きょうは、文章が読みやすくなる「接続詞の使い方」について綴ってまいります。
文と文をつなぐ接続詞には、内容の理解を助ける役割があります。
ただし、接続詞を使いすぎると堅苦しい文章になり、かえって読みにくくなります。
読みやすくなる接続詞の使い方は2つあります。
今回の日記では、接続詞の効果的な使い方と注意点をわかりやすく解説します。
接続詞を使いこなせると、スッキリとした読みやすい文章になります。
読者の理解をスムーズに促す文章を書けるようになりますので、ぜひ一緒に身につけましょう
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接続詞とは?文と文をつなぐ品詞
接続詞とは「言葉と言葉」「文と文」をつなぎ、前後の文がどのような関係にあるのかをしめす言葉です。
「しかし」「だから」という接続詞を文と文の間に置くことで「前の事柄」に対しての「後ろの事柄」といった関係性をあらわします。
具体例を見てみましょう。
「しかし」の接続語を使うときは、前の文章と相反する文章が後ろに続きます。
わたしは本が好きです。しかし、国語は苦手です。
「だから」の接続詞を使うときは、前の文章に対する結果をあらわす文章が後ろに続きます。
わたしは本が好きです。だから、趣味も読書です。
このように「前の文章」と「後ろの文章」をつなげる言葉を接続詞といいます。
文脈に応じた接続詞を使うことで、つぎの文の行き先が明確になり、読者の理解がスムーズになります。
では、接続詞にはどのような種類があるのでしょう?
つぎの項目で、くわしく見てみましょう。
接続詞6つの種類
接続詞は、順接、逆接など6つの種類に分けられます。
接続詞の分類を一覧で見てみましょう。
順接
- だから・すると・よって・それで
- 英語の「so」の意味に近い
順接の接続詞は、前の事柄が原因・理由をあらわし、その結果が後ろに続きます。
例文を見てみましょう。
彼女は愛情をもって花を育てた。だから、きれいに咲いた。
逆接
- しかし・ところが・けれども・だが
- 英語の「but」の意味に近い
逆接の接続詞は、前の事柄とは対立する結果が後ろに続きます。
こちらも例文を見てみましょう。
彼女は愛情をもって花を育てた。しかし、今年は咲かなかった。
並列・添加
- そして・また・なお
- 英語の「and」の意味に近い
並列・添加の接続詞は、前の事柄と対等な事柄や補足する事柄が後ろに続きます。
彼女は花を育ており、また、野菜も育てている。
対比・選択
- または・それとも・あるいは・もしくは
- 英語の「or」の意味に近い
対比・選択の接続詞は、前後のどちらかを選ばせる事柄が後ろに続きます。
新しい花を植えるか、それとも、野菜の種類を増やすか迷う。
説明・補足
- つまり・なぜなら・すなわち・たとえば
- 英語の「because」の意味に近い
説明・補足の接続詞は、後ろに理由や具体例を加えて前の事柄を説明します。
彼女は花を育てている。なぜなら、癒されるからだ。
転換
- ところで・では・さて・ときに
- 英語の「by the way」の意味に近い
転換の接続詞は、話題を変える内容が後ろに続きます。
ところで、花はお好きですか。
接続詞は「文と文」「文節と文節」をつなぐため、文の先頭や句読点のあとにくることが多いです。
接続詞の種類を理解できたら、効果的な使い方を見てみましょう。
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不要な「接続詞」をなくして読みやすくする方法
接続詞は、論理的な文章で使うには、前後の流れが整い、理解しやすい文章になるので問題はありません。
ただし、一般の文章で接続詞を使いすぎると、かえって文章のつながりが悪くなり、読みにくい文章になります。
なくても意味の通じる接続詞は、思いきってなくしましょう。
読みやすくなる効果的な使い方は、つぎの2つです。
例文を見てみましょう。
◆ 使いすぎの接続詞の例文 このたび、この班の指導係に任命されました。 そのため、音楽コンクールで必ず優勝させます。 しかし、命令ではありません。 したがって、この班を盛り上げたい人のみ参加を歓迎します。
上の例文は、接続詞の使いすぎにより、読みにくい印象をあたえます。
不要な接続詞をなくす
不要な接続詞をなくして読みやすい文章に改善しましょう。
◆ 効果的な接続詞の例文 この班の指導係に任命されました。 そのため、音楽コンクールで必ず優勝させます。 しかし、命令ではありません。 この班を盛り上げたい人のみ参加を歓迎します。
「このたび」「したがって」の接続詞をなくすことで堅さがなくなり、読みやすくなりましたね。
「そのため」「しかし」は、なくすと違和感が生じるため、そのまま置いておきます。
このように、なくても意味の通じる接続詞を省くと、テンポのよい読みやすい文章になります。
上の接続詞は、なくても違和感をあたえない場合が多いです。
逆接の接続詞を残す
一方、逆接の接続詞は、なくしてしまうと前後の文がつながらず、意味が通じなくなるので、そのまま残しましょう。
書き終えたあとに不要な接続詞はないかを確認すると、スッキリとした読みやすい文章になりますよ。
つぎは、接続詞を使うときの注意点を見てみましょう。
接続詞を使うときの2つの注意点
接続詞を使うときの注意点は2つあります。
話し言葉の接続詞を使わない
文章を書くときは、話し言葉の接続詞を使わないようにしましょう。
とくに、手紙やビジネス文書を書くときは、使用する接続詞に注意する必要があります。
これらは、話し言葉の接続詞なので文章には使いません。
書き言葉の接続詞に置きかえましょう。
文頭で「なので」の言葉を接続詞として使うことも、書き言葉では間違った使い方です。
例文を見てみましょう。
◆ 話し言葉「なので」 ×:体制が変わった。なので、上に報告した。 ↓ ○:体制が変わったので上に報告した。 ○:体制が変わった。そのため、上に報告した。 ◆ 話し言葉「あと」 ×:資料の印刷をお願いした。あと、配布も任せた。 ↓ ○:資料の印刷をお願いした。さらに、配布も任せた。
上のような話し言葉の接続詞は、丁寧な文章では使うのを控えましょう。
「話し言葉」と「書き言葉」の正しい使い方は、下の記事で解説しています。
「話し言葉」を「書き言葉」へ改善する方法も紹介していますので、あわせてご参考くださいね。
くわしく知りたい
「話し言葉」と「書き言葉」の違いと正しい使い分け【一覧表つき】
接続詞のあとに読点「、」を打つ
接続詞のあとに読点「、」を打ちましょう。
文章のくぎりが明らかになり、理解しやすくなります。
例文を確認してみましょう。
×:会社の近くに公園があります。そこで昼休みに散歩をしました。 ↓ ○:会社の近くに公園があります。そこで、昼休みに散歩をしました。
例文のように、場所をあらわす「そこで」なのか、順説の接続詞をあらわす「そこで」なのか、読み間違えてしまいます。
接続詞のあとに読点を打つことで、誤読を防ぐことができ、読みやすくなります。
意味を正しく伝えるためにも、接続詞のあとに読点「、」を打ちましょう。
読点「、」の適切な打ち方は、下の記事をご参考ください。
くわしく知りたい
句読点の正しい打ち方!22のルールと読みやすくなるポイント2つ
つぎは、接続詞と同じ役割がある接続語について見てみましょう。
2つの違いは区別しにくいので、この機会に理解を深めるといいですよ。
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接続詞と接続語の違い
「接続詞」と「接続語」の違いは、接続詞は品詞であり、接続語は文の成分であるということです。
接続詞は、活用がなく単独で接続語になります。
接続語は「接続助詞」を伴って接続の役割をします。
接続語の例文を見てみましょう。
◆ 「名詞+接続助詞」の接続語 春だから旅行に行きたい ◆ 「動詞+接続助詞」の接続語 満喫したいから京都に行く ◆ 「形容詞+接続助詞」の接続語 桜がきれいだから嵐山に決める ◆ 「形容動詞+接続助詞」の接続語 好きだから癒される ※「から」は原因をあらわす接続助詞
接続助詞は、助詞の種類のひとつです。
体言や用言の後ろにつけることで、接続の役割を果たす接続語になります。
おもな接続助詞は、つぎのとおりです。
こちらも例文を見てみましょう。
雨天であっても旅行は参加する 雨天であれば旅行を中止する
「しかし」や「したがって」などの接続詞を使わなくても、接続助詞を使うことで接続の役割を果たすことができます。
「接続詞」の使い方を学べるおすすめの本2冊
接続詞を学びたいときに、わかりやすく理解できるおすすめの本を紹介します。
文章が劇的にウマくなる「接続詞」
「文章が劇的にウマくなる「接続詞」」は、接続詞を上手に使いこなして読みやすい文章にする方法を解説した本です。
つぎの分類から150を超える接続詞を学べます。
一つひとつの接続詞に「意味」「使い方」「例文」が載っているので、どのような場合にどのような接続詞を使えばいいのかを具体的に理解できます。
文章が苦手な方、単調な文章になりがちな方におすすめの一冊です。
「接続詞」の技術
「『接続詞』の技術」は、接続詞の使い方を実践的に学べる本です。
多種多様な接続詞が目的別に分類されており、辞書としても参考書としても使えます。
各項目には例題が載っているので、気軽に解きながら接続詞の使い方を学べます。
例題は中学生でも解けるレベルになっており、解説も多いので身構えることなく解けますよ。
文章力を鍛えたい初心者の方におすすめです。
また、読みやすい文章を学ぶには、下の記事で紹介する本もおすすめです。
くわしく知りたい
Webライターの文章力を鍛える本5冊!語彙力と共感力を磨く本3冊!
初心者WebライターにおすすめのWebライティング本12選!
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おさらい:接続詞の効果的な使い方
接続詞は、文と文をつないで前後の関係性をしめす品詞です。
つぎの文の行き先を案内する役割があり、文章を読みやすくしてくれます。
順説の接続詞は、なくても違和感をあたえないことが多いです。
なくても意味の通じる接続詞は、スッキリとなくしましょう。
文頭の「なので」は話し言葉なので、文章で接続詞として使うことは避けましょう。
書き終えたあとに不要な接続詞はないかを確認して、読みやすい文章を心がけましょう。
参考文献
『文章が劇的にウマくなる「接続詞」』
『「うまく」「はやく」書ける文章術』
『文章術のベストセラー100冊 のポイントを1冊にまとめてみた』
また、文章術を身につけるには、文法の基本ルールを知ることも大切です。
下の記事を参考にすると、文章の基本を理解できますので、あわせてご覧くださいね。
おしまいに
つぎの接続詞は、なくても意味が通じる場合が多いです。
文章に書き慣れていない方は、つぎの接続詞をなくすことから始めましょう。
劇的に読みやすくなり、要点の伝わりやすい文章になりますので、ぜひお試しくださいね。
最後までお読みいただきまして、ありがとうございます。
それでは、ごきげんよう。
桜御前