きょうは、表記ゆれのチェックポイントと防ぎ方について綴ってまいります。
「パソコン」と「PC」、「絆創膏」と「バンドエイド」のように、同じ意味の言葉を複数の言葉であらわすと表記がゆれて読みにくくなります。
せっかく力を入れて書いても、読みにくい文章では読者に理解してもらえません。
そこで今回の日記では、表記ゆれを防ぐチェックポイントを事例を挙げて解説します。
よくある表記ゆれのパターンを知ると、ばらつきを統一でき、読みやすい文章になりますよ。
記事の品質が格段に上がりますので、丁寧な文章を書きたい!と感じる方は一緒に表記ゆれを防ぎましょう
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表記ゆれとは?同じ言葉を複数の言葉で表記すること
表記ゆれとは、同じ意味をあらわす言葉をさまざまな言葉で表記することです。
たとえば「ユーザー」と「ユーザ」、「1」と「一」、「申し込み」と「申込」のように同じ単語に対して2通り以上の書き方であらわすことをいいます。
表記が混在することを「ゆれる」と表現し「表記がゆれている」「表記のゆらぎ」といった使い方をします。
具体例を見てみましょう。
ひとつの言葉に対して複数の言葉で表記すると、読者は「それぞれの言葉に異なる意味が含まれているのかな?」と混乱しながら読むことになります。
また表記によっては、まったく異なる意味に捉えることもあります。
だれが読んでも理解できるように、表記ゆれを防いで読みやすい文章を心がけましょう。
表記ゆれを防ぐには、おもな表記ゆれを理解することが役立ちます。
つぎの項目で、表記ゆれのよくある事例を見てみましょう。
表記ゆれを防ぐ15のチェックポイント
おもな表記ゆれの種類を把握することで、表記を統一しやすくなります。
つぎの15項目に分けてチェックポイントを見てみましょう。
同じモノ・コトをあらわす言葉
同じ意味をあらわす言葉が複数存在すると、読者は文脈から適切な解釈を判断しなければなりません。
余計な負担をかけるだけでなく、丁寧に文章を書いていないという印象をあたえます。
特別な理由がないのであれば、同じ意味をあらわす言葉は、どちらか一方に統一しましょう。
明確で一貫性のある文章のほうが、読者が理解しやすくなりますよ。
漢字・ひらがな
文章を書くときにもっとも悩むのが「漢字で書くべきか?ひらがなで書くべきか?」ですよね。
執筆の世界では、ひらがなで書くことを「ひらく」漢字で書くことを「とじる」といい、読みやすい文章を書くには「漢字:ひらがな」の割合を「7:3」にするのが理想的とされています。
その理由は、ひらがなを多めに用いると「黒さ」や「難解さ」がやわらぎ、圧迫感をあたえないからです。
ひらがなを用いるとよい漢字は、つぎのとおりです。
文字を一つひとつ数えて確認するのは大変なので、文章全体の白と黒のバランスを感覚的に覚えるといいですよ。
漢字の割合を確認する無料ツール「漢字使用率チェッカー」を利用するのもおすすめです。
漢字とひらがなの使い分けについては、下の記事で解説していますのでご参考くださいね。
くわしく知りたい
漢字とひらがなの使い分け!迷ったときのポイントとルール【一覧つき】
また、形容詞や形容動詞は、表現したい雰囲気や伝えたいメッセージによって漢字・ひらがな・カタカナを使い分けると、意図した印象をあたえることができます。
文脈や文章に合わせて使い分けると効果的ですよ。
ひらがな・カタカナ
ひらがなをカタカナであらわすと、言葉が際立ち、カジュアルな印象をあたえます。
とくに「スッキリ」「グッと」などの擬音の副詞は、カタカナを用いると強さや動きが生まれ、メリハリのある文章になります。
漢字・ひらがな・カタカナ
名詞の表記において、漢字・ひらがな・カタカナを使い分けると、対象のあらわす印象や文章の世界を変えることができます。
たとえば「私」という一人称を「わたし」や「ワタシ」「ワシ」とあらわして、独自の視点や個性、感じる世界を表現することができます。
しかし、このような手法は、小説やエッセイなど、創造的な文章でのみ使い分けるのが望ましいです。
ビジネス文書や公式な文書では、表記を統一するようにしましょう。
同じ読みの漢字
同じ読みの漢字を書くときは、表記がゆれていると「使い分けることに意味があるのでは?」と誤解をあたえるため、意図や目的がないのであれば、ひとつの表記に統一しましょう。
ただし、微妙な意味の違いやニュアンスを表現するために使い分ける場合は、複数の表記が混在しても問題ありません。
「思う・想う」であれば「思う」は自分の思考や感じ方を意味するとき、「想う」は相手への思いや思慕を意味するときに用いることができます。
同じ読みの漢字を表記するときは、意図や目的を考えて使い分け、明確な理由がないときは、どちらか一方に統一しましょう。
送り仮名
送り仮名をつけるときに「受け取り」「受取り」「受取」のように、ひらがなの表記がゆれることがあります。
送り仮名のつけ方に違いがあると読みにくくなります。
読み間違いを防ぐためにも、送り仮名をつけて表記しましょう。
ただし、デザインを強調する場合は、あえて送り仮名をつけずに表記するほうが、シンプルで見やすくなります。
たとえば、ボタンのデザインを「申込はこちら」「御見積フォーム」のようにすると伝えたい文字を視覚的に強調できます。
全角・半角
英数字を用いるときは、半角・算用数字であらわしましょう。
漢字やひらがなとの違いが明確になり、言葉を捉えやすくなります。
また、4桁以上の数字には「,(カンマ)」をつけましょう。
ただし、文章中で用いる「!」「?」「。」「、」「~」「/」「:」「+」「-」「=」「<>」「¥」の記号は「全角」を用いると、文の区切りが明確になり読みやすくなります。
記号に半角を用いると、文字と文字の間が詰まって見え、認識しにくくなります。
数字
数字には、漢字表記、全角表記、半角表記があり、表記が異なると読みにくくなります。
たとえば「七日間」と「7日間」のように漢数字と算用数字が混在する場合や「7日間」と「7日間」のように全角と半角が混在する場合があります。
数字は半角表記で統一すると読みやすくなるので、半角数字と単位を組み合わせて「1か月」「1,780円」「17:30」「17時30分」と表記しましょう。
漢数字と算用数字の使い分けを知りたいときは、下の記事をご参考くださいね。
くわしく知りたい
【算用数字と漢数字の正しい使い分け】数字表記の6つのポイント!
アルファベット
英字を使うときは、半角を用いましょう。
頭を大文字か小文字にするかは、製品の正式名称や公式の表記ルールにしがってあらわします。
たとえば、Apple(アップル)やMicrosoft(マイクロソフト)などの固有名詞は、正式な表記に合わせて大文字・小文字を使用します。
一般名詞の中にも「SaaS」「URL」「SEO」のように、大文字にする箇所が決まっている言葉もあるので注意しましょう。
固有名詞
固有名詞を書くときに、正式名称とカタカタによって表記が異なることがあります。
上のように、英語表記と日本表記が混在すると読みにくくなります。
どちらか一方に統一するか、正式名称で書きあらわしましょう。
ほかにも間違いやすい言葉に、つぎのようなものがあります。
仕事においては、正確な表記はビジネスマナーの一環とみなされます。
取引相手や関係先に対する敬意と信頼をしめすために、固有名詞の表記には細心の注意を払いましょう。
外来語のカタカナ
英語をカタカナにする場合、読み方によって濁音の有無や小文字の表記に違いが出ることがあります。
カタカナは、ゆれが発生しやすいので、文化庁ホームページにある「外来語表記」や「記者ハンドブック 」を参考にしながら書きましょう。
カタカナによる表記の方法は、下の記事で解説していますのでご参考くださいね。
くわしく知りたい
カタカナ表記のあたえる印象と効果!4つの使い方と表記ゆれを解説
省略
言いまわしに省略形がある場合、正式名称にするか、略式名称にするかで異なる場合があります。
ビジネス文書や公式な文章では、略語を使わず正式な表記を用いたほうが丁寧な印象をあたえます。
記事の目的や読者の背景、文脈を考慮して適切な表記を選択しましょう。
文体
文末表現の「ですます調」と「だである調」が混じることがあります。
ひとつの文章で「ですます調」と「だである調」が混在したり、「でも」「しかし」のように話し言葉と書き言葉が混在したりすると読みにくくなります。
文章全体の雰囲気もガラリと変わるため、読者に混乱をあたえてしまいます。
どちらか一方に文体を統一しましょう。
「ですます調」と「だである調」の使い分け、話し言葉と書き言葉の使い分けについては、下の記事をご参考ください。
くわしく知りたい
一覧表つき「です・ます調」「だ・である調」の使い方と変化のつけ方
「話し言葉」と「書き言葉」の違いと正しい使い分け【一覧表つき】
異体字・代用漢字
人名に用いられる漢字は「渡邊」を「渡辺」と書くなどとシンプルな漢字に置き換えず、正式な漢字で書きあらわしましょう。
人名には個人の身元やアイデンティティが関わっており、その人自身が使用する漢字表記を尊重することが大切です。
使用する媒体によって漢字を表示するのが困難なときは、正しく表示されない漢字や機種依存文字を避けるようにしましょう。
その場合は「草彅」を「草なぎ」と表現するなど、ひらがなを交えた表記であらわし、名前を識別しやすいよう配慮を添えると親切な文章になります。
呼称・敬称
お客さまの敬称や自分たちの呼称においても、表記ゆれが生じることがあります。
相手との関係性や距離感、状況をを考えて明確に使い分けましょう。
このように、表記ゆれがあると読みにくい文章になり、読者に負担をあたえます。
代表的な表記ゆれを理解して、未然に防いで統一しましょう。
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表記ゆれを防ぐ3つの方法
表記ゆれを防ぐ方法はつぎの3つです。
時間を置いて読み返す
表記ゆれをなくすために、時間を置いて読み返しましょう。
文章が長くなるほど、前半と後半で異なる表記をしがちです。
時間を置いて読み返すことで、書いているときには気づかなかった表記ゆれに気づけます。
可能であれば家族や友人など、第三者に確認してもらうことも有効です。
別の視点で見てもらうことで、自分では気づかなかった誤りや違和感を指摘してもらえます。
ほかの人に頼むのがむずかしい場合は、紙に印刷したり、スマートフォンなどに移したりして読み返すこともおすすめです。
表記ルールをつくる
あらかじめ表記ルールをつくりましょう。
事前にルールを決めておくと、書いている途中や読み返すときに迷わずに済むので効率が上がります。
とくに、ひとつのサイトで複数ページを担当する場合は、サイト全体の質も上がり信頼性も高まるので効果的です。
ExcelシートやGoogleスプレッドシートなどで表記ルールを作成すると、管理しやすくなりますよ。
表記ルールを作るときは、感覚に頼るのではなく、書籍や企業サイトを参考にすると作りやすくなります。
後ほど説明する項目「表記ルールの作り方4つの手順」でも、表記ルールの作り方を解説しますので、ぜひ実践してみてくださいね。
ツールと併用してチェックする
ツールを活用することも表記ゆれを防ぐうえで有用です。
毎回、目視で表記をチェックし続けるのは大変ですよね。
表記のチェックは、目視による細かい作業になるため、目が疲れたり肩が凝ったりします。
ツールを活用することで、表記ゆれや文章の誤りを効率的に発見し修正できます。
ただし、ツールの結果はあくまで参考であり、人間の目で最終的な確認を行うことも重要です。
ツールと人の判断を組み合わせて、より正確な文章を作り上げましょう。
表記ルールの作り方4つの手順
表記ルールの作り方の手順は、つぎの4つです。
おもな表記ゆれを把握する
自分の表記ゆれのクセを知ろう!
どのようなときに表記ゆれをしてしまうのか、自分の表記ゆれのクセを知りましょう。
ここまでのおさらいも兼ねて、おもな表記ゆれを一覧にして挙げます。
表記 | ゆれ |
---|---|
同じコトを表す言葉 | ホームページ・Webサイト 購入・買い物 支払い・決済 解約・キャンセル 更新・アップデート 印刷・プリントアウト 無線LAN・Wi-Fi ディスプレイ・モニター |
漢字・ひらがな | その為・そのため 殆ど・ほとんど 全て・すべて 様々・さまざま して頂く・していただく お客様・お客さま |
ひらがな・カタカナ | すっきり・スッキリ ぴったり・ピッタリ ぐっと・グッと さくっと・サクッと わくわく・ワクワク おすすめ・オススメ |
漢字・ひらがな・カタカナ | お米・米・こめ・コメ 物・もの・モノ 事・こと・コト 僕・ぼく・ボク 私・わたし・ワタシ・ワシ 猫・ねこ・ネコ |
同じ読みの漢字 | 思う・想う 合う・逢う 見る・観る 聞く・聴く 一人・独り 寿司・鮨 |
送り仮名 | 受け取り・受取り・受取 申し込み・申込み・申込 税込み・税込 表わす・表す 行なう・行う |
全角・半角 | 1か月・1か月 1780円・1,780円 Webサイト・Webサイト ?・? |
数字 | 七日間・7日間・7日間 1780円・1,780円・¥1,780 17:30・17時30分・午後5時30分・5:30pm |
アルファベット | WEBサイト・WEBサイト・Webサイト Email・E-mail・e-mail・Eメール HTML・HTML・html SEO・SEO・seo URL・URL・url Wi-Fi・wi-fi・wifi Ebook・Ebook・EBOOK・eBook SaaS・saas |
固有名詞 | Apple・アップル Microsoft・マイクロソフト Google・google・グーグル YouTube・Youtube・ユーチューブ PowerPoint・パワーポイント |
外来語のカタカナ | データー・データ メロディー・メロディ スマートフォン・スマートホン バリアフリー・バリヤフリー ヴァイオリン・バイオリン |
省略 | スマートフォン・スマホ インターネット・ネット パソコン・PC 筋力トレーニング・筋トレ コネクション・コネ |
文体 | ~だ・~ます ~である・~です でも・しかし なので・それにより ちゃんと・きちんと やっぱり・やはり |
異体字・代用漢字 | 渡辺・渡邊・渡部 斎藤・斉藤・齋藤・齊藤 山崎・山嵜 高橋・髙橋 |
呼称・敬称 | 僕・俺・私・自分 我々・私達・私たち 当社・弊社・自社 貴社・御社 ~様・~さま・~さん |
元号と西暦 | 令和元年 2019年 |
価格 | 100円 ¥100 |
これらを基準に表記ルールを作りましょう。
よく使う言葉を統一する
思いつくものを書きだして一覧にしよう!
まずは、記事やサイトで、あなたがよく使う言葉を統一しましょう。
たとえば、わたしのブログの場合は「文章全体」と「記事全体」の違いや「技術」「技法」「テクニック」の違いがあります。
まずは、思いつくものを書きだし、一覧リストにして統一しましょう。
漢字とひらがなを統一する
漢字・ひらがな。送り仮名の表記が出てきたら一覧に加えよう!
つぎに、漢字とひらがな、送り仮名を統一しましょう。
これらの言葉が出てくるたびに書きとめて、一覧リストに加えると効率的です。
また、先ほどの「おもな表記ゆれ一覧」にある事例が出てきたときも、その都度リストに加えましょう。
信頼できる情報を参考にする
文化庁のホームページや用字用語集を参考にしよう!
表記をどちらに統一するか判断に迷ったときは、信頼できる情報を参考にしましょう。
辞書のように使えて信頼できる本は、ベストセラーの「記者ハンドブック 」です。
新聞で使用する表記ルールがまとめられており、多くのWebライターが愛用する頼れる一冊なので、安心して参考にできます。
そのほか、表記ルールをつくるときに役立つサイトを紹介しますね。
これらは、辞書代わりに使えるうえに信頼度も高いので、表記ルールづくりに役に立ちます。
ここまでで、表記ゆれの知識を理解できたと思います。
つぎの項目では、表記ゆれがあると、具体的にどのようなことが起こるのか?表記ゆれがもたらす影響を見てみましょう。
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表記ゆれがもたらすマイナスの影響7つ
表記ゆれがあると、つぎのような影響を及ぼします。
読者に誤解や混乱を招く
表記ゆれがあると、読みにくい文章になるため、内容がわかりにくくなります。
その結果、読者に誤解や混乱を招いてしまいます。
つぎの例文を見てみましょう。
人は物を使うには目的がある、今はモノであふれている
1つの文に「物」と「モノ」の2つの表記ゆれがあります。
意味の違いをあらわすために表記を変えているのか、単なる表記ミスなのか、考えながら読み進めなければなりません。
読者は、文章に集中できず、内容を把握しきれないままになります。
そうなると、その文章は読者に負担あたえるだけの読みものになってしまいます。
記事の品質が落ちる
読者は文章の品質や正確性を判断するときに、表記にも注目します。
表記ゆれが頻繁に見受けられると、文章の校正や推敲が不十分であると受け取られます。
また、細かい部分に注意を払わない態度や仕事への真摯さに、疑問を抱かれる可能性もあります。
文章全体の品質を高めるために、正確な表記に配慮することが重要です。
読者の検索意図と異なる結果が表示される
検索キーワードに表記ゆれがあると、検索結果が変わる場合があります。
たとえば「ホームページ」と「Webサイト」は、同じ意味で使われることが多いですが、本来は違う意味を持つ言葉です。
「ホームページ」は、最初に表示されるページのみを指します。
一方「Webサイト」は、サイト全体を指し、複数ページをあらわします。
サイト全体をホームページと捉えている人も多いため、検索キーワードを選ぶ際は、読者によって表記を変える必要があります。
一般的なユーザーには「ホームページ」と表記し、WebやITの情報にくわしい人には「Webサイト」と表記します。
読者によって表記を変える理由は、表記の違いによって表示される検索結果に違いが出るからです。
検索キーワードの違いによる、それぞれの検索結果の違いを比べてみましょう。
「ライター ホームページ」で検索した場合は、ホームページを書く仕事(ホームぺージライター)を募集するページが表示されます。
一方「ライター Webサイト」で検索した場合は、Webライターを募集するページが表示されます。
異なる結果が表示されるため、伝えたい読者に記事を読んでもらうには、読者が使う言葉を選ばなければなりません。
ブランドイメージを損なう
表記ゆれが目立つと、読者からの信用を失い、企業やブランドイメージを損なう原因になります。
言葉はコミュニケーションの基礎であり、ブランドの価値やメッセージを伝える手段です。
一貫性のない表記は、メッセージや理念が曖昧になり、読者に疑念を抱かせてしまいます。
一方、一貫性のある表記や言葉遣いは、統一性やプロフェッショナルをしめし、信頼性や認知度の向上によい影響をもたらします。
統一感や品質を表すために、表記ゆれを最小限に抑えることはとても大切です。
思わぬトラブルを招く恐れがある
表記ゆれは、思わぬトラブルを招く恐れがあります。
表記の違いによって意味や解釈が変わることがあり、それが誤解や混乱を生み、意図しないトラブルの原因になることがあります。
とくに法律文書や契約書、業務報告書など、正確な情報伝達が求められる文書では注意が必要です。
また、業界や専門用語においても統一された表記を求められることもあります。
表記ゆれがあると、信頼性や専門性を欠く印象をあたえ、ビジネス上の信頼関係に悪影響を及ぼします。
意思疎通を明確にするために、表現のニュアンスや使い方に注意しながら適切な言葉を選びましょう。
文章の執筆に時間がかかる
表記ゆれは、書き手の執筆スピードにも影響をあたえます。
普段から表記の統一をしていないと、どの表記を使用するか迷いが生じ、適切な言葉を選択するために時間を費やしてしまいます。
表記ルールをあらかじめ作成しておけば、スピーディーな意思決定に役立ち、スラスラと文章を書けるようになります。
発注先に負担をかける
Webライターの仕事をしている人であれば、担当者から「この表記を統一してください」と指摘を受けたことがあるかもしれません。
細かい指摘やフィードバックが続くと、受ける側としてはイライラや不満を感じることもあるかもしれませんし、指摘する側としても煩わしさを感じることがあるでしょう。
表記ゆれの修正依頼は「受ける側」も「する側」も気持ちのよいものではありませんよね。
発注先とWebライターの関係性に悪影響をあたえるので、表記ルールやガイドラインを設けて共有することが大切です。
このように、表記がゆれると読者にさまざまな悪影響をもたらします。
読者に合わせて言葉を選び、表記ゆれが起こらないように言葉を統一しましょう。
では続いて、表記を統一し、表記ゆれをなくすプラスの影響を見てみましょう。
表記ゆれがもたらすプラスの影響8つ
表記を統一することは、シンプルなようで多くのメリットを生み出します。
読みやすい文章になる
表記が統一されると、読者は一貫性のある文章をスムーズに読み進めることができます。
表記ゆれによる混乱や誤解がなくなり、情報を的確に把握できるため、理解しやすくなります。
それにより、伝えたいメッセージも届きやすくなります。
記事の品質が高まる
表記が統一されることで、文章に統一感が生まれ、丁寧に仕事をしている印象をあたえることができます。
一貫性のある文章になるために、説得力のある記事になり、記事の質と読者への信頼度が高まります。
とくに、美意識を重視する読者からは好感度を得られでしょう。
統一された表記はプロの意識と品質を反映し、多くの人々に好意的な印象をあたえます。
読者の検索意図を満たす記事になる
表記ゆれがあると、同じキーワードに対して複数の検索結果が表示されるため、伝えたい読者に記事を読んでもらえません。
検索意図に合わせて表記を統一することで、読者の求める記事を的確に表示させることができます。
その結果、読者満足度が向上し、多くのアクセス数やクリック数を見込めます。
ブランドイメージがアップする
表記を統一することは、ブランドイメージを強化し、価値を高めるための重要な要素です。
一貫性のある表記を見ることで、読者は、細部にまで気を配り品質にこだわる企業であると感じるでしょう。
統一された表記は、企業の信頼性を伝える役割を果たし、読者に良い印象をあたえます。
トラブルのリスクが減る
表記ゆれは、誤解やトラブルを引き起こす原因になります。
言葉は社会や文化の変化とともに進化していきます。
言葉に無頓着のままでいると、時代の変化や社会の流れに対応できず、不適切な言葉を使用してしまうかもしれません。
かつては「看護婦」の表記が一般的でしたが、性別にもとづく差別的な要素を含んでいるとして、法改正によって「看護師」に統一されました。
たった一文字ですが、こういった言葉の変化に敏感になることでトラブルを防げます。
敏感な耳と目を持ち、柔軟に対応することで信頼できる記事の提供につながります。
執筆スピードが向上する
表記を統一すると、執筆するときに、いちいち言葉を選んだり迷ったりすることがなくなり、執筆スピードが格段に早くなります。
一貫した表記ルールがあることで、スムーズに文章を作成でき、より多くの記事を書けるるようになります。
発注先の負荷を減らせる
表記を統一することは、発注先への負荷を減らす効果もあります。
発注先の担当者は表記ゆれがあると、それぞれの箇所を確認し、修正や指摘を行う必要があります。
表記が統一されていれば、フィードバックが不要になり、効率的な作業が可能になりますよね。
表記の統一は発注先への負担を減らし、スムーズなコミュニケーションと作業の円滑化にプラスの影響をあたえます。
言葉を大切にする意識が生まれる
表記の統一に取り組むことで、言葉を大切にする意識が生まれます。
言葉への向き合い方が変わると、日々の思考や行動にも変化が生じ、よる思いやりのある言葉遣いや表現ができるようになります。
表記の統一に気を配ることは、相手への敬意をあらわす大切な手段です。
言葉への意識を高めることで、発注先や読者からの確かな信頼へとつながります。
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おすすめの表記ゆれチェックツール3選
表記ゆれを防ぐには、集中力と自分の文章を俯瞰(ふかん)して見る視野が必要です。
しかし、忙しい日々を送っていると、完璧にチェックするのは厳しい場合があります。
そのような場合には、便利なツールを活用しましょう。
表記ゆれをチェックするおすすめのツールを3つ紹介します。
Microsoft Word
Microsoft Wordを使って文章を書くと、表記ゆれを自動で確認できます。
方法は簡単です。
校閲タブにある「スペルチェックと文章校正」を使うとまとめて修正できます。
表記ゆれを細かく設定したいときは、オプションにある「文章校正」からチェック項目を選択しましょう。
ファイル →オプション →文章校正 →Wordのスペルチェックと文章校正 →文書のスタイル:設定 ・表記の揺れ →項目を選択する ・表記の基準 →項目を選択・設定する →OK →OK
普段からMicrosoft Wordで文章を書く方におすすめの機能です。
chrome
chromeの文章校正と表記ゆれチェックツールは、文章校正やチェックが1クリックでできる無料の Chrome拡張機能です。
漢字とひらがなの統一から、半角・全角、不適切な言葉、間違いやすい日本語のチェックまで目的に合わせてチェック項目を設定できます。
おもなチェック項目はつぎのとおりです。
ツールを立ち上げる必要がなく、Google chromeに設定するだけなので簡単です。
長い文章を効率的に確認したいときに有効です。
文賢
文賢 は、表記ゆれだけでなく、文章の推敲や校閲を総合的にサポートしてくれる有料ツールです。
「沈黙のWebライティング」の本で知られるウェヴライダー社が開発した文章作成支援ツールなので、活用することで記事の質が格段に向上します。
文賢でチェックできることはつぎのとおりです。
◆ 読みやすさのチェック 句読点は上手く使われているか? 漢字の利用頻度や改行等のバランスは良いか? ◆ わかりやすさのチェック 誤解される表現はないか? より伝わりやすい表現に変えられないか? ◆ 不快語のチェック 誰かを傷つけてしまう言葉を使っていないか? いろいろな読み手に配慮できているか? ◆ 日本語の誤用チェック 知らずに使うと恥をかいてしまうような誤った日本語を使っていないか? ◆ 誤字・脱字のチェック 誤字・脱字はないか? 日付や価格などの重要情報は確認したか? ◆ 環境別の見え方チェック スマホで表示確認したか? 音声読み上げや明朝体でも確認したか?
自分の文章のクセを把握でき、豊かな表現力と正しい日本語が身につきます。
文賢に必要な費用はつぎのとおりです。
修正依頼の多い、はじめの間だけ利用する初心者Webライターも多く、安心して使える信頼できるツールです。
「語彙力や表現力を磨きたい!」「心を惹きつける文章を書きたい!」という方におすすめです。
文賢 の特徴や評判は、下の記事で解説していますのでご参考ください。
くわしく知りたい
「文賢」特徴や評判を解説!初心者Webライターにおすすめ!
おさらい:表記ゆれの意味と防ぐ方法
表記ゆれは、同じ意味の言葉を複数の言葉であらわすことです。
表記ゆれがあると、読みにくい文章になり、正しく意味が伝わらないことがあります。
表記ゆれチェックポイント
表記 | ゆれ |
---|---|
同じコトを表す言葉 | ホームページ・Webサイト 購入・買い物 支払い・決済 解約・キャンセル 更新・アップデート 印刷・プリントアウト 無線LAN・Wi-Fi ディスプレイ・モニター |
漢字・ひらがな | その為・そのため 殆ど・ほとんど 全て・すべて 様々・さまざま して頂く・していただく お客様・お客さま |
ひらがな・カタカナ | すっきり・スッキリ ぴったり・ピッタリ ぐっと・グッと さくっと・サクッと わくわく・ワクワク おすすめ・オススメ |
漢字・ひらがな・カタカナ | お米・米・こめ・コメ 物・もの・モノ 事・こと・コト 僕・ぼく・ボク 私・わたし・ワタシ・ワシ 猫・ねこ・ネコ |
同じ読みの漢字 | 思う・想う 合う・逢う 見る・観る 聞く・聴く 一人・独り 寿司・鮨 |
送り仮名 | 受け取り・受取り・受取 申し込み・申込み・申込 税込み・税込 表わす・表す 行なう・行う |
全角・半角 | 1か月・1か月 1780円・1,780円 Webサイト・Webサイト ?・? |
数字 | 七日間・7日間・7日間 1780円・1,780円・¥1,780 17:30・17時30分・午後5時30分・5:30pm |
アルファベット | WEBサイト・WEBサイト・Webサイト Email・E-mail・e-mail・Eメール HTML・HTML・html SEO・SEO・seo URL・URL・url Wi-Fi・wi-fi・wifi Ebook・Ebook・EBOOK・eBook SaaS・saas |
固有名詞 | Apple・アップル Microsoft・マイクロソフト Google・google・グーグル YouTube・Youtube・ユーチューブ PowerPoint・パワーポイント |
外来語のカタカナ | データー・データ メロディー・メロディ スマートフォン・スマートホン バリアフリー・バリヤフリー ヴァイオリン・バイオリン |
省略 | スマートフォン・スマホ インターネット・ネット パソコン・PC 筋力トレーニング・筋トレ コネクション・コネ |
文体 | ~だ・~ます ~である・~です でも・しかし なので・それにより ちゃんと・きちんと やっぱり・やはり |
異体字・代用漢字 | 渡辺・渡邊・渡部 斎藤・斉藤・齋藤・齊藤 山崎・山嵜 高橋・髙橋 |
呼称・敬称 | 僕・俺・私・自分 我々・私達・私たち 当社・弊社・自社 貴社・御社 ~様・~さま・~さん |
元号と西暦 | 令和元年 2019年 |
価格 | 100円 ¥100 |
判断に迷ったときは、信頼できる情報を参考にして、読者にとって読みやすい表記に統一しましょう。
また、表記ゆれを防ぐには、最後に文章を読み返すことも重要です。
下の記事では、執筆後に正しく見返す方法を解説しています。
ミスのない記事を納品できますので、あわせてご参考ください。
おしまいに
表記を統一するように心がけていても、夢中で文章を書いていると、いつの間にか表記がゆれることがあります。
高品質な記事を納品するためにも、書き終えたあとは、必ず読み返して校正しましょう。
目視やツールを上手に組み合わせると、間違いに気づきやすくなり、早く改善できますよ。
最後までお読みいただきまして、ありがとうございます。
それでは、ごきげんよう。
桜御前