きょうは、UPWORDS(アップワーズ)フォーミュラについて綴ってまいります。
「UPWORDS…?」と耳にしたことがない方もいると思いますが、とても使いやすい法則です。
たとえば「健康のために毎日5キロをウォーキングしましょう」の文章があるとしましょう。
あなたは「5キロ」と言われて、どのくらい歩くのかを距離をイメージできますか?
UPWORDSフォーミュラを身につけると、その距離をわかりやすく伝えられます。
今回の日記では、UPWORDSフォーミュラについて、イメージが伝わる表現の仕方をくわしく解説します。
- 「どうしたら具体的に伝わるんだろう?」
- 「わたしの文章って何かわかりにくい…」
- 「もっと自分の言いたいことがスムーズに伝わる方法を知りたい!」
あなたの文章が理解しやすい表現に劇的に変わりますので、上のように感じる方は、ぜひ参考にして実践してみてくださいね。
表現の幅が広がるツールも紹介していますので、最大限に活用して文章力の向上にお役立てください
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UPWORDSフォーミュラとは?鮮やかにイメージが伝わる法則
UPWORDSフォーミュラは、鮮やかに情景が浮かびあがるように、わかりやすく伝える文章の法則です。
コピーライティングの世界で有名なマイケル・フォーティン氏が考えた法則です。
「UPWORDS」とは、
Universal Picture Words Or Relatable, Descriptive Sentencesの頭文字をとった造語のことです。
日本語にすると「だれもが情景をイメージできる言葉、また簡単に連想できる描写表現」の意味になります。
わかりやすく例文を見てみましょう。
「トンネルを抜けると一面に広がる銀世界」 「像2頭分ほどの岩」
1つ目の例文は、雪という表現をまったく使っていませんが、頭の中に一面の雪景色を思い浮かべますよね。
2つ目の例文は、大きくて重そうな岩を想像できます。
このように、鮮やかな情景が思い浮かぶようにわかりやすくイメージを伝える法則を「UPWORDSフォーミュラ」といいます。
UPWORDSフォーミュラを使うときは、つぎの2つを意識することが大切です。
読者は、文章の意味を頭でイメージして理解を深めます。
頭に思い描けることは納得しますが、頭に思い浮かばないことは納得できません。
そのため、UPWORDSフォーミュラを使うときは「鮮明に思い描けること」「具体的に連想できること」を意識して伝えることが大切です。
では、この2つについてくわしく見てみましょう。
UPWORDSフォーミュラで意識すべきポイント
2つのポイントを具体例を交えて解説します。
鮮明に思い描けるように伝える
「鮮明に思い描けるように伝える」とは、具体的なモノや数字を用いて、場面や状況が脳内に浮かび上がるように伝えることをいいます。
このポイントを意識して伝えると、文章の出来事が鮮明に浮かび上がるので、読者は物事を抽象的な概念ではなく、具体的な情報として受け取れます。
冒頭で伝えた「5キロの距離」を例に見てみましょう。
よりわかりやすく伝えるために、鮮明に思い描けるよう文章を視覚化してみますね。
◆ 5キロの距離 → 早歩きして1時間ほどの距離 → ジョギングで40分程度の距離
上のような表現にすると、具体的にどのくらいの距離かをイメージできるので、5キロのウォーキングも「1時間早く起きれば実践できる」と実際の行動に結びつけて考えられますよね。
このように、視覚的な描写によって、文章をリアルに思い描けるように表現することが、1つ目の意識すべきポイントです。
具体的に連想できるように伝える
「具体的に連想できるように伝える」とは、比喩やたとえ話を用いて、状況や感情を具体的な言葉に置きかえて伝えることを指します。
このポイントを意識して伝えると、読者は文章の意味を自分の経験や感覚に照らし合わせながら理解できるので、複雑な考えや抽象的な概念をより直感的に捉えることができます。
こちらも具体例を見てみましょう。
「彼の言葉は心に突き刺さる矢のようだ」
上の例文は、彼の言葉が非常に鋭い表現であることがわかりますよね。
「傷ついた」の言葉はありませんが、相手の心に強い衝撃をあたえたことを連想できます。
もうひとつ例を見てみましょう。
「今日は肌に突き刺すほど冷える朝だ」
こちらも「寒い」の言葉を用いていませんが、とても寒い朝であることを想像できます。
このように、抽象的な感情や状況を比喩やたとえ話に置きかえて説明することが、2つ目の意識すべきポイントです。
とくに「感覚に訴える表現」は効果的に読者の反応を得られるとマイケル・フォーティン氏はいいます。
これら2つのポイントを押さえることで、記事の内容を魅力的で理解しやすい文章にできます。
では、2つのポイントを理解できたら、UPWORDSフォーミュラのコツを見てみましょう。
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UPWORDSフォーミュラ効果を発揮するコツ
上の2つのポイントを押さえたうえで、UPWORDSフォーミュラの効果を発揮するコツを紹介しますね。
五感に訴える
五感を使う方法は、視覚・聴覚・味覚・臭覚・触覚の五感に訴える表現であらわします。
読者が情景や感覚を具体的に想像できるように伝えることが大切です。
「ごはん」を例に五感に訴える表現を見てみましょう。
◆ 視覚 一粒一粒ツヤツヤとした輝き ◆ 聴覚 カツカツもぐもぐと口にほおばる ◆ 味覚 噛むほどに広がる甘みと旨味 ◆ 臭覚 炊きたての芳しい香り ◆ 触覚 アツアツハフハフのごはん
日本昔ばなしのような情景を思い浮かべますね。
五感に訴えると、鮮明な情景を思い浮かべられるのでイメージが伝わりやすくなります。
数字を使う
数字を使う方法は、頭で捉えられるように、わかりやすい数字に置きかえてあらわします。
高さ15m⇒5階建てのビル 500Kcal⇒昼食1食分 ビタミン1000mg⇒レモン50個分のビタミン
ポイントは連想しやすい数字に置きかえることです。
「高さ15m」という表現より「5階建てのビル」と伝えたほうがイメージしやすいですよね。
身近なものにたとえる
身近なものにたとえる方法は、読者にとって身近であればあるほど伝わりやすく共感を得られます。
たとえば、主婦層に向けた記事は、家事や料理、子育てにたとえると効果的です。
ビジネス男性に向けた記事は、少年漫画やスポーツにたとえると伝わりやすくなります。
具体的には、車の安全性や衝撃をベッドのマットレスにたとえたり、ビジネスチャンスを野球の試合にたとえたりします。
身近なものにたとえる表現は、比喩表現を学ぶと理解が深まりますよ。
比喩表現は、下の記事でくわしく解説していますので、あわせてご参考くださいね。
くわしく知りたい
比喩表現の意味と種類とは?使い方と例文をわかりやすく解説!
感情に響く言葉を使う
感情に響く言葉を使うと、読者は言葉の意味を感覚的に理解できます。
また、内容に合わせて表現を変えると、書き手の意図するイメージや微妙なニュアンスをわかりやすく伝えられます。
たとえば「きれいな歯」を感情に響く言葉に変えてみましょう。
◆ 感情に響く「きれいな歯」 きれいな歯を手に入れましょう 白く輝く歯を手に入れましょう 素敵な笑顔を手に入れましょう
「きれいな歯」は、あまり感情に響く言葉ではありませんよね。
ですが「白く輝く歯」や「素敵な笑顔」の言葉に変えると、良いイメージが印象づけられて感覚的に捉えられます。
今度は「旅行」を感情に響く言葉にしてみましょう。
◆ 感情に響く「旅行」 旅行に行く 羽を伸ばしに行く 癒されてリフレッシュする
「旅行」を「羽を伸ばす」「リフレッシュする」の言葉に変えると「旅行」に対する印象が変わりますよね。
書き手の意図するニュアンスに意味が変化し、感情に響きやすくなります。
このように、感情に響く言葉を使うと、書き手の思いを反映させることができ、読者は感覚的に意味を理解できるようになります。
ポジティブな言葉を使う
ポジティブな言葉を使うとは、文章を書くときは、できるだけ肯定的な言葉を選ぶという意味です。
人は、文章をひとつの言葉として記憶する性質があります。
そのため、プラスの言葉で伝えると、良いイメージとして認識され、記憶に残りやすくなります。
たとえば「まったく傷はありません」という文章は「傷」という言葉が記憶に残ります。
しかし「まったくの無傷です」と伝えると「無傷」という言葉をプラスの言葉として理解するので、より深く記憶に残ります。
とくに、医療に関わる記事は、意識してポジティブな言葉を使うのがおすすめです。
「痛みはまったくありません」より「まったくの無痛です」と伝えるほうが、良い言葉として強く印象づけることができます。
ほかにも、ポジティブな言葉に言いかえた表現を見てみましょう。
◆ ポジティブな表現 経費⇒投資 クレーム⇒ご意見 遅い⇒地道な
できる限りプラスの言葉、ポジティブな言葉に置きかえましょう。
同じ内容をくり返す
同じ内容の言葉をくり返すとは「同じ言葉」をくり返すのではなく、同じ意味の言葉を「違う表現に置きかえて」くり返すことです。
くり返し伝えることで、強く印象づけられて記憶に残りやすくなります。
例文を見てみましょう。
「ダイエット」と「継続」を違う言葉に置きかえてくり返します。
◆ ダイエット ・ダイエットできます ・痩せることができます ・理想のスタイルになれます
◆ 継続 ・継続は大事 ・諦めないことが大切 ・志を貫くことに意味がある
さまざまな角度からメッセージを伝えられるので、要点が伝わりやすくなります。
まとめる
まとめるとは、重要なポイントをわかりやすく整理して要約することです。
長い文章は要点を掴めないため、理解しにくくなります。
要約することで必要な情報のみを伝えられるので、読者は全体の内容を把握しやすくなります。
頭でしかっりと理解できるため、記憶に残りやすい効果も生まれます。
要約の仕方を具体的に知りたい場合は、下の記事をご参考くださいね。
くわしく知りたい
「まとめ」文章の書き方!記事を簡単に要約する方法と行動に促す方法
長い文章をスッキリとした文章にする方法は、下の記事がおすすめです。
くわしく知りたい
【使いがちな8つの冗長表現】スッキリ改善!読みやすい文章にする方法
表現力を豊かにするツール2選
最後に、表現力や語彙力を上げるツールを2つ紹介しますね。
情景を鮮やかに伝えるために、どのような言葉を選ぶべきかを理解できるので勉強になりますよ
連想類語辞典
連想類語辞典は、類語・同義語・連想語を調べることができる便利なサイトです。
的確な言い回しや異なる表現、インパクトのある言葉で伝えたいときに頼りになります。
表示された言葉のリンクを辿ると「類語の類語」も検索できる優れものです。
内容に合わせて言葉を変えられるので、確実に表現力が高まります。
「喜び」と検索すると200件以上の類語・関連語・連想語が出てきますよ。
日本語表現インフォ
日本語表現インフォは、感情、感覚、人物、暮らし、風景、食べ物の6つの分野について、意味や感覚、描写表現を調べられるサイトです。
五感を使った表現や、さまざまな感情をあらわす表現、物や人物の描写方法を知りたいときに重宝します。
「ごはん」の検索結果を見てみましょう。
気になる文章をクリックすると、どの文脈で使われているのか、引用元を確認できます。
クリックにクリックを重ねて、眺めるだけでも表現力が身につきますよ。
下の記事では、ほかにも表現力を豊かにするツールを紹介しています。
対義語や類義語、ネガティブな言葉をポジティブな言葉に変えるツールもありますので、ぜひご参考くださいね。
くわしく知りたい
修辞法(レトリック)とは?文章表現を豊かにする13技法と使い方
また、表現力を磨くときは、本から学ぶと早く上達します。
下の記事では、おすすめの本を紹介していますので、こちらもご覧くださいね。
くわしく知りたい
Webライターの文章力を鍛える本5冊!語彙力と共感力を磨く本3冊!
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おさらい:UPWORDSフォーミュラ
UPWORDSフォーミュラを使うと、鮮やかな情景が浮かびあがるので、わかりやすく伝えられます。
UPWORDSフォーミュラを使うときは2つのことを意識しましょう。
これらを満たす効果的なコツはつぎのとおりです。
読者が文章を鮮明にイメージできるよう、具体的な表現に変えて伝えましょう。
表現力や語彙力を豊かにするツールは、つぎの2つがおすすめです。
また、わかりやすく伝えるには、五感に響く表現で伝えることも役立ちます。
具体的な方法は、下の記事で解説していますので、あわせてご参考くださいね。
おしまいに
表現力を増すツールの「おまけ」です。
個人的には「オノマトペ辞典」のサイトがおもしろくておすすめです。
子どものころを思い出しながら眺められますよ。
メニューから「カテゴリー>性格・気質」を探すと感情表現のヒントが満載!で楽しめます。
興味を感じたら、ぜひ覗いてみてくださいね。
最後までお読みいただきまして、ありがとうございます。
それでは、ごきげんよう。
桜御前