なぜ「形容詞」をなくしたら「わかりやすい文章」になるのか?

正しい文法の使い方
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きょうは、形容詞をなくして「わかりやすい」文章にする方法について綴ってまいります。

自分の書いた文章を幼く感じることはありませんか?

その原因は「すごい!」「おもしろい!」などの形容詞を使いすぎるためかもしれません。

今回の日記では、ありきたりな形容詞を使わない表現、伝える力が強くなる方法を解説します。

この記事でわかること
  • 形容詞の種類
  • 形容詞をなくす3つの理由
  • 形容詞をなくして「わかりやすい文章」する3つの方法

「形容詞の代わりにどのような表現を選ぶのか」によって文章の「わかりやすさ」は変わります。

桜御前
桜御前

格段に伝わりやすくなりますので、ぜひ「新たな表現」を一緒に学びましょう

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形容詞の種類「い形容詞」と「な形容詞」

形容詞を使わない表現を学ぶ前に、どのような言葉があるのか、形容詞の種類を見てみましょう。

形容詞には「嬉し」「楽し」のような「形容詞」とその仲間である形容動詞があります。

形容動詞は「きれい」「元気」などの言葉があり「形容詞」とも呼びます。

さらに、形容動詞は、外来語を形容詞化するときにも使います。

たとえば、つぎのような言葉です。

外来語を形容詞化する形容動詞
  • ピュア
  • クール
  • キュート

形容詞は、種類で分けると「い形容詞」と「な形容詞」に分かれます。

一方、意味で分けると事や物の性質をあらわす「属性形容詞」と人の気持ちをあらわす「感情形容詞」に分けられます。

「属性形容詞」と「感情形容詞」
  • 属性形容詞
    事や物の性質をあらわす
    「大きい」「赤い」「簡単な」
  • 感情形容詞
    人の気持ちや感覚をあらわす
    「明るい」「眠い」「静かな」

形容詞は、会話で共感をしめすときは便利ですが、まるで目に浮かぶような情景を文章で説明するときは向いていません

そのため、文章を書くときは、形容詞をなくすことが豊かな表現力につながります

では、なぜ形容詞をなくすことが、豊かな表現力につながるのでしょう?

つぎの項目で、形容詞をなくす理由を見てみましょう。

形容詞をなくす3つの理由

形容詞は、曖昧な表現なため、受け取る人によっては異なる捉え方をされます。

性質や程度を簡単に伝えられるので、ついつい頼りがちになります。

ですが、形容詞を使いすぎると、読者に誤解をあたえてしまい正確な情報を伝えられません

なぜなら、形容詞が直感的で主観的な言葉だからです。

誤解をあたえず、読者に正確な情報を伝えるためにも、形容詞をなくす理由を知りましょう。

形容詞をなくす理由は3つです。

形容詞をなくす理由
  • 大ざっぱな印象をあたえるから
  • 主観的な表現で誤解をあたえるから
  • ネガティブな意味がそのまま伝わるから
桜御前
桜御前

理由を知ると「今まで伝わらなかった原因は形容詞にあったんだ」と理解できますよ

大ざっぱな印象をあたえるから

具体性のない内容になる

形容詞は使いすぎると、大ざっぱな印象をあたえます。

文章中に形容詞が多く含まれると、正しい意味が伝わらず、具体性のない内容になります。

例文を見てみましょう。

この映画はすごくおもしろい作品です

この本は楽しくておすすめです

「すごい」「おもしろい」「楽しい」などの形容詞は、書き手が経験して抱いた感情です。

読み手は、書き手とおなじ経験をできません。

そのため、形容詞で伝えても、まったく内容を理解できない文章になります。

主観的な表現で誤解をあたえるから

認識の違いにより誤解をあたえる

形容詞には、人によって解釈が変わる曖昧な表現が多くあります。

「多い」「弱い」「忙しい」といった主観的な表現は、受け取る相手によって捉え方が変わるため、誤解をあたえます。

例文を見てみましょう。

予約が多い忙しいお店だ

目標に達するには程遠い

上のように「多い」「少ない」、「遠い」「近い」など、量や程度をあらわす形容詞は、読み手によってさまざまな意味に受け取られます。

誤解をあたえないためにも、形容詞に代わる具体的な言葉で伝えましょう。

ネガティブな意味がそのまま伝わるから

鋭い表現になる

たとえば「うるさい」や「つまらない」などの形容詞は、ネガティブな意味がそのまま伝わります。

マイナスの意味をあらわす形容詞は、必要以上に鋭くなる表現なので、とくに注意が必要です。

例文を見てみましょう。

隣の部屋がうるさい

つまらない音楽だ

上にしめしたように、直接的なマイナス表現を避けて、肯定的な表現前向きな見方ができる表現に置きかえましょう。

では、形容詞をなくして、どのような表現にすればいいのでしょう?

つぎの項目でくわしく見てみましょう。

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形容詞をなくして「わかりやすい文章」する3つの方法

誤解をあたえない「わかりやすい文章」にするには、形容詞をできる限り使わずに、表現に工夫を加えることが大切です。

その方法は3つあります。

形容詞をなくす方法
  • 数字に置きかえる
  • 間接的に置きかえる
  • 分析して置きかえる

数字に置きかえる

具体的な数字や5W1Hの言葉に置き換えよう!

「多い」「大きい」などの量や程度をあらわす形容詞は、具体的な数字に置きかえます。

例文を見てみましょう。

×:今朝はすごく寒い
↓
:今朝は温度計が1度を指していた

×:あの会社は大きなビルだ
↓
:あの会社は30階くらいありそうだ

数字に置きかえると、読者との間に生まれる感覚的なズレを防ぐことができ、正確な情報を伝えられます。

「さまざまな」や「いろいろな」などの数字に置きかえられない形容詞は、5W1Hの言葉に置きかえられないかを考えましょう。

5W1Hの言葉に置きかえよう!
  • When:いつ
  • Where:どこで
  • Who:だれが
  • What:なにを
  • Why:どうして
  • How:どのように

5W1Hを明確にすることで丁寧に伝えられます。

実際に、つぎの例文を5W1Hに置きかえてみましょう。

×:ホテルを選ぶときは、さまざまな特徴を検討するとよい
↓
:ホテルを選ぶときは、部屋の広さやベッドのタイプ、朝食の種類、さらには価格や交通アクセスを検討するとよい

少し大げさにしましたが、5W1Hを意識すると「さまざまな」という言葉に客観性が加わり、説得力が増しますよね。

間接的に置きかえる

ポジティブな言葉や間接的でやわらかな表現で伝えよう!

「ひどい」「つらい」「面倒くさい」などのネガティブな形容詞は避けるか、または、ポジティブな言葉に置きかえましょう。

つぎのような表現は、直接的に伝わるため、不快感をあたえます。

間接的な表現に置きかえて鋭さをやわらげましょう。

×:隣の部屋がうるさい:隣の部屋が少しぎやかだ×:今日はつまらないライブだった
↓
:今日のライブはもうひと工夫ほしかった

」の例文は、角が取れた、やわらかな印象をあたえますよね。

形容詞は、否定的な言葉を肯定的な言葉に置きかえられます。

◆ 頑固
→自分の考えを持っている

◆ 古い
→趣がある、年代物

◆ 平凡
→手堅い、みんなに好まれる

上のように、丁寧な描写気遣いのできる表現に変えて伝えましょう。

分析して置きかえる

形容詞を掘り下げて事実・数字・エピソードを伝えよう!

形容詞を使わずに具体的に分析して、それに代わる表現に置きかえましょう。

たとえば「すごい」という形容詞は、強調をあらわす意味しか表現できない言葉です。

何がどのようにすごいのかを明確にしなければ、読者に真意が伝わりません。

例文を見てみましょう。

×:この写真の画像はすごい:この写真の画像は精密だ

×:ミュージカルは生で観るとすごい:ミュージカルは生で観ると迫力に圧倒される

上のように「すごい」の中身を掘りさげると、表現が分析的になり、だれが読んでも理解できる内容になります。

では「おもしろい」の形容詞はどうでしょう?

日本のアニメはおもしろい

「おもしろい」とひと言であらわすことは簡単ですが、深みを感じられません。

どこがどのようにおもしろいのか分析しましょう。

宮崎駿監督の作品を想像してみますね。

日本のアニメはドラマチックな展開が多く子供向けをこえて大人まで楽しめるストーリーだ

「おもしろい」という形容詞を分析して表現すると、その世界の魅力をより詳細により正確に伝えられます。

このように、形容詞をなくして表現することで、事実数字・エピソードに目が向くようになります。

それをそのまま言葉にあらわしましょう。

具体性が増して客観的に伝わるため、だれにとっても「わかりやすい文章」になります。

なお、具体性を高めてわかりやすく伝えるには「コピーライティングのテクニック」や「オノマトペ」を活用するのもおすすめです。

「コピーライティングのテクニック」や「オノマトペ」の活用法は、下の記事で解説していますのでご参考くださいね。

くわしく知りたい
【UPWORDSフォーミュラ】鮮やかなイメージが伝わる文章の法則

オノマトペの使い方と活用一覧!心をグッと惹きつける擬音語・擬態語

形容詞を使わずに表現力を磨く本2選

では最後に、表現力を磨く本を見てみましょう。

形容詞を使わない 大人の文章表現力

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形容詞を使わない 大人の文章表現力」は、形容詞を使わない豊かな表現を9つのテクニックから学べます。

もくじ
  • 第1章 あいまいさを避ける「限定表現」
  • 第2章 個別性を持たせる「オノマトペ」
  • 第3章 詳しく述べる「具体描写」
  • 第4章 明確な基準を示す「数量化」
  • 第5章 事情を加える「背景説明」
  • 第6章 出来事を用いる「感化」
  • 第7章 表現を和らげる「緩和」
  • 第8章 裏から迫る「あまのじゃく」
  • 第9章 イメージを膨らませる「比喩」

ありきたりな表現や曖昧な表現を避ける方法、具体的に描写する方法を学べるため、読者の想像を膨らますことができるようになります。

語彙力や表現力を伸ばせることはもちろん、共感力も磨ける一冊です。

ほかにも共感力を磨く本を知りたい場合は、下の記事をご参考くださいね。

くわしく知りたい
Webライターの文章力を鍛える本5冊!語彙力と共感力を磨く本3冊!

超スピード文章術

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超スピード文章術」は「わかりやすくて伝わる文章」を極限まで速く書ける方法を教えてくれる本です。

早く書くには、形容詞をなくして「どう書くか」ではなく「何を書くか」に焦点を当てることが大切です。

形容詞の中身である「素材」を見つけられると、文章が苦手でも流れるように「伝わる文章」を書けます。

つまり、伝えたい「素材」をわかりやすい順番で書くことで、相手に十分に理解してもらえるということです。

「文章は得意ではない」「私は遅筆家だ」と語るベストセラー作家が教えてくれるノウハウを吸収できる一冊です。

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おさらい:形容詞をなくして「わかりやすい文章」にする方法

文章を書くときは、形容詞を使わないことが豊かな表現力につながります。

形容詞をなくす方法
  • 数字に置きかえる
  • 間接的に置きかえる
  • 分析して置きかえる

事実、数字、エピソードをそのままの言葉で伝えると、より具体性が増して説得力が高まります。

表現に工夫を加えて「わかりやすい文章」を心がけましょう。

形容詞をなくして表現力を高めるおすすめの本はつぎの2冊です。

また、表現力を磨くになは、書き方のルールや文法テクニックを知ることも役立ちます。

下の記事では、覚えるべき文法のポイントをまとめていますので、ぜひあわせてお役立てくださいね。

おしまいに

まずは「すごい」「いろいろな」をなくすことからはじめましょう。

置きかえるのに時間がかかりますが、表現に深みが出ます。

Webライターに必要な要素である、物事を見る力が養われ、洞察力が高まるのでおすすめですよ。

最後までお読みいただきまして、ありがとうございます。

それでは、ごきげんよう。

桜御前

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