きょうは、係り受けについて綴ってまいります。
「彼女の仕事はきれいな絵を描いています」
この文章、どこかおかしいと感じませんか?
係り受けの関係に誤りがあるために、違和感を覚えますよね。
正しい文章は「彼女の仕事はきれいな絵を描くことです」です。
- 「自分の文章に違和感がある」
- 「いつも読みにくいと言われる」
このように感じているなら「間違った係り受け」を使用しているのかもしれません。
係り受けの関係を誤ると、文がねじれてしまい、意味が正しく伝わりません。
そこで今回の日記では、正しい係り受けのルールを解説します。
係り受けのルールを理解して「ねじれ」のない読みやすい文章にしましょう
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係り受けとは「係る文節」と「受ける文節」のこと
係り受けとは「係る文節」と「受ける文節」のことです。
「主語と述語」「修飾語と被修飾語」のように1つの文の中で2つの文節が関係し合うことを「係り受け」といいます。
このとき、前にある文節は後ろの文節に「係る」といい、後ろの文節は前の文節を「受ける」といいます。
係り受けは、つぎの2種類に分けられます。
係り受けの文章には「係る文節」と「受ける文節」が必ず存在します。
具体的に見てみましょう。
◆ 「主語と述語」の係り受け 桜が/咲いた
「桜が」が「咲いた」に係り「咲いた」が「桜が」を受けています。
◆ 「修飾語と被修飾語」の係り受け きれいな/桜
「きれいな」が「桜」に係り「桜」が「きれいな」を受けています。
このように、係る文節と受ける文節は互いに結びついています。
この組み合わせを間違えると文の中でねじれが起きるため、意味が通じなくなります。
正しい係り受けのルールを学び、ねじれをなくしましょう。
係り受けの意味を理解できたら、係り受けのルールを見てみましょう。
「主語と述語」の正しい係り受け3つのルール
「主語と述語の係り受け」と「修飾語と被修飾語の係り受け」に分けてルールを解説します。
はじめに「主語と述語」の正しい係り受けを見てみましょう。
主語と述語を確認する
主語と述語を抜きだして「ねじれ」を整えよう!
文のねじれは、主語と述語がかみ合っていないために起こることが多いです。
「この文はねじれているのかな?」と感じたら、主語と述語を抜きだして確認しましょう。
主語と述語のみでも意味が通じる場合は、正しい係り受けの関係にあります。
具体的に見てみましょう。
彼女の趣味は、平安時代の歴史物語を書いています
上の例文は、違和感を覚えるので、主語と述語を抜きだして確認します。
主語:彼女の趣味は 述語:書いています
主語と述語つなげると、下のような文になり、前後がうまくかみ合いません。
彼女の趣味は書いています
この例文を2つの方法で、ねじれを整えましょう。
1.主語にあわせる場合 彼女の趣味は平安時代の歴史物語を書くことです。 2.述語にあわせる場合 彼女は趣味で平安時代の歴史物語を書いています。
ねじれのない、意味の通じる文章になりましたね。
書いている途中で不安に感じたときは、主語と述語を確認しましょう。
文節のみでも意味が通じる場合は、適切な係り受けになっています。
一文を短くする
- 文を2つに分けて短くしよう!
- 主語と述語を近づけよう!
文章のねじれは、一文が長く複雑な場合に起こりがちです。
つぎの例文を見てみましょう。
×:彼女の趣味は、都での暮らしぶりや習慣が垣間見える、読む人に感動をあたえる平安時代の歴史物語を書いています。
このような長い文章は、主語から述語までが遠いため、係り受けを間違えてしまいます。
ねじれを起こさない方法は、一文を短くすることです。
つぎのように、2つの文に分けましょう。
〇:彼女の趣味は、平安時代の歴史物語を書くことです。 都での暮らしぶりや習慣が垣間見える、読む人に感動をあたえる物語です。
改善例では「歴史物語を書くことです」の述語を主語の近くに置きました。
そのあとに、くわしい内容を説明しています。
短い文章は主語と述語が近いため、何を指しているのかをすぐに理解できます。
文章が長すぎると感じたときは、文を分けて短くしましょう。
文章を短くするポイントは2つです。
1つの文でいくつもの主張を述べると、何を伝えたいのかわからない文章になります。
主語を近くにおいて「一文に主張を1つ」にすることで、わかりやすい文章になります。
受動と能動を使い分ける
主語が無生物のときは受動態で受けよう!
適切な係り受けにするために、受動と能動の使い分けに注意しましょう。
例文を見てみましょう。
彼女の書いた小説がWeb小説で公開している
「小説」という無生物の主語が、能動的にはたらきかけて「公開」するのは違和感がありますよね。
つぎのように改善しましょう。
彼女の書いた小説がWeb小説で公開されている
主語が無生物のときは、受動態で受けるようにしましょう。
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「修飾語と被修飾語」の正しい係り受け3つのルール
続いて、修飾語と被修飾語の正しい係り受けのルールを3つ見てみましょう。
修飾語を被修飾語に近づける
修飾語と被修飾語を離さない
修飾語は離さずに被修飾語の近くに置きましょう。
修飾語と被修飾語を離してしまうと、係り受けの関係がはっきりしないため、読者に誤解をあたえます。
例文を見てみましょう。
美しい平安京の物語です
上の例文は「美しい」の修飾語と「物語」の被修飾語が離れています。
そのため「美しい」が「平安京」に係るのか、それとも「物語」に係るのかがわかりません。
修飾語を被修飾語に近づけて改善しましょう。
平安京の美しい物語です
係り受けの関係が明確になり「美しい物語」という意味が、誤解をあたえずに正しく伝わりますよね。
長い修飾語→短い修飾語の順に配置する
長い修飾語を前に短い修飾語を後ろに置こう!
修飾語が複数ある場合は、長い修飾語を前に置き、短い修飾語を後ろに置きます。
例文を見てみましょう。
×:美しい千年もの時代を超えて愛される小説です ↓ 〇:千年もの時代を超えて愛される美しい小説です
「〇」の例文のように、短い修飾語である「美しい」を後ろに置くと、係り受けの関係が明らかになり、意味を捉えやすくなります。
隣同士の言葉を確認する
前後の意味が適切に関係していないときは文を2つに分けよう!
隣同士に並んだ言葉が、前後の意味と適切に関係しているか確認しましょう。
適切に関係していない場合は、文の意味にねじれが生じています。
具体例を見てみましょう。
×:7日前以降はキャンセルできません
「前」と「以降」は逆の意味をあらわす言葉なので、読者に混乱をあたえます。
文章を2つに分けて改善しましょう。
〇:キャンセルの場合は7日前までにご連絡ください それ以降はキャンセルできません
文章を分けると正しく意味を理解できますよね。
このように「係る文節」と「受ける文節」を適切に組み合わせて意味を正しく伝えましょう。
おさらい:正しい係り受けのルール
係り受けの文には「係る文節」と「受ける文節」が必ず存在します。
組み合わせを間違えると、文の中でねじれが起きるため、意味が通じなくなります。
正しい係り受けのルールを守り、ねじれをなくしましょう。
主語を近くに置き「一文に主張を1つ」にすると、わかりやすい文章になります。
前後の係り受けを整えると、誤解をあたえずに意味を正しく伝えられます。
文章が長いと感じたら、係り受けを見直して文を短くしましょう。
また、読みやすい文章を書くには、書き方のコツを知ることも役立ちます。
下の記事では、ライティングに必要な基本のテクニックを解説していますので、ぜひあわせてご覧くださいね。
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おしまいに
文章を書くときに一文を短くすると、文のねじれを防げます。
50文字程度の文を目安にして、長くなり過ぎないように意識しましょう。
下の文章は48文字です。
一文を50文字程度に納めると、係り受けの間違いを減らすことができ、読みやすい文章に改善できますよ。(48文字)
この程度の長さを目安に文章を書くと、ねじれを防げますよ。
最後までお読みいただきまして、ありがとうございます。
それでは、ごきげんよう。
桜御前