動するためには、契約書の重要性を理解し、適切に契約書を交わすよう心がける必要があります。
契約内容や条件に納得できるか、不明な点はないかをしっかり確認し、必要な場合には、専門機関に助言を求めることも考えて円滑に契約を進めることが大切です。
業務範囲・内容に関するトラブル
発注側と受注者との間で、業務内容や作業範囲についての認識にズレがあり、それがトラブルに発展することもあります。
具体的には、つぎのようなトラブルが挙げられます。
これらの問題に直面したときに「断りにくいから」という理由で引き受けてしまうと、困難な状況に自分を追い込むことになります。
度重なる修正依頼に関しても「何をもって業務の完成とするのか」明確な基準を設けていないと、無限に修正を行うことになり、労力の無駄になります。
そのため、事前に定義や範囲について話し合い、双方の合意を得ておくことが重要です。
たとえば、修正回数の上限や修正の具体的な内容、納品物の品質基準などを契約書に明示することで、納得できる成果物の提出を促すことができます。
断りにくいと感じる場合でも、過度な負担を引き受けることを避け、適切な判断をもって断りや調整を行いましょう。
納期・仕事量に関するトラブル
納期や仕事量に関する問題も、フリーランスによくあるトラブルのひとつです。
たとえば、作業のスタート時期が前後したり、大幅に納期を変更されたりすると、スケジュール管理をうまく行えず、業務の品質や自身のストレスに悪影響を及ぼします。
また、契約時には無かった業務を追加で指示されることもあり、本来の作業量を超える範囲を強いられることもあります。
相手の都合に振り回されやすい立場ですが、フリーランスとして働くかぎり、業務に関する交渉は避けられません。
自分の立場を守るためにも、受注内容を見直す、追加見積もりを別に提示するなどして、労力に見合った業務を行うよう、作業を開始する前に交渉することが大切です。
損害賠償に関するトラブル
損害賠償に関するトラブルも多くの報告があり、損害賠償で訴えられるケースもあれば、損害を被る場合もあります。
損害賠償とは、他人に損害をあたえた者が被害者に対しその損害の埋め合わせをし、損害がなかったのと同じ状態にすること。
引用:Wikipedia
フリーランスが訴えられるケースは、業務上の過失により発注先に不利益をあたえたときです。
情報を漏洩する
業務で知り得た情報を外部に漏らした場合、損害賠償責任を請求される可能性があります。
情報管理やセキュリティ対策に注意を払い、秘密保持契約を守ることが大切です。
悪意がなくても、パソコンの紛失やウィルス感染によって、取引先の情報を盗まれることがあります。
自分の作業環境や情報の取り扱いについて、常にセキュリティ意識を持ちながら行動しましょう。
モバイルWi-Fiを持っていない場合は「楽天モバイル」のテザリングがおすすめですよ。
使用料無制限で月2,980円(税抜)なので、かなり費用を抑えられますよ。
「楽天モバイル」は不安という場合は、モバイルWi-Fiの「GMOとくとくBB WiMAX2+」もおすすめです。
著作権を侵害する
他人の著作物を無断で使用したり、著作権を侵害したりすることも注意が必要です。
Webライターが、許可のない画像を無断で掲載したり、ほかのサイトの文章を無断で使用したりすると著作権侵害になります。
また同時に、自分の成果物が異なる制作意図で乱用されることがないよう、納品するときにあらかじめ取り決めを交わすことも大切です。
たとえば、Webライターが執筆した記事を無断でほかの作品として公開されるなどです。
仕事を受けるときは、契約を交わす前に、利用範囲や使用条件を定めることが重要です。
制限を設けることで、成果物の著作権や知的財産権の乱用を防げます。
著作権の知識を深めたい場合は、下の記事で解説していますのでご参考くださいね。
くわしく知りたい
【Webライターが守るべき著作権】注意するポイントと引用のルール
納期に遅れる
納期に遅れてしまうと発注先の業務に支障をきたし、損害につながる恐れがあります。
体調不良や予期せぬ事情によって作業が滞り、締め切りに間に合わなかった場合でも、責任を問われることがあります。
ただし、体調不良や不測の事態による遅れの場合、原因や状況によっては責任が軽減されることもあります。
重要なことは、納期に遅れそうなときに、できるだけ早く連絡し、状況を説明することです。
早急に対応することで、発注先のトラブル回避や解決に役立つことがあります。
日頃から報連相を徹底し、発注先との信頼関係を築くよう心がけましょう。
納期に遅れそうなときの対応方法は、下の記事で解説してますのでご参考くださいね。
くわしく知りたい
Webライターが納期に間に合わないときにすべき対応6つの手順
納品物に欠陥がある
納品物が求められた水準に達していなかったり、欠陥があったりすると損害賠償責任を問われることがあります。
たとえば、デザイナーが作成したロゴやデザインが依頼した企業のブランドイメージに合わなかった場合や、コンサルタントが提案した戦略が予想以上の結果をもたらさなかった場合に損害賠償請求されることがあります。
そのため、契約書で明確な納品物の条件や品質基準を確認し、それに適合する成果物を納品することが重要です。
大きな問題に発展させないためにも、納品物における責任の範囲、対応する限度や期間を設け、自分の身は自分で守りましょう。
具体的な基準は、下の記事で解説していますので、ぜひあわせてご参考くださいね。
くわしく知りたい
Webライターが損害賠償を請求されるケースとは?対策とおすすめの保険2選
スポンサードサーチ
実際にあったWebライターのトラブル事例
実際に、どのようなトラブルが起きたのか気になるところですよね。
「フリーランス・トラブル110番」に寄せられた「30代女性ライターFさん」の実例を紹介しますので、Webライター、フリーランスになる前に、ぜひご参考くださいね。
30代女性ライターFさんの事例
納品後に「方向性が違う」と理不尽なクレームをつけられて一方的に報酬を減額された
FさんはWeb記事を10本作成することになり、早々に1本を書き上げ納品しました。
発注者に確認したところ異論が出なかったため、満足しているものと思い、残りの9本も期限内に納品しました。
ところが、すべての記事を納品し終わったあとに「君の記事はわれわれが望んでいる方向性のものではない。原稿料は値引きさせてもらう」と一方的に減額されました。
Fさんは驚いて記事の修正を申し出ましたが、話を聞いてもらえませんでした。
なんとか減額された分も支払ってもらうことはできないかと「フリーランス・トラブル110番」へ問い合わせしました。
フリーランス・トラブル110番の対応
Fさんは減額された報酬分の支払を求め、和解あっせんの手続を選択しました。
和解あっせんの席上で「具体的にどのような点が望んでいる方向性と異なっているのか」と発注者に説明を求めましたが、具体的な話はされませんでした。
そのため、発注者は報酬を契約書どおりに支払うこと。
双方が一つひとつの原稿作成について、もっとコミュニケーションを取りながら発注と納品を行うこと。
これらの約束により和解を成立しました。
続いて、Webライターによくあるトラブルを見てみましょう。
Webライターによくある7つのトラブル
Webライターの仕事は、Web上に掲載される文章を書くことです。
掲載先がWebサイトという特質から、記事の入稿、画像選定、検索キーワードの選定など、文章を書くことだけでなく、執筆以外の仕事を依頼されることもあります。
Webライターの仕事でよくあるトラブルには、つぎのようなものがあります。
要求が多い
契約以外の内容を依頼される
執筆依頼の契約で受注したにもかかわらず、契約以外の業務を要求されることがあります。
ほかにも、つぎのような要求があります。
あまりに要求が多いと執筆作業が進みません。
要求をされた分だけ時間がかかれば「単価に見合わない仕事」になります。
悪質な案件を紹介される
- ネットワークビジネスに勧誘される
- 情報商材の購入を要求される
仕事の依頼であるはずが、ネットワークビジネスの勧誘をされたり、情報商材の購入を要求されたりするケースがあります。
また、手数料と称して金銭を要求されるといった詐欺のような案件もあります。
「クラウドワークス 」や「ランサーズ」では、悪質な案件に引っかからないように注意喚起を呼びかけています。
事前に注意書きをよく読んで、指示に従って利用しましょう。
音信普通になる
- 商談中に連絡が取れなくなる
- 納品後に連絡が取れなくなる
トラブルの中でもっとも困るのが、発注先との連絡が取れなくなることです。
「良い雰囲気で進んでいたはずの商談がいきなり白紙になる」というトラブルはクラウドソーシングサイトでは珍しくありません。
商談や交渉中であっても、やりとり自体に時間をかけていれば、その分損失になります。
商談中だけでなく、記事を納品したあとに連絡が取れなくなることもよくあります。
報酬を支払われる前に、急に連絡が取れなくなると不安で焦りますよね。
仕事完了後の音信不通はよくあるトラブルです。
契約するときは、発注先の連絡先や掲載先をよく確認したうえで案件を受注しましょう。
報酬を支払われない
- さまざまな理由をつけられる
- 音信不通になる
記事を納品したにもかかわらず、さまざまな理由をつけられ、報酬を支払われないことがあります。
先ほどのケースと重なりますが、悪質な場合、音信不通になることがあります。
報酬未払いと音信不通のケースは多いので、とくに注意が必要です。
記事の受け取りを拒否される
記事の承認をしてくれない
記事の受取を拒否されて、報酬を支払われないトラブルもあります。
記事の完成度に満足できないという理由で、発注先がなかなか成果物として記事を承認してくれない事例です。
作業を進めるうちに、発注先との間に認識のズレやコミュニケーション不足が発生し、納品物である記事が承認されないということはよくあります。
とくに、発注先の要望が曖昧になりやすいWebライターの仕事には、起こりやすいので要注意です。
著作物を不正利用される
報酬を支払う前に発注先が記事をサイト上にあげる
Webライターに報酬を支払っていないにもかかわらず、納品物である記事をインターネット上にあげるという不正利用のトラブルがあります。
Webライターが執筆した記事には、著作権が適用されるものも少なくありまん。
記事を仕上げた段階では、著作権はWebライター側にあります。
記事の納品を行うことで、発注先側に著作権が譲渡されます。
つまり、発注先側は記事を承認し、Webライターに報酬を支払わない限り、著作権を利用する権利がないということです。
著作権はまだWebライター側にあるため、この段階で記事を投稿し、インターネット上にあげれば著作物の不正利用になります。
著作物の不正利用は、報酬未払いと同時に起こることが多いです。
契約を交わす前に、しっかりと発注先の信頼性を確認しましょう。
単価が低すぎる
報酬額に文字単価0.4円以下の設定をする
Webライターの仕事は、適正な単価が決まっているわけではありません。
仕事を募集する段階で、割に合わない単価を設定する発注先も存在します。
たとえば、0.4円以下の仕事や0.1円以下の仕事さえ珍しくありません。
初心者Webライターの場合、3,000文字を書くだけでも、半日以上の時間を要することがあります。
そうなると、1日頑張っても300円以下の報酬であったり、多くても1,200円の報酬しか得られないことになります。
これらの仕事は、設定する報酬金額が低すぎる、割に合わない仕事といえます。
得るものは少ないので、文字単価0.4円以下の案件は避けるようにしましょう。
文字単価の相場を知りたい場合は、下の記事をご参考くださいね。
くわしく知りたい
Webライターの文字単価の相場とは?単価別の仕事内容と単価アップの方法
では、どのようにすれば、これらのトラブルを未然に防げるのでしょう?
つぎの項目で、トラブルの防ぎ方を見てみましょう。
スポンサードサーチ
【初心者向け】Webライターのトラブル防止策6選
個人で活動するWebライターにとって、トラブルは何としても避けたいですよね。
未然に防ぐ対策を6つ見てみましょう
クラウドソーシングを利用する
はじめのうちは仕事に慣れるまで活用しよう!
Webライターの仕事に慣れていないはじめのうちは、クラウドソーシングサイトを利用しましょう。
クラウドソーシングサイトとは、仕事を依頼したい発注者と仕事を請けたい受注者をつなぐサービスのことです。
クラウドソーシングを利用すると、発注先からの仮払いを確認したあとに業務を開始するため、報酬を支払われないというトラブルになりません。
万が一、悪質な発注先に見舞われた場合は、運営元であるクラウドソーシングサイトに報告すると相談にのってもらえたり、解決案を提示してもらえたりします。
トラブルを防止する仕組みが整っているので、慣れるまではクラウドソーシングサイトを利用しましょう。
また、下の記事でも注意点や対処法を解説していますので、あわせてご参考くださいね。
くわしく知りたい
クラウドソーシング初心者必見!ひどい目に遭わない10の注意点と対処法
事前に発注先を調べる
発注先や掲載先の情報を確認しよう!
未然にトラブルを防ぐには、契約する前に発注先を調べることが重要です。
上にしめすように、発注先の運営するサイト情報を事前に確認しましょう。
万が一、担当者と連絡を取れなくなっても、ほかの手段で対応が可能になります。
トラブルを未然に防いだり、音信不通になったときに対処できたりと非常に役立つので、仕事を請け負う前にしっかりと調べましょう。
クラウドソーシングサイトを利用する場合は、発注先の評価が記載されています。
必ず発注先の評価とコメント内容を確認し、できるだけ評価の高い案件を受注しましょう。
基準は星4.5以上であれば、トラブルに巻き込まれる可能性は低くなります。
評価やコメント内容の見方は、下の記事が参考になりますのでお役立てくださいね。
くわしく知りたい
初心者Webライターの良質な案件の選び方と採用率を上げるコツ
契約前に依頼内容を確認する
条件に納得したうえで契約を交わそう!
発注先とWebライターの間に、食い違いや認識のズレがあるとトラブルにつながります。
契約前に依頼の内容を十分に確認し、納得したうえで契約しましょう。
不明な点や必要なことは、契約前に質問して確認しましょう。
お互いの認識のズレを解消したほうが、気持ち良く仕事を進められますよ。
コミュニケーションを徹底する
依頼内容の範囲を明確にしよう!
先の項目と似ていますが、発注先とのトラブルを防ぐには、徹底したコミュニケーションが欠かせません。
下にあらわす項目は契約前によく確認し、話し合う必要があります。
記事の構成から必要なのか?画像を提供する必要があるのか?など、依頼内容の範囲をきちんと確認しましょう。
作業中に疑問を感じた内容も、ささいなことでも発注先に確認し、相談するほうがトラブルを未然に防げますよ。
メールやチャットなど会話記録を保存する
言った言わないの揉めごとを未然に防ごう!
メールやチャットなどでやりとりした記録は、消さずにそのまま残しておきましょう。
お互いの認識のズレを確認でき、言った言わないの揉めごとを防げます。
たとえトラブルが起きたとしても、記録を保存しておくことで、第三者に内容を確認してもらえて解決に導くことができます。
念のため、保存した記録は仕事が完了したあとも、しばらく残しておきましょう。
仕事が完了したあとにトラブルが起こらない可能性はゼロとは限りません。
クラウドソーシングに相談する
手続きを仲介してくれる場合がある
発注先から商品やサービスの購入を迫られたり、トラブルに遭ったりしたときは、作業を行う前にクラウドソーシングサイトに相談しましょう。
報酬を支払われない場合もクラウドソーシングサイトに相談することで、報酬を回収できることがあります。
サイトの規約に違反している場合は、契約破棄の手続きを仲介してくれることもあります。
トラブルへ発展しないよう、違和感を覚えたら早めにクラウドソーシングサイトへ報告・相談しましょう。
また、トラブルに見舞われないためには、誠実な仕事ができる相手かどうか、発注先を見極める目を養う必要があります。
初心者の方は心配かもしれませんが、慎重に行えば見極めることは可能です。
つぎの項目で、悪質な発注先の特徴を知り、見極める目を養いましょう。
Webライターが注意すべき発注先5つの特徴
注意すべき悪質な発注先は、珍しくないと言われています。
トラブルから自分を守るためにも特徴を知り、事前に知識を身につけましょう。
文字単価が低すぎる
文字単価0.4円以下の案件は警戒しよう!
案件の報酬単価が低すぎる発注先は、注意が必要です。
仕事を一緒に進めるパートナーとしてWebライターを見ておらず、人として尊重していない可能性があります。
トラブルに巻き込まれる可能性が高いので文字単価0.9円以下、最低でも0.4円以下の案件は避けるようにしましょう。
依頼内容の確認と評価やコメント内容を確認し、よく吟味して判断しましょう。
返信が遅い
1週間以上連絡がないときは注意しよう!
Webライターの連絡方法は、メール、Chatwork、サイト内のメッセージなどで行います。
ある程度の都合や時間差は仕方ありませんが、あまりにも返信が遅い場合は要注意です。
前もって遅れることを連絡してくれる発注先であれば問題はありませんが、1週間以上連絡がない場合は「悪質かもしれない」と疑いましょう。
ビジネスマナーを感じない
- 馴れ馴れしい話し方の場合は注意しよう!
- 会話が成立しないときは注意しよう!
募集や依頼内容の文章、やり取りの会話文からビジネスマナーを感じられない場合は気をつけましょう。
友達のような馴れ馴れしい話し方や、会話が成り立たない内容の場合は、仕事に対する責任感が低い可能性があります。
トラブルに巻き込まれる恐れがあるので、取り引きを控えましょう。
追加・変更・要求が多い
契約以外の要求に対しては再度確認しよう!
契約以外の要求をしたり、何度も依頼内容を追加・変更したりする発注先も注意が必要です。
契約内容以外の追加注文や依頼をされたときは、作業を行う前に報酬金額を提示し、納得したうえで業務を引き受けましょう。
認識不足やコミュニケーション不足がトラブルを招くので、確認をおろそかにしないことが大切です。
個人情報を尋ねてくる
個人情報を悪用されないように注意しよう!
クラウドソーシングサイトを利用する場合、個人情報を執拗に求めてくる発注先に注意しましょう。
これらを尋ねられた場合は、悪質な発注先と判断しましょう。
個人情報を悪用される場合があります。
Webライターの身分を本当に確認したいのであれば、そのWebライターに「本人確認」の登録を促せばよいだけです。
発注先に直接教える必要はありません。
個人情報を尋ねられた場合は、悪質とみなしてクラウドソーシングサイトに報告しましょう。
スポンサードサーチ
【フリーランス向け】Webライターのリスク回避法5選
できればトラブルに発展する前に、不安の種を取り除きたいですよね。
ここではフリーランスのWebライターに向けて、リスクを回避するためにできることを5つ紹介します。
案件を受注する前に理解し、しっかりと準備しておきましょう。
契約書を交わす
契約書とは、発注先と仕事のルールを明確にするために決める証拠書類のことです。
契約書は発注先が用意することが多く、Webライターは、提示された契約書に署名・押印するだけなので、必要以上に身構える必要はありません。
ただしトラブルを避けるために、契約書を交わすときは、下の項目にしっかりと目を通しましょう。
著作権・商標権・特許権をどちらが保有するか、知的財産権の所在を明らかにすることも重要です。
一方的に不利な条件になっていないかを確認し、納得したうえで契約を交わしましょう。
直接契約する方法や流れを知りたい場合は、下の記事をご参考くださいね。
くわしく知りたい
Webライターが直接契約を獲得する4つの方法と3つの注意点!
契約書の見方やチェックすべき項目を知りたい場合は、下の記事でわかりやすく解説してますのでお役立てください。
くわしく知りたい
ライター必見!業務委託契約書の注意点や見るべきポイントを解説
請求書を発行する
記事を納品したあとは、支払期日を明記した請求書を発行しましょう。
報酬の未払いや一方的な減額のリスクを回避でき、支払い遅延を防ぐ効果を期待できます。
請求書を作るときは、つぎのポイントを押さえましょう。
源泉徴収とは、取引先の支払者が報酬額から所得税を差し引いて国に納める制度のことです。
Webライターが得る原稿料も源泉徴収の対象になるため、請求書を作成するときは源泉徴収税の項目を設けて記載します。
源泉徴収の計算方法は「原稿料×10.21%」です。
◆ 計算方法 報酬金額 × 0.1021=源泉徴収税額 報酬金額 × 消費税-源泉徴収税額=請求金額
発注先から提示された報酬額が税込みなのか税抜きなのか、そこから源泉徴収を差し引かれるのか、あらかじめ確認する必要があります。
支払われる報酬額を事前に把握し、請求額の内訳を明記しましょう。
請求書の書き方は、下の記事でわかりやすく解説していますのでお役立てくださいね。
くわしく知りたい
消費税や源泉徴収はどうする?Webライターの請求書の書き方を解説
執筆代にかかる消費税やインボイス制度について知りたい場合は、下の記事をご覧ください。
くわしく知りたい
インボイス制度がフリーランスWebライターにあたえる影響を完全解説!
フリーランス向けの保険に入る
業務上のトラブルが発生したときに対応できるよう、万全な備えをすることも大切です。
会社員であれば、仕事のミスで第三者に損害をあたえても、すべての責任をひとりで抱えることはありませんよね。
フリーランスの場合は、個人事業主とみなされるため、すべて責任を自分ひとりで対応しなければなりません。
フリーランスとしてWebライターで活動する以上、リスクがゼロになることはないので、損害賠償責任保険に加入しておくのが賢明です。
またフリーランスは労災保険の加入対象外になるので、業務に関わる怪我や病気であっても、自己負担で治療費を支払う必要があります。
しかも、休業期間中は収入も途絶えるため、医療費の出費がかさむなか、かなりのダメージを受けます。
ここでも、フリーランス向けの医療保険や所得補償保険に加入しておくと、万が一の事態に備えられて安心です。
フリーランスのコミュニティに参加する
フリーランスのコミュニティは、仕事の悩みや困難に直面したときの支えになる心強い場所です。
ほかのメンバーからサポートやアドバイスをもらえたり、解決策を見つけることができたりと、仲間の存在が励みになります。
フリーランス向けのセミナーや勉強会、交流会やイベントを見かけたら、積極的に参加するのがおすすめです。
交流の場に行けない場合は、会員制のオンラインコミュニティに参加するのもいいでしょう。
同じ立場の仲間とつながることで、自分の悩みや心配ごとを共有でき、新たな発見や解決策を得られます。
Webライターのオンラインコミュニティを知りたい場合は、下の記事で紹介していますので、気になるコミュニティがあれば覗いてみてくださいね。
くわしく知りたい
Webライター向けオンラインサロン9選!初心者におすすめ!
フリーランスエージェントを利用する
フリーランスエージェントを利用することも、トラブル回避に有益な手段です。
フリーランスエージェントとは、仕事を依頼する企業とフリーランスをつなげるサービスことです。
あなたの希望条件やスキルにもとづいて案件を提案してくれるため、ミスマッチによるトラブルのリスクを軽減でき、信頼性の高い取引先と一緒に仕事を行えます。
さらに、契約の手続きも代行してくれるので、不利な契約を結ぶこともありません。
あなたの立場を守るために、フリーランスエージェントが手助けしてくれるので、安心して目の前の仕事に専念できます。
Webライターにおすすめの損害賠償保険2選
では最後に、Webライターにおすすめの損害賠償保険を2つ紹介しますね。
FREENENCE(フリーナンス)
「FREENANCE(フリーナンス) 」は、GMOクリエーターズネットワーク株式会社が提供する、フリーランスのためのお金と保険のサービスです。
「納期に遅れる」「情報を漏洩する」「著作権を侵害する」などの損害で賠償金を請求されたときに、無料で補償してくれます。
さらに損害賠償以外にも、所得補償・資金繰り・感染症保険などのサービスを受けられます。
年会費 | 0円 |
あんしん補償 (賠償責任保険) | 0円 |
所得保障保険 | 月額500円 |
「FREENENCE」を利用するには、フリーナンス口座と呼ばれる、発注先から報酬額を受けとる口座を開設する必要があります。
フリーナンス口座に入金された報酬額は、Webライターが指定した銀行口座に振り替えられます。
つまり、請求・入金にフリーナンス口座を通すことで各種保険の特典を受けられる仕組みです。
損害賠償の補償額は、種類によっては最高5,000万円、期間中の限度額は5億円に設定されています。
これらの補償をすべて無料で利用できるので、個人で活動するWebライターに非常におすすめです。
「FREENENCE」の特徴や補償内容は、下の記事でくわしく解説していますのでご参考くださいね。
くわしく知りたい
FREENANCE(フリーナンス)を利用すべき?保険の特徴や評判を解説
フリーランス協会
「フリーランス協会」は「誰もが自律的なキャリアを築ける世の中へ」というコンセプトのもとに運営される非営利団体です。
Webライターやデザイナーなど、フリーランスのためのコミュニティや求人サービスを取り扱っています。
一般会員になると、賠償責任補償や福利厚生、弁護士依頼サービスなどを受けられます。
年会費 | 10,000円 |
保険内容 | 賠償責任保険 報酬トラブル弁護士費用保険 所得保障保険(任意) |
損害賠償の補償額は、補償内容によって最高1億円、期間中の限度額は10億円に設定されています。
フリーランス協会の賠償請求保険は、大手保険会社4社による共同保険のため、一般会員だけでなく発注先の企業も補償の対象になります。
そのため、安心して仕事を依頼してもらえる点もWebライターにとってメリットになります。
迷ったらココ!Webライターが頼れる相談窓口6選
フリーランスWebライターは、あらゆるトラブルに対処しなければなりません。
法律にくわしくなければ対処できないこともあるので、ひとりで抱え込まずに相談しましょう。
頼れる存在の相談窓口を6つ紹介しますね。
フリーランス・トラブル110番
「フリーランス・トラブル110番」は、フリーランスのための弁護士相談窓口です。
厚生労働省の委託事業で行っており、無料で相談に乗ってくれます。
電話・メール・対面・ビデオ通話による相談ができ、匿名でも相談できます。
当事者の間に入って和解の調整をする「和解あっせん」まで無料で行ってくれるので、トラブルが起きたときは「フリーランス・トラブル110番」に相談するのがおすすめです。
法テラス
「法テラス」は、法務省が運営する「法的トラブル」を解決する案内所です。
サポートダイヤルに電話すると、専門のオペレーターが相談内容に応じて適切な法制度や相談機関、団体を紹介してくれます。
もちろん利用料は無料です。
全国各地に事務所があり、各県庁所在地には支部や出張所も配置しているので、面談による相談も可能です。
※民事法律扶助制度:経済的に余裕のない人が法的トラブルに遭ったときに受ける援助制度のこと
Webフォームからのお問い合わせもでき、内容に応じて法律や制度の紹介をしてくれたり、適切な窓口の案内を電子メールで送ってくれたりします。
ただしメールでは、個別の事案に対するアドバイスを受けることができません。
サポートダイヤルに電話して、確実な解決策を求めるのがおすすめです。
下請かけこみ寺
「下請かけこみ寺」は、公正な下請け取り引きの推進を目的に、中小企業庁が全国48か所に設けた機関です。
取り引き上のトラブルを専門の相談員や弁護士が無料でサポートしてくれます。
トラブルの相談や助言、交渉の仲介、紛争の解決など、価格交渉や調停による解決を任せることができます。
電話・オンライン・対面による相談を行えます。
オンライン相談や対面相談を希望する場合は、ホームページにアクセスして「申し込みフォーム」から事前に予約する必要があります。
さらに「下請かけこみ寺」では、相談だけでなく、無料の和解調停の手続き(ADR)も行っています。
裁判とは異なり非公開に行われるため、調停の過程や内容は当事者以外に知られることなく、円滑な解決を図れます。
よろず支援拠点
「よろず支援拠点」は、国の機関「独立行政法人中小企業基盤整備機構」が設置した無料の経営相談所で、各都道府県に1か所ずつ支援拠点を設けています。
中小企業、個人事業主などの小規模事業者に対して、さまざまな支援や相談窓口を提供しています。
経営上のあらゆる悩みを相談でき、その分野の専門家がフォローしてくれます。
相談回数に制限はなく、何度でも無料で相談できます。
最寄りの支援拠点のホームページを確認し、電話やメールで問い合わせると、コーディネーターが話を聞いてくれ、適切なアドバイスで支援してくれます。
ひまわりほっとダイヤル
「ひまわりほっとダイヤル」は、日本弁護士連合会・弁護士会が提供する、電話で弁護士との面談予約ができるサービスです。
全国共通電話番号に電話をすると、折り返しの電話で弁護士との面談を予約できます。
オンライン上で「申込フォーム」から申し込みをすることも可能です。
初回30分の相談を無料で行えます。
30分以降の相談料については、初回相談時に担当弁護士にお問い合わせくださいね。
公益財団法人日本税務研究センター
「公益財団法人日本税務研究センター」は、税理士会による相談窓口です。
研究者や実務者、税理士をはじめ、一般に向けて税務に関する役立つ情報を提供しています。
相談窓口では、税理士が税金についての疑問や質問に答えてくれます。
無料で電話相談できますが、匿名による相談は受け付けていないため、氏名を伝える必要があります。
もちろん、個人情報は適切に保護されているので安心して相談できますよ。
ただし、一般的な税務についての質問や法律上の規定に関する質問しか受け付けておらず、個別の事案に関する相談はできません。
財務処理や確定申告の手続きなど、具体的な情報を得たいときに頼るのがおすすめです。
おさらい:Webライターのよくある7つのトラブル
Webライターの仕事は、直接会って仕事をするわけではないので、報酬の未払いや音信不通などのトラブルが起こりやすいです。
これらのトラブルに見舞われて泣き寝入りしないよう、未然に対策を取りましょう。
契約内容が曖昧なまま仕事を進めてしまうと、揉めごとやトラブルに発展します。
必ず、依頼内容に納得したうえで仕事を引き受けましょう。
これからWebライターを始める方は、クラウドソーシングサイトを利用するのがおすすめです。
Webライターの仕事内容や始め方は、下の記事で解説していますので、あわせてご覧くださいね。
おしまいに
クラウドソーシングサイトには、サポート窓口が用意されています。
困ったことがあれば、相談にのってくれますので利用しましょう。
報酬未払いなどで、どうしても困ったときは、無料で弁護士に相談できる「フリーランス・トラブル110番」「法テラス」もあります。
ですが、仕事内容や報酬によっては、割に合わない解決策になるかもしれません。
トラブルそのものを回避できるよう、受注する前にしっかりと確認しましょう。
最後までお読みいただきまして、ありがとうございます。
それでは、ごきげんよう。
桜御前