きょうは、カタカナ表記ついて綴ってまいります。
日本語には「可愛い」を「カワイイ」、「びっくり」を「ビックリ」のように、あえてカタカナであらわすことで伝わりやすくなる言葉があります。
たとえば「素敵・すてき・ステキ」はすべて同じ意味ですが、うまく使い分けることで、受け手の感じ方を変えたり、感情や印象を強調して伝えたりできます。
ただ、文脈によっては使い方に注意する必要があり、適切な場面で使うことで、言葉の効果を最大限に発揮できます。
そこで今回の日記では、カタカナ表記の使い方、あたえる印象や効果を解説します。
カタカナ表記を身につけると、言葉を強調して魅せたり、軽快な印象をあたえたりと文章を思いのままに操れます。
- 「文章が単調でメリハリがないと言われる…」
- 「言いたいことが思うように伝わらない…」
このように感じる方は、ぜひ参考にしてカタカナ表記を有効に活用してみてくださいね。
あなたの思いや意図を効果的に伝えられる文章になり、質の高い記事に仕上がりますよ
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カタカナ表記の言葉一覧
カタカナ表記とは、漢字の読みや外来語などをカタカナで書きあらわすことです。
おもにつぎのような言葉を書くときに使います。
◆ 漢字の読み 理由(ワケ)金城(カナグスク) ◆ 外来語 パソコン、ペン ◆ 外国人の名前 エリック、カミーユ ◆ 外国の地名 フランス、スイス ◆ 擬音語 パラパラ、ガタンゴトン
カタカナは、外国の名前や外来語を書くときに使いますが、漢字やひらがなであらわす言葉をカタカナであらわすときにも使います。
たとえば、つぎのような言葉です。
カタカナ表記にすることで、その言葉を際立たせたり文章を軽やかにしたりできます。
つぎは、カタカナのあたえる印象と効果を見てみましょう。
カタカナ表記の印象と効果
同じ言葉でも漢字・ひらがな・カタカナのどれを使うかで、印象はまったく異なります。
どのように異なるのか、それぞれ違いを見てみましょう。
「とても素敵な朝ですね」を例に挙げます。
◆ 漢字 とても素敵な朝ですね ◆ ひらがな とてもすてきな朝ですね ◆ カタカナ とてもステキな朝ですね
漢字の「素敵な」は誠実な印象をあたえる文章になります。
ひらがなの「すてきな」はやわらかな印象を、カタカナの「ステキな」は軽やかな印象をあたえる文章になります。
上のようにあたえる印象が異なるため、思い浮かぶ情景も異なります。
もう少し、言葉の印象をくわしく見てみましょう。
「漢字」は誠実な印象をあたえる
漢字は、読者に誠実な印象をあたえます。
漢字を使用した文章は、堅実さや知的な印象が伝わるため、下のように信頼のある文章に感じられます。
◆ 漢字 喫茶店で美味しい珈琲をいただきました ◆ ひらがな 喫茶店でおいしい珈琲をいただきました ◆ カタカナ カフェでおいしいコーヒーをいただきました
漢字の使用は、とくに公式な文書や書籍、学術論文で重要視されることが多いです。
このように漢字を使用することで、より正確で具体的な表現が可能になり、読者に誠実な印象をあたえることができます。
「ひらがな」はやわらかな印象をあたえる
ひらがなは、やわらかな印象をあたえるため、親しみを持たせることができます。
子どもでもスラスラと読めるので、幅広い層に向けた文章に向いています。
例文を比べてみましょう。
◆ 漢字 夜空に光る星の謎 ◆ ひらがな 夜空に光る星のなぞ ◆ カタカナ 夜空に光る星のナゾ
「なぞ」をひらがな表記にすることで、子どもから大人まで親しめる、やさしい印象をあたえる文章になります。
読者は、身構えずに読めるので内容に集中でき、理解が深まります。
「カタカナ」は軽やかな印象をあたえる
カタカナは、文章にイキイキとした軽やかな印象をあたえます。
さらにカタカナには、言葉の持つイメージ-を変える力があります。
具体例を見てみましょう。
カタカナ表記にすると、重たいイメージや真面目なイメージを軽快で明るいイメージに変えることができます。
ほかの具体例を見てみましょう。
◆ 漢字 復讐する ◆ カタカナ リベンジする
「復讐」も「リベンジ」も同じ意味を持ちますが、言葉から受ける印象は大きく異なりますよね。
復讐は「仕返し」といった重たい印象を受けますが、リベンジは「再挑戦」といった前向きな印象を受けます。
このように、同じ言葉でも漢字・ひらがな・カタカナと表記を変えることで、伝える意図にあわせて印象を変えることができます。
では、どのようにしたら上手に印象を変えられるのでしょう?
つぎの項目では、カタカナ表記の効果的な使い方を解説します。
なお下の記事では、漢字とひらがなの正しい使い方を解説しています。
読みやすい文章にする使い分けを理解できますので、あわせてご参考くださいね。
くわしく知りたい
漢字とひらがなの使い分け!迷ったときのポイントとルール【一覧つき】
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カタカナ表記の効果的な4つの使い方
漢字やひらがなの代わりにカタカナ表記を使うことで、文章に効果的なチカラがはたらきます。
カタカナの効果は4つあります。
言葉を印象づける
- 言葉を強くイメージづけるときに効果的
- 力→チカラ、日本→ニッポン
カタカナ表記にすると、文章中の言葉が強調され、強く印象づけることができます。
たとえば、漢字で「力」と書かずにカタカナ表記で「チカラ」と書くと「なんのチカラだろう?」と強く興味を惹きますよね。
ほかの言葉も見てみましょう。
上のように、言葉を強くイメージづけたいときや記憶に残したいときに、カタカナ表記は有効です。
言葉を浮き立たせる
- 言葉の切れ目を伝えて意味を捉えやすくするときに効果的
- ぼける→ボケる、すべる→スベる
ひとつ前の項目「言葉を印象づける」使い方と似ていますが、カタカナ表記にすることで、文の中で言葉が埋まるのを防げます。
「ぼけとつっこみ」を例に見てみましょう。
お笑い芸人はぼけとつっこみがおもしろい ↓ お笑い芸人はボケとツッコミがおもしろい
カタカタ表記のほうが、言葉の切れ目がわかりやすくなりますよね。
とくに、ひらがなが続く文章では、カタカナ表記にすることで言葉が浮かび上がり、意味を捉えやすくなります。
言葉の意味を軽くする
- ソフトな印象に変えるときに効果的
- 試験→テスト、借金→ローン
先の項目では「復讐」と「リベンジ」の例を挙げましたが、ほかにも具体例があります。
たとえば「借金」は重たいイメージを持ちますが「ローン」の言葉に置きかえると、住宅ローンのような「大きい買い物」という意味を持たせてイメージを軽くできます。
ほかの言葉も見てみましょう。
上のように、重たい印象からソフトな印象やカジュアルな印象に変えることができます。
これにより、人々の抵抗を軽減して、受け入れやすくなる効果があります。
言葉をカッコよくする
- 「新しさ」や「プロっぽさ」を伝えるときに効果的
- 料理人→シェフ、職場→オフィス
カタカナは、先進的で洗練された印象をあたえたり、勢いのある感じを伝えたりするチカラがあります。
具体的には、つぎのような言葉です。
「新しさ」や「プロっぽさ」を伝えたいときは、カタカナ表記にすると効果的です。
たとえば、流行に敏感な若い読者に向けて伝えるときにカタカナ表記を使うと、高い関心を得られます。
読者の年代や分野にあわせて使い分けるときに有効です。
カタカナ表記の注意点
カタカナ表記をするときに、注意する点が3つあります。
カタカナ表記を統一する
- 一般的な記事を書くときは語尾の長音を省かずに「コンピューター」と書こう!
- 表記は揺れないようにどちらかに統一しよう!
カタカナの言葉を書くときに「コンピューター」「コンピュータ」と語尾の長音に迷うことがあります。
一般的な記事を書くときは、語尾の長音を省かずに「コンピューター」と書きましょう。
ただし、専門的に扱う分野では長音「ー」を省くことがあります。
その際は、表記が揺れて読みにくくなるため、掲載するWebサイトの特徴や読者層にあわせて、どちらか一方に統一しましょう。
具体的には、つぎのような言葉です。
一般的 | 専門的 |
---|---|
モニター | モニタ |
アイデンティティー | アイデンティティ |
ディベート | ディベイト |
バケーション | ヴァケーション |
表にあらわしたように、専門的に扱う分野では「ー」を短縮する業界が多いです。
また「ヴァケーション」や「ヴァイオリン」のように発音どおりに忠実にあらわす傾向があります。
これらの表記が「揺れ」ないように注意しましょう。
カタカナの表記ゆれは、つぎの見出し「カタカナの表記ゆれ」でくわしく解説しますね。
ほかの「表記ゆれ」について知りたい場合は、下の記事がおすすめです。
くわしく知りたい
表記ゆれとは?15のチェックポイントとゆらぎを防ぐ方法
表記ゆれとあわせて「トンマナ」について知ることも、伝わりやすい文章に役立ちます。
トンマナについては、下の記事で解説していますのでご参考くださいね。
くわしく知りたい
トンマナの意味とは?Webライターが意識すべき項目やルールを解説!
「トンマナ」はWebライターに必須の知識なので、この機会に理解を深めましょう
カタカナの使いすぎを控える
カタカナの割合は文章全体の0~1割に抑えよう!
カタカナ表記の使いすぎを控えましょう。
文章全体のカタカナの割合は、0~1割未満が読みやすいとされています。
使いすぎると文章の意味が伝わりにくくなります。
とくに、専門的な言葉や業界用語の使いすぎは避けましょう。
その理由は、つぎのような結果につながるからです。
カタカナの多い文章が、読者にどのような印象をあたえるのか、実際に例文を確認してみましょう。
我々は、自社の強みであるブルーオーシャン戦略、いわゆるベネフィット事業にフルコミットすることで成長していきます。
言いたいことや内容が伝わらず、辞書が必要なほど理解しがたい文章です。
あえてカタカナに変える必要はなく、そのままの言葉で伝えるほうが内容を深く理解できます。
我々は、自社の強みである新しい市場を生みだす戦略、いわゆる利益を拡大する事業に全力で取り組むことで成長していきます。
カタカナを漢字とひらがなに置きかえたほうが、想いが伝わり、共感を得られる文章になります。
読者の目線になって、わかりやすい言葉を使いましょう。
ビジネスで使われるカタカナ用語、その意味を知りたい場合は「【基礎編】覚えておくべきカタカナのビジネス用語45選!」を参考にすると補足説明するときに便利ですよ。
検索ボリュームを調べる
多くの人が慣れ親しんでいる言葉を選ぼう!
使用する言葉によっては、検索ボリュームが異なり、検索結果の表示に影響が出ることがあります。
たとえば「靴」「くつ」「クツ」で検索すると、それぞれ異なる検索ボリュームの数値になり、検索結果に表示される画面も違う結果になります。
上の数値を見ると「靴」で検索する人が多く「くつ」「クツ」よりも馴染みのある言葉と推測できますよね。
ほかにも「昼食・ランチ」「婚約指輪・エンゲージリング」「贈り物・ギフト・プレゼント」など、表記の仕方によって、検索ボリュームや表示結果が異なる言葉があります。
そのため、漢字・ひらがな・カタカナを使い分けるときは、検索ボリュームを調べたり、検索結果の表示画面を確認したりして、より多くの人が慣れ親しんでいる言葉を選ぶことが有効です。
検索回数の多い表記を選ぶことで、検索結果に表示される可能性をより高めることができます。
検索結果を調べるには「Ubersuggest」や「aramakijake」を使うのがおすすめです。
「Ubersuggest」の使い方を知りた場合は、下の記事をご参考くださいね。
くわしく知りたい
Ubersuggestの使い方!キーワードを調べる6つの手順
では、つぎにカタカナの表記ゆれを具体的に見てみましょう。
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カタカナの表記ゆれ
表記ゆれとは、同じ意味をあらわす言葉をさまざまな言葉で表記することです。
たとえば「ユーザー」と「ユーザ」、「1」と「一」、「申し込み」と「申込」のように同じ単語に対して2通り以上の書き方であらわすことをいいます。
表記が混在することを「ゆれる」と表現し「表記がゆれている」「表記のゆらぎ」といった使い方をします。
カタカナの表記ゆれは、おもにつぎの3つがあります。
表記がゆれると、記事の信用性やWebサイトの信頼性を損なうことがあります。
ぜひカタカナの表記ゆれを理解して、正しい使い方ができるようになりましょう。
固有名詞のカタカナ
固有名詞を書くときに、正式名称とカタカタによって表記が異なることがあります。
上のように、英語表記と日本表記が混在すると読みにくくなります。
どちらか一方に統一するか、正式名称で書きあらわしましょう。
ほかにも間違いやすい言葉に、つぎのようなものがあります。
仕事においては、正確な表記はビジネスマナーの一環とみなされます。
取引相手や関係先に対する敬意と信頼をしめすために、固有名詞の表記には細心の注意を払いましょう。
外来語のカタカナ
英語をカタカナにする場合、読み方によって濁音の有無や小文字の表記に違いが出ることがあります。
カタカナは、ゆれが発生しやすいので、文化庁ホームページにある「外来語表記」や「記者ハンドブック 」を参考にしながら書きましょう。
省略のカタカナ
言いまわしに省略形がある場合、正式名称にするか、略式名称にするかで異なる場合があります。
ビジネス文書や公式な文章では、略語を使わず正式な表記を用いたほうが丁寧な印象をあたえます。
記事の目的や読者の背景、文脈を考慮して適切な表記を選択しましょう。
では最後に、カタカナの由来を見てみましょう。
カタカナ表記の由来
カタカナの由来は、平安時代初期に万葉仮名である漢字の一部を抜きだしたものとされています。
ひらがなやカタカナがつくられる前は、中国から伝わった漢字のみが使われていました。
漢文の読み書きはむずかしく、僧侶などの特定の階級以上の男性が使う言葉でした。
漢文の経典を読むときに、メモ書きとして用いられたのが起源とされています。
漢字では、狭い行間に書き込むのが不便なため、漢字の一部が使われたのがカタカナの始まりです。
その後、読み書きとともに多くの人に広まりました。
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おさらい:カタカナ表記の効果と使い方
カタカナ表記は、言葉を際立たせたり、文章を軽やかにしたりする効果があります。
効果を発揮する使い方はつぎの4つです。
カタカナ表記にすると、言葉の印象やイメージを変えることができます。
使うときは、3つの点に注意しましょう。
読みやすさを優先して、効果的にカタカナ表記を使いましょう。
慣れてくると、読者の年代や興味にあわせて自在に扱えるようになりますよ。
また、カタカナ表記を理解できたら、数字表記もマスターするのもおすすめです。
下の記事では、数字表記の正しい使い方を解説していますので、あわせてご覧くださいね。
おしまいに
「ニッポン」「スシ」「ヒロシマ」のように、カタカナ表記にすることで世界の公用語としてしめすこともできます。
その他にも「スキヤキ」「マンガ」「ツナミ」に始まり「ミリン」や「コンニャク」などの言葉「コスプレ」「エモジ」といった言葉もあります。
海を渡った日本語を探すと、違ったおもしろさを味わえますよ。
最後までお読みいただきまして、ありがとうございます。
それでは、ごきげんよう。
桜御前