きょうは、ニーズとウォンツの意味について綴ってまいります。
セールスコピーライティングをするときに「ニーズ」や「ウォンツ」の言葉をよく耳にしませんか?
2つの言葉は考え方や捉え方によって解釈が異なり、明確な定義がないために混同しがちです。
そこで今回の日記では、ニーズとウォンツの意味や違いをわかりやすく解説します。
2つの意味を理解できると、顧客自身も気づかなかった深い悩みを見つけられ、適切な解決策を提案できます。
ニーズとウォンツを「ちゃんと理解できているか不安…」と感じる方は、ぜひ参考にしてお役立てくださいね
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ニーズとは?
ニーズとは、人々が持つ欲求や要求のことです。
不足している状態や不足から沸き起こる欲求を指し、置かれている状況に不満があるときに補いたい!と感じる心理をいいます。
ニーズには、顕在ニーズと潜在ニーズの2つの種類があります。
顕在ニーズ
顕在ニーズは、顧客が自分で自覚しているので解決策が明らかです。
たとえば「髪型を変えたい」を例に考えてみましょう。
「髪型を変えたい」ニーズは、顕在ニーズにあてはまります。
美容院でパーマをかけてイメージチェンジするという解決策や、ヘアアイロンを買って毎日変化を楽しむという解決策を選べるため、具体的な手段が明らかです。
潜在ニーズ
一方、潜在ニーズは、顧客が自分で自覚していないので、人から言われて問題に気づくことが多いです。
「髪型を変えたい」場合を考えると、潜在ニーズは「本当は女性らしくなりたいのでは?」「本当は可愛く思われたいのでは?」といった目的や願望を想像できます。
そのため「髪型を変えたい」という顕在ニーズを深く突きつめることで、顧客自身が自覚していない、より深い潜在ニーズを見つけることができ、その目的に適した解決手段を提案できます。
◆ 髪型を変えたい(顕在ニーズ) ↓ 女性らしくなりたい ↓ 可愛いと思われたい ↓ 注目されたい ↓ 気になるあの人に気づいてもらいたい!(潜在ニーズ) ↓↓ より目的に適した解決策を提案できる
上の例からもわかるように、顕在ニーズと潜在ニーズをきちんと把握すると、ふさわしい解決策を提案できます。
正しく把握せずに提案すると、悩みに寄りそっていない、一方的な押しつけになってしまうので注意が必要です。
ニーズを感じていない顧客を納得させることはむずかしく、気持ちをぞんざいに扱うことになります。
顕在ニーズにしっかりと寄りそったうえで、具体的な解決手段を提案することが大切です。
顧客さえも気づかなかった問題を解決すると、顧客の心をより深く満たせますよ。
では、ニーズを理解できたら、ウォンツの意味を見てみましょう。
ウォンツとは?
ウォンツとは、ニーズを満たす特定のモノやサービスに対する欲求や願望を指します。
人は不足している状態を感じると、何かを用いて満足できる状態に近づけたくなります。
その時に必要な「これ(特定のモノ)が欲しい!」と感じる欲求のことをウォンツといいます。
そしてウォンツは、大きく3つに分類できます。
基本ウォンツ
基本ウォンツとは、ニーズを満たすための解決策を求める欲求のことです。
たとえば、先ほどのニーズ「髪形を変えたい」の場合を考えると「美容院に行きたい」「ヘアアイロンを買いたい」という解決策が基本ウォンツになります。
基本ウォンツは、ニーズを満たす土台になり、基本ウォンツが充足されれば、ニーズも満たされます。
条件ウォンツ
条件ウォンツとは、希望通りに満たすための条件のことです。
「美容院に行きたい」が基本ウォンツの場合、「カリスマ美容師にカットしてもらいたい」もしくは「わがままを聞いてくれる知り合いの美容師にお願いしたい」など、選ぶ条件によって行く美容院が変わります。
このように、具体的に細かく求める条件を条件ウォンツといいます。
期待ウォンツ
期待ウォンツは、過去の経験から当然満たされるべきだと感じる事柄のことです。
「カリスマ美容師にカットしてもらえれば理想の髪型になれる」「自分の髪質を把握している知り合いの美容師なら安心して任せられる」などが期待ウォンツにあてはまります。
期待ウォンツは、個々人の経験や知識によって成りたちます。
このように「基本ウォンツ」を満たすだけでも商品サービスを選んでもらえますが「条件ウォンツ」や「期待ウォンツ」を満たすほうが消費者に好まれ、より顧客の満足度を高めることができます。
そのため、顧客が「条件ウォンツ」や「期待ウォンツ」をイメージできるよう、顧客心理を深く理解することが重要です。
では、ニーズとウォンツの意味を理解できたら、ふたつの違いや関係性を掘り下げてみましょう。
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ニーズとウォンツの違い
ニーズとは、欲求が満たされていない状態をいい、人間が感じる欠乏状態を指します。
ウォンツとは、ニーズに対する欲求をいい、欠乏状態を解決する具体的な手段を指します。
ニーズとウォンツは、目的と手段の関係で捉えると理解しやすいです。
ニーズとウォンツは、どちらも顧客心理をあらわす言葉なので、提案するときに必要になります。
一つひとつ見てみましょう。
ニーズとは目的・必要性
悩みを解決する目的のこと
ニーズは、人々が生活するうえで感じる、あらゆる不満を満たしたいという状態をあらわします。
顧客が商品を購入する「目的」や購入しなければならない「必要性」のことをいい、今現在、困っている悩みのことです。
ウォンツとは手段・解決策
ニーズを満たす具体的な手段のこと
ウォンツは、欠乏状態を満たす解決策、つまり、ニーズを満たすための具体的な手段のことです。
たとえば「のどが渇いた」状態は、欠乏している状態なので「ニーズ」をあらわします。
この欠乏状態を満たすために「水を飲みたい」という欲求が生まれますが、この「水を飲みたい」という解決策がウォンツです。
現在の状態と目指すべき姿にギャップがあるので、具体的な手段をもって解決します。
他にもニーズとウォンツの例を見てみましょう。
ニーズ(目的) | ウォンツ(手段) |
---|---|
のどを潤したい | 水を飲みたい |
髪型を変えたい | 髪を切りたい |
痩せたい | 食事を減らしたい |
家事を楽にしたい | 食洗器が欲しい |
表にあらわしたように、髪型を変える必要性があるときは、髪を切るという手段で解決します。
痩せる必要性があるときは、食事を減らすという手段で解決します。
つまり、悩みを解決する目的をニーズ、その具体的な手段をウォンツといいます。
では、ニーズを解決するウォンツは、ひとつだけなのでしょうか?
ニーズとウォンツの関係性
- ニーズに対するウォンツは複数ある
- ウォンツに対するニーズも複数ある
ニーズを解決するウォンツは複数あります。
「水を飲みたい」という手段を考えると、水以外にもお茶を飲むことでも解決できますし、ジュースを飲むことでも解決できますよね。
具体的にほかの例も見てみましょう。
ニーズ(目的) | ウォンツ(手段) |
---|---|
のどを潤したい | 水を飲みたい お茶を飲みたい ジュースを飲みたい |
髪型を変えたい | 髪を切りたい パーマをかけたい ヘアアイロンが欲しい |
痩せたい | 食事を減らしたい ヨガを習いたい ダイエットサプリが欲しい |
家事を楽にしたい | 食洗器が欲しい 家政婦を頼みたい 家族と分担したい |
上のように、ニーズに対するウォンツは1対1ではなく複数対応します。
逆に、ウォンツに対するニーズも複数対応します。
こちらも具体例を見てみましょう。
ニーズ(目的) | ウォンツ(手段) |
---|---|
のどを潤したい 水分補給したい ミネラルを摂りたい | 水を飲みたい |
髪型を変えたい ヘアスタイルを維持したい 毎日気分を変えたい | ヘアアイロンが欲しい |
家事を楽にしたい 水道代を節約したい 清潔な食器で食事したい | 食洗器が欲しい |
痩せたい お腹まわりを細くしたい きれいな姿勢を維持したい | ヨガを習いたい |
視点を変えることで、ウォンツが生じる状況から、元になるニーズを複数考えだせます。
つまり、不足する1つの状態から多くの解決策を提案できるので、その解決策は複数のニーズに対応できる強みがあることをしめせます。
「水を飲みたい」という解決策は、のどを潤すだけでなく「ひと休みする」というニーズも「水分補給する」というニーズも満たせますよね。
そのため、顧客の悩みに最適な解決策を見つけだし、その解決策を提案することで、顧客が今まで気づかなかったニーズを満たすことができます。
- 最適な解決策を提案できる
- 顧客の気づかなかなかったニーズも満たせる
- 複数のニーズに対応できることを強みにできる
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ニーズとウォンツを把握する必要性
おすすめする商品サービスを選んでもらうには、顧客の抱えるニーズとウォンツを的確に把握する必要があります。
なぜなら、両方を捉えることができれば、顧客が今どのような商品サービスに興味があり、どうしてそれを求めるのか理由や状況を理解できるからです。
理由や状況がわかると、もっとも顧客の望む解決策を提案できますよね。
顧客のニーズとウォンツに合致している商品サービスほど「自分のための商品だ」と感じてもらえやすく、購買意欲を高められます。
より効果的におすすめするためにも、顧客の抱くニーズとウォンツをしっかりと把握しましょう。
続いて、ニーズとウォンツの活用法を紹介しますね。
ニーズとウォンツの活用法
ニーズとウォンツを活用する方法は2つあります。
ウォンツからニーズを探る方法
ウォンツからニーズを探ると、顧客自身も気づいていなかった潜在ニーズを引き出せることがあります。
たとえば、顧客が「美容院に行きたい」という欲求を抱えていたとしましょう。
なぜ、美容院に行きたいのか深く掘り下げてみると「ヘアスタイルを変えたい」や「気分を変えたい」などの答えを挙げられます。
ここで「ヘアスタイルを変えたいと思ったきっかけは」と別の質問して掘り下げてみると「久しく同じ髪型であることに気づいたから」「しばらく自分を大切にする時間を持てなかったから」などが考えられます。
この場合「リラックスしたい」「自分をいたわりたい」といったほかのニーズも抱えていることがわかります。
Q:ヘアスタイルを変えたいと思ったきっかけは? ↓ A:久しく同じ髪型であることに気づいたから A:しばらく自分を大切にする時間を持てなかったから ↓↓ 「リラックスしたい」「自分をいたわりたい」のニーズも抱えていたことを把握できる
このように、さまざまな視点から掘り下げると、顧客の背後にある動機や目的を明らかにでき、最初の回答とは別のニーズを引き出せます。
より顧客が求めている解決策を提案するためにも、日常生活に根差した質問を重ね、ウォンツからニーズを見つけだすことが大切です。
ウォンツからニーズを推測する方法
ウォンツが明らかなときは、ニーズを推測すると顧客が本当に求めている解決策を導き出せます。
先ほどと同じく、顧客のウォンツを「美容院に行きたい」ニーズを「ヘアスタイルを変えたい」を例に考えてみましょう。
なぜ「ヘアスタイルを変える」ために「美容院に行く」ことを選んだのかを深堀りすると「自分で髪型を変えると失敗する可能性があるから」「日常から離れて良い気分を味わいたいから」という理由を挙げられます。
その場合、顧客が求めているのは「失敗せずに美しくなれる方法」「気軽に心地よくなれる方法」であると推測できます。
Q:なぜヘアスタイルを変えるために、美容院に行くことを選んだのか? ↓ A:自分で髪型を変えると失敗する可能性があるから A:日常から離れて良い気分を味わいたいから ↓↓ 「失敗せずに美しくなれる方法」「気軽に心地よくなれる方法」を求めていると予測できる
ニーズに「気軽に」が含まれていると把握できれば「シャンプーをしながらヘッドスパを受けられますよ」のように響く提案を提供できます。
では、ニーズとウォンツの違いを理解できら、具体的な提案方法を見てみましょう。
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顧客の悩みを解決する最適な4つの伝え方
顧客は、自分のニーズとウォンツがわかると、商品の購入や解決する手段を考えるようになります。
ニーズとウォンツの度合いを知ることで、顧客心理にあわせた提案ができるようになります。
それぞれの度合いを理解して、顧客の心に一番近い提案をしましょう。
いますぐ客:メリットを具体的に伝える
- 商品の特徴や強みをアピールしよう!
- あなたの商品を選ぶ理由を明確にしよう!
必要性を感じていて具体的な解決策も明らかな「いますぐ客」には、あなたのおすすめする商品の特徴や強みを具体的に伝えましょう。
たとえば「美容院でパーマをかける」という解決策が明らかな読者には「髪を傷めない液材を使っているお店です」や「長期間パーマがとれずに持続します」などの優れた点をわかりやすくアピールすると効果的です。
この心理にいる顧客は、複数の商品に迷っている状態なので、あなたの商品を選ぶ理由を明確に伝えることが重要です。
商品の特徴や強みを伝える方法は、下の記事で解説していますのでご参考くださいね。
くわしく知りたい
【FABフォーミュラ】簡単3ステップの法則!ベネフィットの伝え方
【アーカーのベネフィット3分類】心を動かすメッセージの伝え方
お悩み客:もっとも優れた解決策であることを伝える
- ほかの解決策よりも適していることを伝えよう!
- 口コミやお客様の声を載せよう!
必要性を感じているが、具体的な解決策には至っていない「お悩み客」には、あなたの商品がもっとも適した解決策であることを納得できるように説明しましょう。
「髪型を変えたい」と思っている顧客に、ヘアアイロンの購入など、ほかの解決策よりも「美容院でパーマをかける」ことがもっとも適していることを伝えます。
具体的には「朝の時間を短縮できるうえスタイルも長持ちして助かります」や「こんなに楽になるとは思わなかった」といった口コミやお客様の声を載せると効果的です。
そのうち客:意識を高めて必要性を伝える
- 未来の姿を鮮明にイメージさせよう!
- 何もしないデメリットを伝えて現状を明らかにしよう!
具体的な解決策に興味を感じるが、すぐには必要性を感じていない「そのうち客」には、必要性を感じられるように意識を高めることが大切です。
「プロに任せたら憧れの女優のようになり、素敵な自分に自信が湧いた」など顧客の評価や満足度をしめし、未来の姿を鮮明にイメージさせましょう。
反対に「もっと早くにお任せしていれば良かったと思います」といった後悔の声を載せて何もしないままでいるデメリットをしめし、現状を明らかにすることも有効です。
これらを伝えることで、現状をしっかりと把握でき、今すぐ解決する必要性を感じさせることができます。
なお、イメージを鮮明に伝える方法は、下の記事で解説していますので、あわせてご覧くださいね。
くわしく知りたい
【UPWORDSフォーミュラ】鮮やかなイメージが伝わる文章の法則
まだまだ客:時間をかけて意識にはたらきかける
- 商品についての幅広い知識を伝えよう!
- 時間をかけて徐々に伝えよう!
具体的な解決策に興味がなく、必要性も感じていない「まだまだ客」には、長い時間をかけて働きかける必要があります。
商品についての幅広い知識を徐々に伝えて、関心を持ってもらうことが近道です。
おさらい:ニーズとウォンツの意味と違い
ニーズとウォンツを理解できると、顧客の目的にそった最適な解決策を提案できます。
1つのニーズからあらゆる手段を解決できるため、提案する選択肢を広げられます。
その結果、1つのウォンツは、複数の状況に対応できるという強みをアピールできます。
悩みの度合いを読みとって、最適な解決策で顧客の心を満たしましょう。
また、ニーズとウォンツを理解できたら、購買心理にそった伝え方もできるようになります。
下の記事では、初心者でも成果につながる伝え方を解説していますので、あわせてご覧くださいね。
おしまいに
ニーズとウォンツの意味は、抽象的で似たような意味なので混乱しますよね。
「ニーズ=目的」「ウォンツ=手段」
2つを「目的」と「手段」に分けて箇条書きにすると、提案する選択肢を広げられます。
ぜひ今回のように表に分類して、最適な解決策を見つけだしてくださいね。
最後までお読みいただきまして、ありがとうございます。
それでは、ごきげんよう。
桜御前