きょうは、冗長表現について綴ってまいります。
あなたは冗長な文章で、読む人に負担をあたえていませんか?
冗長表現とは、不要な語句があるために、伝えたいことがわかりにくい表現のことです。
冗長表現は、余計な語句を省いたり違う言葉に置きかえたりすることで、スッキリとした表現に改善できます。
今回の日記では、使いがちな冗長表現の改善方法を具体例とあわせて解説します。
遠まわしな表現は、一見丁寧に見えても読みにくい文章になり、読む人を不快にさせます。
「回りくどい文章だな…」「なんとなく読みにくいな…」と感じたら、冗長表現がないか見返しましょう。
少しの心がけで、だれでも格段に読みやすい文章に改善できるので、ぜひ実践してみてくださいね
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冗長表現とは?不要な言葉が多い無駄な表現
突然ですが、あなたはこの文章を読んでどのように感じますか?
Webにおいてライティングをなさっている方は、こちらに書かれている記事を読みますと、わかりやすい文章を書くための基礎的な知識について学ぶことができます
「意味はわかるけど、なんとなく読みにくいな」と感じたのではないでしょうか?
では、つぎの文章はいかがですか?
Webライティングに関わる方は、この記事でわかりやすい文章の基礎知識を学べます
今度は「意味が伝わりやすい」と感じると思います。
文章の中に不要な言いまわしが含まれると、一文が長くなるのに加えて、意図が伝わりにくくなります。
冗長表現を改善し、無駄な語句を省いて別の言葉に置きかえると、読みやすくスッキリとした文章になります。
このように冗長表現とは、不要な言葉による読みにくい文章、長いだけの文章のことをいいます。
では、なぜ冗長表現を使ってしまうのでしょう?
冗長表現を使う理由
冗長表現を使う理由は「知的に見られたい」「丁寧な文章を心がけていると思われたい」といった心理がはたらくためと考えられます。
そのような意図がなくとも、丁寧に書こうとした結果、無意識のうちに使用することもあります。
たとえば「〇〇することができる」の言いまわしは冗長表現です。
はっきりと主張せずに余地を残す言葉であり、あらゆる可能性を秘めていることを伝えられる便利な表現です。
しかし、この余地が不明確さを生み、広い意味を持つ印象をあたえて、かえって曖昧な内容にしてしまします。
つまり、丁寧な文章にしようと意識するあまり、かえって読者の混乱を招く要因になるわけです。
このように、冗長表現は文法的には間違っていないものの、意味をわかりにくくします。
文章を書くときは、明快な表現を心がけ、理解しやすい文章を心がけましょう。
冗長表現のデメリット
冗長表現を使うと、伝わりにくい文章になり、読者に余計なストレスをあたえます。
Web上の記事であれば、読者が離れる原因になり、二度とWebサイトに訪問してもらえないでしょう。
また、文字数を稼ぐために冗長な表現を使用していると、発注先に誤解される可能性もあります。
そのため、冗長表現を使わずに、簡潔な文章を心がけることが大切です。
意識するだけで簡単に改善できるので、一緒にシンプルな文章を身につけましょう。
冗長表現をスッキリ改善する8つの方法
それでは、だれもが使いがちな冗長表現を8つ見てみましょう。
「の」の連続
言葉を結ぶ助詞の「の」は使いすぎると「係る」と「受ける」の言葉が曖昧になり、伝わりにくい表現になります。
「の」が連続しないように、わかりやすい言葉に置きかえましょう。
例文を見てみましょう。
◆ 省略できる「の」をなくす × おすすめのWebライターの講座 ↓ 〇 おすすめのWebライター講座
◆ 動詞に置きかえる × 全国の花好きの女性の間で人気の桜、京都の円山公園の「しだれ桜」 ↓ 〇 全国の花好き女子に人気を誇る、京都円山公園の「しだれ桜」
◆ 「である」に置きかえる × 私は伝統の和菓子の宝庫の魅力がたっぷりの京都のわらび餅が好きです ↓ 〇 私は伝統的な和菓子の宝庫である、魅力がたっぷり詰まった京都産わらび餅が好きです
少し大げさな表現にしましたが「の」を無くすことで、理解しやすい表現になりましたね。
最後の文章は、文を2つに分けて「京都のわらび餅」を「京都産」に置きかえて改善しています。
「の」が連続して文章が長くなるときは、文を2つに分けて短くすると伝わりやすくなります。
「という」「こと」の表現
文章を書くときに使いがちな「という」や「こと」の表現も文章をわかりにくくします。
たった2文字3文字ですが、この言葉を省くだけですっきりと改善できます。
× 「母親」や「父親」というものは娘が考えていることに見向きもしない ↓ 〇 「母親」や「父親」は娘の考えに見向きもしない
「など」や「のような(に)」の表現も、はっきりとした使う意図がない場合は、省くと読みやすくなります。
× 記事や文章などを書くようなときは言葉を選びましょう ↓ 〇 記事や文章を書くときは言葉を選びましょう
「など」「ような」を省くと言葉がスッと頭に入ってきますよね。
なくても意味が通じる言葉は、思いきって取りのぞくようにしましょう。
冗長な文末表現
冗長な文末表現とは「~することができます」のように、まわりくどい言い方をすることです。
この場合も、簡潔で読みやすい文章になるので、なくても意味が変わらない表現はなくすようにします。
× 読みやすい文章を書くことができる ↓ 〇 読みやすい文章を書ける × 大切な意味があるものである ↓ 〇 大切な意味がある
冗長な文末表現は、読者の集中力を奪います。
できる限り短い文末にして、テンポよく読める文章を心がけることが大切です。
二重敬語
二重敬語とは、敬語を必要以上に重複して使うことです。
仕事や接客の場面でよく指摘されますが、文章でも間違った使い方をすると読みにくくなり、相手に違和感をあたえます。
× させていただきます ↓ 〇 いたします × 伺わせていただきます ↓ 〇 伺います × お帰りになられました ↓ 〇 お帰りになりました × おっしゃられる通りです ↓ 〇 おっしゃる通りです
敬語表現は、ひとつの文につき1回が適切とされています。
過剰な敬語表現は、かえって悪い印象をあたえることがあります。
くどい表現になっていないか、丁寧に見直しましょう。
二重否定
二重否定を多用すると、まわりくどく伝わりにくい文章になります。
歯切れが悪く説得力に欠ける文章になるので、簡潔に伝わる文章に改善しましょう。
× 工夫すれば文章が書けないわけではない ↓ 〇 工夫すれば文章が書ける 〇 工夫すれば文章が書けるだろう
肯定文のほうが、シンプルで伝わりやすいですよね。
否定を否定する表現は、読者の誤解を招きます。
なるべく二重否定を避けて肯定文で表現することが、伝わりやすくなるポイントです。
同じ単語のくり返し
同じ単語のくり返しも、まわりくどい表現になるために注意が必要です。
× 言葉を伝えるときに大切なのはシンプルな言葉で伝えることです ↓ 〇 言葉を伝えるときに大切なのはシンプルに伝えることです 〇 言葉を伝えるときに大切なのはシンプルさです
「言葉」という単語が2回連続しています。
冗長表現をなくして端的にすると、もっとも伝えたいことを強調できます。
読者に重要な情報を伝えるうえでも、無駄な表現をなくすことが重要です。
同義語・類義語の重複
同義語・類義語の重複とは、同じような意味の言葉を重ねて使うことです。
× 帰宅中の帰り道で ↓ 〇 帰宅途中の道で 〇 帰り道の途中で × まず初めに ↓ 〇 まず~ 〇 初めに~ × 約1か月ほど前に ↓ 〇 約1か月前に 〇 1か月ほど前に
同じ意味は重ねて使う必要がないので、どちらか一方に統一します。
不要な語句
あってもなくても意味の通じる不要な語句も、省くとスッキリと読みやすい文章になります。
「基本的に」「ある意味」「逆に」「普通に」の言葉は読者に誤解をあたえます。
なくても意味が変わらないのであれば、使わないようにしましょう。
× 基本的に朝食はご飯を食べています ↓ 〇 朝食はご飯を食べています
「基本的に」の正しい使い方は、つぎのとおりです。
〇 基本的に朝食はご飯を食べますが、時間がない時はパンで済ませます
「基本の朝食」と「時間がないときの朝食」を比較して、意図を持って「基本的に」を使います。
「基本的に」「ある意味」「逆に」「普通に」を使うときは、例文のように、使う意図を考えて意味を持って使いましょう。
また、不要な「接続詞」や「形容詞」をなくすと伝わりやすい文章になります。
下の記事では、効果的な「接続詞」や「形容詞」の使い方を解説しています。
読者の理解をスムーズに助ける読みやすい文章になりますので、あわせてご参考くださいね。
くわしく知りたい
【接続詞の種類と効果的な使い方】例文つきでわかりやすく解説
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冗長表現をなくして読みやすい文章にするテクニック
冗長表現を理解できたら、読みやすい文章にするにはどうしたらいいか、5つのテクニックを紹介しますね。
文章全体の冗長表現も改善する
余計な文章が含まれていないか読み返すときにチェックしよう!
文章ごとに意識することも大切ですが、文章全体の冗長表現に気をつけて改善すると、簡潔で伝わりやすい文章になります。
気をつけることは3つです。
読者が知りたい内容に素早くたどり着けるよう、余計な文章をなくして、適切な内容のみを伝えることが簡潔に伝えるコツです。
無駄のない端的な文章は、理解しやすいだけでなく説得力も高まります。
読み返すときに、余計な文章や説明を省きながら整えると、シンプルで伝わりやすい文章になりますよ。
一文一義を心がける
「1つの文章に伝えたいこと1つ」を心がけよう!
一文一義とは、ひとつの文章に伝えたいことを1つにしぼって書くことです。
ひとつの文章に情報を1つにすると、伝えたいメッセージが明確になり、はっきりと意味が伝わります。
複数の情報を含む長い文章は、読みにくく読者に混乱や誤解をあたえます。
読者がリズムよく読めるよう、一文におさめる内容をできるだけ減らして「1つの文章に伝えたいこと1つ」を心がけることが大切です。
一文を60文字以内におさめる
長文になりそうなときは2つの文章に分けよう!
文字数に制限をかけると、短い文章を書けるようになります。
その結果、意識せずとも冗長表現を抑えられ、読みやすくわかりやすい文章になります。
理想は、一文を60文字以内におさめることです。
1つの文章にたくさんの情報を詰めこむと、文章が長くなり、理解しにくくなります。
長文になりそうなときは2つの文章に分けると、伝わりやすい文章になりますよ。
読者に興味を持って読んでもらうためにも、できる限り無駄な情報を減らし、価値ある内容を届けましょう。
はじめに結論を伝える
PREP法を活用しよう!
冗長表現を避けるには、はじめに結論から書くようにすると、要点の伝わる文章になります。
それには「PREP法」を活用するのがおすすめです。
具体的に書き方をしめしますね。
◆ Point:結論 はじめに話の結論(要点・主張)を伝える ◆ Reason:理由 つぎに結論にいたった理由を説明する 「なぜなら」を使うと説明しやすい ◆ Example:具体例 結論に至った理由を具体例を用いて説明する 「たとえば」を使うとわかりやすく伝わる ◆ Point:結論 はじめに伝えた結論を最後にもう一度伝える 「そのため」を使うとまとめやすい
わかりやすく例文を見てみましょう。
◆ Point:結論 文章を書くときはPREP法を使いましょう ◆ Reason:理由 なぜなら、読者にわかりやすく伝わるからです ◆ Example:具体例 たとえば、結論を2回伝えるので記憶に残りやすくなります 理由と具体例を伝えるので納得しやすくなります ◆ Point:結論 そのため、文章を書くときはPREP法を使うのがおすすめです
上のようにPREP法は、最初と最後に結論を持ってくるので、重要なポイントをしっかりと伝えられます。
また、シンプルな構成なので、苦手意識のある方でも説得力のある文章を簡単に書けます。
初心者の方ほど、一文一義とPREP法を組み合わせて書くといいですよ。
PREP法の書き方を知りたい場合は、下の記事で解説していますのでご参考くださいね。
くわしく知りたい
PREP法の書き方!初心者でもわかりやすく伝わる説得力が増す文章
むずかしい用語を使わない
容易に理解できる言葉に置きかえよう!
むずかしい用語や専門用語は、読者の読む意欲を低下させます。
とくに、マーケティング用語やビジネス用語をむずかしいと感じる人は多く、だからと言って説明を加えると、長々とした文章になります。
そのため、専門用語は、できるだけ一般的な言葉に置きかえるのが得策です。
読者が理解しやすく、興味を持ってもらえる文章になるので、難解な言葉を最小限にし、容易な言葉で表現するようにしましょう。
書くのが苦手でも伝わりやすい文章を書ける本3冊
書くのが苦手でもテクニックを理解すれば、だれでも伝わりやすい文章を書けます。
その方法を学べる、おすすめの本を3冊紹介しますね。
言葉ダイエット
「言葉ダイエット」は、現役のコピーライターが実践する文章術を解説した本です。
ダラダラとした文章を削るための「言葉ダイエット」が、豊富な実践例を交えて紹介されています。
メールや企画書のダイエット法だけでなく、読み手を惹きつける文章の書き方も学べ、明日からすぐに使えるテクニックが満載に身につきます。
「じゃあ具体的にどうすればいいの?」と、読みやすい文章にたくさん触れたい方におすすめです。
新しい文章力の教室
「新しい文章力の教室」は、大手ニュースサイト「ナタリー」で実際に使われている新人社員向けトレーニングをまとめた本です。
絵柄を使って具体的に解説してくれるので、とてもわかりやすく77のテクニックを順に身につけられます。
とくに、第一章の「書く前に準備する」の内容が優れており、悩まず書くための方法やテクニックを意識するだけでも長い文章を書けるようになります。
テクニックだけでなく、文章を書くときの心構えも学べますよ
本の内容は、下の記事でも解説していますのでご参考くださいね。
くわしく知りたい
初心者WebライターにおすすめのWebライティング本12選!
文章力の基本
「文章力の基本」は、わかりやすく簡潔に伝わる文章の書き方を77のテクニックから学べる本です。
「無駄なく・短く・スッキリ」と書き「誤解をあたえず・正確に・スラスラ」と伝わる文章の書き方を理解できます。
「良い例文」から「悪い例文」への修正が丁寧に解説されているので、文章を書くときも見直すときも、すぐに実践できます。
2015年には「文章力の基本の基本」2017年には「文章力の基本」をさらに発展させた「文章力を伸ばす」が出版されています。
段階ごとにステップアップすることで、さらに文章力を磨けますよ。
本の内容は、下の記事をご参考くださいね。
くわしく知りたい
Webライターの文章力を鍛える本5冊!語彙力と共感力を磨く本3冊!
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おさらい:使いがちな8つの冗長表現
冗長表現とは、不要な言葉が多く無駄に長い表現のことです。
必要ない言葉を省いて別の表現に置きかえると、理解しやすい文章に改善できます。
一文一義を心がけて適切な情報のみを伝えましょう。
また、伝わりやすい文章を書くには、文法の基本ルールを知ることも有効です。
下の記事を読むと、Webライティングの基本の書き方を理解できますので、あわせてご覧くださいね。
おしまいに
冗長表現は、思い込みによる間違った表現をするときに使いがちです。
その癖を直すには、正しい文章に多く触れることで徐々に改善できます。
時間があるときは、できるだけ本を読んで正しい日本語の文章に触れましょう。
最後までお読みいただきまして、ありがとうございます。
それでは、ごきげんよう。
桜御前