きょうは、人間に備わる3つの脳である、爬虫類脳・哺乳類脳・人間脳について綴ってまいります。
あなたはジレンマを感じたことはありますか?
クタクタに疲れて帰ってきて「化粧を落とさないといけない」と思いつつ、そのまま寝てしまう…。
「頭ではわかっているけど行動できない」
このような経験はだれしもあると思います。
実は3つの脳を理解すると、人間の三大欲求がわかり、掲げた目標や目的をスムーズに行えます。
もしあなたが人間の行動や感情について知りたいなら、3つの脳を深く知ることが役立ちます。
そこで今回の日記では、3つの脳の特徴や違い、活用法をわかりやすく解説します。
3つの脳を知ると、人間の本質的な欲求を深く理解でき、感情に訴える表現や欲求を刺激するメッセージで、読者の興味を惹きつけることができます。
違いを上手に活かすと、欲求を刺激する言葉で読者を魅了できるので、ぜひ一緒に学びましょう
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3つの脳とは?脳の三位一体理論
アメリカの脳進化学者ポール・マクリーン氏によって提唱された「三位一体脳理論」によると、人間の脳は大きく三層に分かれ、相互に作用しているとされています。
下から、脳幹⇒大脳辺縁系⇒大脳新皮質と積み上がるように形作られています。
地球上に生命が生まれて三十数億年、その間に人間の脳はゆっくりと進化し、それぞれの脳が地層のように重なり合い、今の形に進化したとされています。
そのため、人間は「3つの脳」をあわせ持っており、その進化のなごりを受け継いでいると考えられています。
3つの脳をまとめると、つぎの表になります。
種類 | 生き物 | 場所 |
---|---|---|
爬虫類脳(反射脳) | ワニ・トカゲ | 脳幹 |
哺乳類脳(情動脳) | ウマ・イヌ | 大脳辺縁系 |
人間脳(理性脳) | ヒト | 大脳新皮質 |
「三位一体脳理論」は、今もなお多くの学者によって議論されていますが、脳の構造や特徴を理解するうえでわかりやすい理論です。
ぜひ一緒に学んで、コピーライティングに活かしましょう。
脳の構造を理解できたら、つぎは一つひとつ特徴を見てみましょう。
爬虫類脳・哺乳類脳・人間脳の特徴
3つの脳の特徴を理解できると、人が無意識に感じる本質的な欲求がわかります。
爬虫類脳(反射脳):脳幹
- 生命を維持する本能を司る
- 心拍・呼吸・体温調節摂食・性行動に関係する
爬虫類脳は、反射脳ともいい「三位一体脳理論」によると、もっとも古い脳とされています。
脳の内側一番奥、脳幹にあります。
生きるために欠かせない本能的な欲求を命令し、飢え・疲労・攻撃・危険などの反応を司ります。
身の危険を感じて体が反射的に反応するのは、爬虫類脳による働きです。
無意識でする心拍や呼吸、体温調節、食べ物を摂ること、性行動に関係しており、生命を維持するために役割を果たします。
爬虫類脳の特徴は、生きるためがすべてです。
爬虫類脳の世界に「他者」は存在せず、時間の間隔は30秒ほどで「今」しかありません。
行動への反応は、3つの脳のうちでもっとも速く、一番強い影響力を持ちます。
マクリーン氏によると、人間に起こる衝動は、爬虫類から受け継がれた反射脳によるものだとされています(「三つの脳の進化」ポール・マクリーン著)。
爬虫類脳:生命を維持する防衛本能
爬虫類脳は、変化をもっとも嫌います。
生命を維持するために予測できる状態を保ち続けます。
生きるために必死なので、自己中心的であり、目の前の欲求しか考えません。
爬虫類脳の欲求は、つぎのとおりです。
爬虫類脳は、短絡的な欲求に反応し、安全でいるために新しい行動をまっ先に避けます。
哺乳類脳(情動脳):大脳辺縁系
- 衝動的に感じる感情を司る
- 愛情・恐怖・嫌悪・不快感・喜怒哀楽に関係する
哺乳類脳は、情動脳ともいい「三位一体脳理論」によると、爬虫類脳のつぎに古い脳とされています。
爬虫類脳を覆うように成りたち、大脳辺縁系にあります。
哺乳類脳は、群れをつくり行動するために愛・喜び・恐怖・怒り・嫌悪から生まれる衝動的な感情を司ります。
たとえば、ウマやイヌなどの哺乳類は、ワニやトカゲといった爬虫類と違い、感情豊かに行動します。
それは、哺乳類脳による感情によって愛情を表現したり、恐怖や嫌悪を感じて攻撃したりするからです。
哺乳類脳の特徴は、感じるための脳とあらわせます。
共感による社会的なつながりを感じ、母性本能をあわせ持ちます。
行動への反応は、3つの脳のうちで2番目に速く、2番目の影響力を持ちます。
哺乳類脳:感情による仲間意識
哺乳類脳は、集団を意識して心地いい環境を好み、子孫を生み育てるために仲間と協力します。
より確実に自分の遺伝子を残し、種を守ろうとします。
哺乳類脳の欲求は、つぎのとおりです。
人間が社会を築いたり、重要な人物だと思われたいと感じたりするのは、哺乳類脳による働きです。
人間脳(理性脳):大脳新皮質
- 未来を論理的に考える思考を司る
- 言語・記憶・創造・将来計画・倫理に関係する
人間脳は、理性脳や新哺乳類脳ともいい「三位一体脳理論」によると、もっとも新しい脳とされています。
脳の外側に位置し、大脳新皮質にあります。
言語・記憶・創造・将来計画・倫理などを司り、論理的な思考で物事を考えます。
人間脳は、成長し進化し続けるために、爬虫類脳と哺乳類脳で感じた欲求について、良い欲求かどうかを分析します。
そのため、行動への反応は3つの脳のうちでもっとも遅く、一番影響力が弱いです。
人間脳の特徴は、考えるための脳と表現できます。
柔軟に考えて分析し、未来に向かって学び成長する能力があります。
人間脳:論理的に考える思考
人間脳は、目的意識を持って長期的に未来を予測し、論理的に考えます。
人間が動物と違うのは、自分自身や未来を考える能力があるからです。
自分自身や未来について考えられるからこそ理性的であり、目的意識を持って行動できます。
人間脳の欲求は、つぎのとおりです。
これらの欲求は、自分自身を見つめられるからこそ感じる欲求であり、人間脳の働きそのものです。
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3つの脳による人間の三大欲求
では、3つの脳の特徴を理解できたら、人間の三大欲求を見てみましょう。
爬虫類脳:安全でいたい
爬虫類脳は、生きるために防衛本能が働きます。
生命を維持するために食べ、身の危険を感じたら反射します。
「安全でいたい」これが爬虫類脳の欲求です。
哺乳類脳:仲間とつながりたい
哺乳類脳は、愛情を感じるために仲間意識が働きます。
愛を持って接し、お互いに協力し合います。
「仲間とつながりたい」これが哺乳類脳の欲求です。
人間脳:成長したい
人間脳は、未来に向かて成長するために理性が働きます。
論理的に考え分析し、目的をもって行動します。
「成長したい」これが人間脳の欲求です。
これらの欲求を階層順にすると、つぎの図になります。
ピラミッドにしめしたように「爬虫類脳」と「哺乳類脳」の影響力は「人間脳」よりもはるかに強いです。
これは、人間の三大欲求をあらわしたマズローの欲求5段階説やGDTの法則に似ています。
では、さらにくわしく力関係を見てみましょう。
3つ脳の力関係
3つの脳の力関係は、本能的な欲求が人間に強い影響をあたえます。
3つの脳はお互いに関係しあい、欲求にもとづいて行動します。
行動を促すには、爬虫類脳と哺乳類脳に訴えて、納得できる理由を人間脳にしめす必要があります。
なぜなら、人間脳は、急速に進化したために3つの脳とうまく連携できず、爬虫類脳と哺乳類脳の影響を強く受けるからです。
ダイエットを例に、2つの行動パターンを見てみましょう。
マイナスの行動パターン
はじめに、マイナス行動をしめしますね。
マイナスの行動 ◆ 人間脳 このままだとまずい 痩せないとけないと考える ↓ ◆ 哺乳類脳 運動は嫌い!続かないもん 嫌だと不快に感じる ↓ ◆ 爬虫類脳 明日からにしよう 今日はもうアイス買ったしね 挫折する
もしも、3つの脳を切り離せたら、人間脳だけに行動を促してダイエットを成功させられるでしょう。
ですが実際は、上のように爬虫類脳に抵抗され、そのうえ哺乳類脳にも抵抗されて挫折することになります。
プラスの行動パターン
続いてプラスの行動を見てみましょう。
プラスの行動 ◆ 人間脳 このままだとまずいな 痩せよう!と考える ↓ ◆ 哺乳類脳 ご飯を豆腐に置きかえよう これなら続けられると感じる ↓ ◆ 爬虫類脳 まずは1週間続けよう 行動する
上の行動のように、爬虫類脳と哺乳類脳に上手に働きかけると成功しやすくなります。
このことからもわかるように、行動を促すためには、爬虫類脳と哺乳類脳に訴え、行動に結びつく理由を人間脳にしめすことが大切です。
また、人間は、意識したことが行動にあらわれると思われていますが、それは錯覚です。
脳の実験によると、人間脳が「やろう!」と思う何秒も前に、すでに爬虫類脳や哺乳類脳が行動を決めていると証明されています。
「やる気があるから行動する」と感じることも錯覚です。
「行動するためにやる気が湧いてくる」と感じることが本当の理由であり、このことも明らかにされています。
このように、3つの脳は互いに結びついており、人間脳は、爬虫類脳と哺乳類脳の影響を大きく受けます。
では、脳の働きを理解できたら、つぎは、3つの脳をコピーライティングに活用する方法を見てみましょう。
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3つの脳をコピーライティングに活用する方法
コピーライティングに活用する方法を例文とあわせて紹介しますね。
爬虫類脳を刺激する方法
- すぐに結果が出ることを伝える
- 楽して結果を得られることを伝える
爬虫類脳は、変化や長期的な行動をもっとも嫌います。
爬虫類脳を刺激するには、すぐに結果を得られることを伝えて抵抗感をなくすと効果的です。
加えて、利益や特別感をしめして警戒心を解くことも有効です。
例文を見てみましょう。
・この方法は無理なく、すぐにできます ・○○な人だけが知っている方法をあなただけに教えます ・プレミアム限定企画です ・この方法は~しながら簡単にできます
このように、爬虫類脳を刺激するには、短期的な欲求を刺激することが重要です。
哺乳類脳を刺激する方法
- 共感や信頼をしめす
- 人とのつながりを意識させる
哺乳類脳を刺激する方法は、感情や人とのつながりを意識できる欲求を刺激することです。
共感をしめしてワクワクすることを伝えたり、辛いことから解放されて自由になれることを伝えたりします。
哺乳類脳には「仲間とつながりたい」という意識が根底にあるので、先に信頼をしめすことで心を開くことができます。
例文を見てみましょう。
・今話題で人気のこの方法をご存じですか? ・誰もが憧れる理想の姿になれますよ ・お困りの不安を解決できますよ ・ご質問やご不明な点はお気軽にご相談くださいね
哺乳類脳を刺激するには、感情的な価値をしめして興味を惹きつけることが大切です。
人間脳を刺激する方法
- 解決策や達成できることを強調する
- 未来に意識を向けさせる
人間脳を刺激する方法は、その選択が賢い選択であり、長期に渡る良い解決策であることを伝えることです。
根拠や理由を説明し、納得できる証拠や利益(ベネフィット)をしめして証明します。
とくに、未来に目を向けられるよう、問題解決や達成できることを強調すると「成長したい」という欲求を刺激できます。
こちらも例文を見てみましょう。
・日割計算になおすと1日5分実践するだけです ・統計によると9割の成功が実証されている方法です ・一度技術を身につければ、一生涯の資産になります ・できる人の新常識、なりたい自分になれる方法
人間脳を刺激するには、上のように長期的な解決策であることを強調し、将来に向かって成長できることを伝えましょう。
利益(ベネフィット)の意味を知りたい場合は、下の記事をご参考くださいね。
くわしく知りたい
メリットとベネフィットの違いとは?意味と使い方を例文つきで解説
【FABフォーミュラ】簡単3ステップの法則!ベネフィットの伝え方
つぎに、応用編として、3つの脳をあなたの文章に活かす方法を見てみましょう。
3つの脳を文章に活用しよう!
3つの脳を文章に活かす方法は、訪れる読者、記事の内容、あなたが伝えたい人物像を考えることがポイントです。
3つの脳のうち、どの特徴を重視して伝えるのか、適切な割合を考えましょう。
たとえば、あなたが哺乳類脳をおもに使うのであれば「喜び・愛・好き・嫌い・不安」など感情をあらわす言葉が多くります。
その文章を読んでくれる読者が、行動派の爬虫類脳の方が多ければ「早くやり方を教えて欲しい」と感じる割合が増えるでしょう。
理性的な人間脳の方が多ければ「論理的に具体的な説明が欲しい」と感じるかもしれません。
自分と読者がどの脳を使うのかを知り、状況や目的にあわせて応用できると、効果的に心に響く内容を伝えられます。
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おさらい:爬虫類脳・哺乳類脳・人間脳の3つの脳
ポール・マクリーン氏の「三位一体脳理論」は、人間の脳は三層に分かれており、相互に作用しているとした仮説です。
3つの脳はそれぞれが関係し合っているため、行動を促すには、爬虫類脳と哺乳類脳を刺激することが重要です。
冒頭で伝えた「ジレンマ」の内容は「爬虫類脳+哺乳類脳 VS 人間脳」の葛藤をあらわします。
人間脳だけでは爬虫類脳に勝てません。
「そのまま寝たい!」という欲求にまさる刺激で打ち勝つ必要があります。
「次の日パサパサ肌になり、回復するのに苦労するよ」や「夏に旅行に行きたいから」など、考え方を変えるとプラスの行動を実行できるようになります。
また、3つの脳を理解できたら、人を動かす伝え方も実践できるようになります。
下の記事では、脳に訴える伝え方を解説していますので、ぜひあわせてご覧くださいね。
おしまいに
3つの脳を「ドラえもん」にたとえるとイメージしやすくなりますよ。
キャラクターにあてはめると、爬虫類脳の威張った態度も、危険をさけるための防衛本能だと共感できますよね。
最後までお読みいただきまして、ありがとうございます。
それでは、ごきげんよう。
桜御前