きょうは、Webライターの請求書の書き方について綴ってまいります。
Webライターが直接契約をするときに戸惑うことは、請求書を作成することですよね。
- 「請求書には何を書けばいいの?」
- 「どのように作ったらいいんだろう…」
初めて作るときは、わからないことだらけだと思います。
そこで今回の日記では、請求書の書き方を図解を載せてわかりやすく解説します。
Webライターの請求書は、作成ツールを利用すれば簡単に作れます。
「請求を書くのは初めてで不安…」と感じる方は、ぜひお役立てくださいね
「Misoca(みそか)」を利用すれば、月5枚まで無料で作成できるのでたいへん便利ですよ。
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Webライターの請求書の書き方
Webライターが直接契約の仕事を請け負うときは、請求書を作成する必要があります。
クラウドソーシングを通して仕事を受注するときはサイト内で完結していたため、作成する必要がありませんでしたが、直接契約をすると、副業の方もフリーランスの方も請求書の作成業務が発生します。
Webライターの請求書をどのように作るのか、具体的に記載項目を見てみましょう。
請求書の形式や記載項目に法律上の決まりはありません。
発注先から指定がなければ、上の項目を記載して請求書を作りましょう。
請求書を作成する前に、事前に「請求先の氏名」と「納品した記事の最終的な単価」を確認しておくとスームーズに作れますよ。
では、請求書のテンプレートをもとに、記載する項目を見てみましょう。
発行年月日
➀:請求書の発行日に「発注先の締切日」を記入しよう!
請求書の発行日を記入します。
通常は「請求書の作成日」ではなく「発注先の締切日」を記載します。
たとえば、月末締め翌月末払いの場合は、その月末の日付を記載しましょう。
請求書番号
②:管理しやすくするために請求書番号を振ろう!
請求書ごとに番号を振りましょう。
必須ではありませんが、請求書番号を記載しておくと自分が管理をしやすくなります。
請求先の氏名
③:請求する発注先の名前を記入しよう!
発注先の企業名や個人名を記載しましょう。
企業の場合は「御中」個人名の場合は「様」をつけます。
発注先の企業と個人名の両方を記載するときは、個人名のあとに「様」のみをつけます。
住所や部署名、電話番号は記載しても省略しても構いません。
請求者の氏名と連絡先
④:あなたの名前・連絡先を記入しよう!
あなたの名前・住所・電話番号・メールアドレスなどを記載しましょう。
請求金額合計
⑤:消費税を含めた合計金額を記入しよう!
消費税を含めた合計金額を記載しましょう。
請求書の下に記載する⑨請求内容「合計」と同じ金額にします。
源泉徴収税額を含めない場合は、税額を差し引いた金額を記載しましょう。
金額の表記の仕方に決まりはありませんが、つぎのポイントを押さえるとわかりやすくなります。
支払い期限
⑥:発注先に指定された日を記入しよう!
発注先に指定された日を記載しましょう。
たとえば「月末締め翌月末払い」の場合は、翌月末の日付を記載します。
請求内訳(品名・数量・単価)
⑦:請求の内訳「商品・サービス名」「数量」「単価」「金額(税抜)」を記入しよう!
請求する内訳「商品・サービス名」「数量」「単価」「金額(税抜)」を記載しましょう。
商品・サービス名の記載に決まりはありませんが、同じような内容が続くときは、混同を防ぐため「納品日・原稿料」のように日付を記載して区別することをおすすめします。
また、記事を作成するときの参考資料にかかった費用、取材のための交通費や宿泊費を請求するときは「資料代」「交通費「宿泊費」などの品目を追加して記載しましょう。
振込先口座
⑧:振込先口座「金融機関名・支店名・口座種別・口座番号・口座名義」を記入しよう!
報酬の振込先になる事業用口座、または個人用口座を記載しましょう。
金融機関名・支店名・口座種別・口座番号・口座名義を記入します。
振込手数料を発注先が支払う場合は、つぎのように記載するといいでしょう。
いつもお世話になっております。 お手数ではございますが、お支払いは下記の銀行口座へお振り込みくださいますようお願い申し上げます。 ・振込先:○○銀行 ○○支店 普通口座0000 口座番号0000 口座名義 ○○ ・振込手数料:恐れ入りますが、振込手数料は貴社にてご負担ください。 ・支払期限:○○月○○日
トラブルを防ぐためにも「支払期限(お振込み期限)」は必ず明記するようにしましょう。
税金
⑨:消費税率10%・源泉徴収税率10.21%を計算して記入しよう!
消費税は、消費税率10%を計算して記載します。
消費税率8%の品目がある場合は、項目を分けて記載し、それぞれの税額を明らかにしましょう。
源泉徴収税は、源泉徴収税率10.21%を計算して記載します。
Webライターの原稿料は源泉徴収の対象なので、税率10.21%を計算して記載します(請求額100万円以下の場合)。
源泉徴収税額を含めるか否かは、発注先に確認して記載しましょう。
備考
⑩:記載すべきことがあるときに活用しよう!
備考や特記事項を記載します。
振込手数料を発注先が負担する場合は「振込手数料は御社負担にてお願いいたします」と記載します。
その他、記載すべきことがあるときは、この欄を活用しましょう。
上のケースでは、記事ごとに品名を記載していますが、1か月分の記事をまとめて1つの品目に記載する場合もあります。
発注先や目的に応じて変更してくださいね。
Webライターが覚えておきたい消費税の知識
Webライターの請求書を書くときに、消費税を含めて請求するのかどうかを迷うと思います。
記事を「原稿」と考えると「消費税には含めないのでは?」と疑問に思いますよね。
Webライターの執筆した記事は、発注先にとって商品になるため、消費税を含めた金額を記載する必要があります。
商品である原稿を購入した発注先は消費税を支払うことになります。
そのため、請求書には、消費税の項目を設けて税率10%を計算して記載しましょう。
では、この請求した消費税をWebライターは国に納める必要があるのでしょうか?
答えはYESです。
発注先に請求した消費税は、国に納める必要があります。
ただし、実際には納めなくてよい場合が多いです。
その理由は、1年間の売上高が1000万円以下の場合は、納税義務が免除されるからです。
つまり、1年間の売上高が1000万円以下であれば、受け取った消費税を国に納めずにWebライターが受け取ってもよいことになります。
逆に考えると、月に約84万円以上を売り上げるWebライターは、消費税の納税が必要になるということです。
参考:国税庁「No.6501 納税義務の免除」
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Webライターが覚えておきたい源泉徴収4つの知識
源泉徴収とは、年間の所得に対してかかる所得税を発注先が報酬額から先に差し引く仕組みをいいます。
つまり、所得を得たWebライターが納めるべき所得税を、所得を支払う発注先が報酬額から天引きして納税することです。
ここではWebライターが覚えておきたい源泉徴収の知識を4つ見てみましょう。
源泉徴収は原稿料から引かれる
源泉徴収税の項目を設けて記載しよう!
Webライターの得る原稿料は、源泉徴収の対象になるため、請求書を作成するときは源泉徴収税の項目を設けて記載します。
「記載しなければならない」という決まりはありませんが、源泉徴収税の記載がない場合でも、発注先は国に治める必要があるので記載するほうが親切です。
では、源泉徴収税はどのように計算するのでしょう?
源泉徴収の計算方法
計算方法は原稿料によって異なります。
具体例を見てみましょう。
◆ 1か月の原稿料が100万円以下の場合 原稿料×10.21% 例)原稿料が1万円の場合 1万円×10.21%=1,021円 ◆ 1か月の原稿料が100万円を超える場合 (原稿料‐100万円)×20.42%+102,100円 例)原稿料が110万円の場合 (110万円‐100万円)×20.42%+102,100円=122,520円 参考:国税庁「No.2795 原稿料や講演料等を支払ったとき」
ただし、発注先によっては源泉徴収をしないことが稀にあります。
その場合は、Webライターが確定申告をして所得税を納める必要があります。
源泉徴収の有無は契約書に記載されています。
記載されていないときは、発注先に問い合わせましょう。
納め過ぎた所得税は確定申告により戻ってくる
- 翌年の1月末ごろに発注先から源泉徴収票が届く
- 確定申告をして正しい所得税に修正しよう!
源泉徴収された所得税は、実際の金額よりも多く納めている場合が多いです。
なぜなら、年間の所得を先回りして計算するため、経費や控除などを考慮しないからです。
そのため、納めた過ぎた所得税は、確定申告をすることで戻ってきます(数千円~)。
翌年の1月末ごろに、発注先から源泉徴収票が届きます。
払いすぎた所得税が返金されるので、確定申告により所得を計算し直して、正しい所得税に修正する手続きを行いましょう。
確定申告について知りたい場合は、下の記事をご参考くださいね。
くわしく知りたい
Webライター確定申告のやり方と注意点!副業・専業どちらも必見!
Webライターは青色申告すべき?メリット5つとデメリット2つ!
源泉徴収に消費税を含めなくてよい
- 原稿料と消費税額を分けて記載しよう!
- 源泉徴収税は「原稿料のみ」から引こう!
源泉徴収税を計算するときに、消費税を含めた金額にするかどうかを迷うこともあるでしょう。
国税庁による規定を見てみましょう。
消費税が原稿料に含まれる場合は、原則として消費税を含める金額を源泉徴収の対象にする ただし、原稿料と消費税額を分けて記載する場合、原稿料のみを源泉徴収の対象にして構わない 参考:国税庁「No.2792 源泉徴収が必要な報酬・料金等とは」
国税庁によれば、原稿料と消費税額を分けて記載すれば、消費税額を源泉徴収の対象に含めなくてもよいことがわかります。
「原稿料のみ」と「原稿料+消費税」のどちらを源泉徴収の対象にするかは、それほど気にする必要はないかもしれません。
たとえば、原稿料が5万円の場合は、その違いは510円程度の差です。
ですが、1回の受けとり金額は小さくても、年間を通すと大きな金額になります。
源泉徴収税は「原稿料のみ」を対象にして計算しましょう。
Webライターが請求書を作る4つの注意点
請求書は作成ツールを活用したとしても、記載するときや送るときに迷うことがあると思います。
そこで請求書を送るときの注意点を4つ紹介します。
請求書に押印は必要?必須ではない
- 押印がなくても請求書の効力は変わらない
- 発注先に押印を求められる場合がある
請求書への押印は必須ではありません。
押印がなくても請求書の効力は変わらないので、ご安心くださいね。
ただし、発注先によっては、押印を求められる場合があるので確認しましょう。
押印が必要な場合は、個人名や事業名、電信印鑑でも構いません。
一般的には、請求者名の右横に文字に被せて押印します。
送る方法はメール?郵送?発注先による
- 発注先に指定されることが多い
- 指定がなければ郵送・メール・GoogleドライブでもOK
請求書を送る方法に決まりはありませんが、発注先から指定されることが多いです。
指定がなければ、プリントアウトして郵送しても、メールに添付しても、Googleドライブを利用しても構いません。
ただし、メールやGoogleドライブを利用する場合は、改変の恐れがあるので、必ずPDFに変換して送りましょう。
請求書はいつまで保管するの?7年間
- 請求書の保存期間は5年間
- 可能ならば7年間保存しよう!
所得税法により、帳簿書類は一定期間の保存が義務付けられています。
個人事業主の場合、青色申告・白色申告ともに請求書や見積書、契約書などの保存期間は「5年間」です。
ただし、帳簿や決算書類は「7年間」保存する必要があるため、可能ならば請求書も7年間保存しましょう。
保存期間中に税務調査が入った場合、書類が保管されていないと不利益を被る可能性があります。
ファイルなどに分類して、きちんと保管しましょう。
収入印紙は必要?PDFの場合は不必要
- 税抜き5万円以上になる場合は必要
- PDFの場合は必要ない
請求書が領収書を兼ねるときは、収入印紙を貼る必要があります。
受取金額が、税抜き5万円以上になると、収入印紙を購入して貼り付ける義務が生じます。
ただし、PDFで発行する場合は、収入印紙の必要はありません。
参考:国税庁「No.7141 印紙税額の一覧表(その2)」
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Webライターにおすすめの請求書作成ツール3選
無料で利用できるツールも含めて、Webライターにおすすめの請求書作成ツールを3つ紹介しますね。
「請求書を作成する時間がない…」「簡単に請求書を作成するツールを知りたい!」という方は、ぜひ参考にしてご検討ください。
Misoca(みそか)
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確定申告の作成ツールは、下の記事で解説していますので、あわせてご参考くださいね。
くわしく知りたい
Webライターにおすすめの会計ソフト4選【2023年最新】
クラウド会計ソフトfreee(フリー)
「クラウド会計ソフトfreee(フリー)」は、業界シェア数No.1を誇る会計ソフトです。
会計ソフトfreee(フリー)を使っている方は、こちらの提供する作成ツールを使うこともおすすめです。
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会計ソフトfreee(フリー)の特徴や評判は、下の記事をご参考くださいね。
くわしく知りたい
会計ソフトfreee(フリー)の評判・口コミを解説【2023年最新】
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マネーフォワードクラウド確定申告の特徴や評判を知りたい場合は、下の記事をご参考くださいね。
くわしく知りたい
マネーフォワードクラウド確定申告の特徴・料金プラン・評判を解説!
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特徴 | 未経験者向け 簿記の知識がなくても簡単 | 副業の方向け 白色申告をする | 初心者向け じっくり検討できる | 中級者向け ほかのサービスと連携できる |
評判 | 評判・口コミ | 評判・口コミ | 評判・口コミ | 評判・口コミ |
請求書 | 作成ツールあり | Misoca(みそか) | Misoca(みそか) | 作成ツールあり |
おさらい:Webライターの請求書の書き方
Webライターの請求書は、無料の作成ツール「Misoca(みそか)」を使えば簡単に作れます。
請求書を作成して不安を感じる場合は、間違いや記入漏れがないか、発注先に確認してもらいましょう。
間違った内容で送ると取引先に迷惑がかかってしまいます。
慣れるまでは一つひとつ丁寧に進めましょう。
また、直接契約をするときは、トラブルに遭わないよう、自分で自分の身を守ることも大切です。
下の記事では、トラブル防止策や損害賠償請求について解説していますので、あわせてご覧くださいね。
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おしまいに
消費税や源泉徴収税など、むずかしくてややこしいと感じますよね。
執筆以外のことに時間を取られることは、不本意だと思います。
ですが、一度作ってしまえば「え?これだけ?」と思えるくらいに簡単です。
ステップアップや独立を考えている方は、ぜひトライしてみてくださいね。
最後までお読みいただきまして、ありがとうございます。
それでは、ごきげんよう。
桜御前