きょうは、メリットとベネフィットの違いについて綴ってまいります。
コピーライティングをしていると、メリットとベネフィットの言葉をよく見かけますよね。
でも、意味や違いを理解するのは、むずかしくないですか?
似たような意味なのでなんとなく理解して、なんとなく使いがちですが、はっきりとした違いがあります。
今回の日記では、メリットとベネフィットの意味を具体例をのせてわかりやすく解説します。
メリットとベネフィット違いを理解できると、読者の知りたい商品価値を伝えて、新たな目的を提案できるようになりますよ。
魅力的なメッセージを伝えらるようになりますので、ぜひお役立てくださいね
スポンサードサーチ
ベネフィットの意味とは?
「ベネフィット」とは「利益」「恩恵」「ためになること」を意味する言葉をいい、英語の「benefit」を語源にしたカタカナ語です。
そして英語の「benefit」は、名詞では「利益」「報酬」動詞では「役に立つ」「恩恵」「利益を得る」の意味を持ち、カタカナ語のベネフィットは、この名詞の意味で使われています。
企業において福利厚生や成果に対する報酬を「ベネフィット」と呼ぶのは、この「利益」や「報酬」の意味からきています。
コピーライティングにおけるベネフィット
コピーライティングにおける「ベネフィット」とは、商品やサービスを購入することによって顧客が得る利益を指し、おもにマーケティングの場面で使われます。
たとえば、顧客が「美しい肌を手に入れたい!」と美容液を購入し、実際に肌が美しくなったとしましょう。
この場合、美容液を購入することで、肌が美しくなるというベネフィットを得たことになります。
さらに、美しい肌を手に入れると、自己肯定感が高まったり活動的になったりと、追加のベネフィットを得られるかもしれません。
コピーライティングでは、商品やサービスの価値をわかりやすく伝えて、顧客の「欲しい!」というい欲求を高める必要があります。
そのため、どのようなベネフィットがあるのかをよく理解し、顧客に効果的にアピールすることが重要です。
メリットとの違い
ベネフィットと似た言葉に「メリット」があり、それぞれ混同しやすいですが、明確な違いがあります。
メリットとは、商品やサービスに備わっている「よい点」「評価できる点」のことです。
その商品が優れている特徴、つまり長所や利点をメリットと呼びます。
一方でベネフィットは、商品やサービスを使ったあとに、顧客が受ける利益や恩恵を指します。
ある商品に評価できるよい点、すなわちメリットがいくつあっても、顧客がそれを使って実際に恩恵を得られるかどうかはわかりません。
顧客が商品サービスを使用したあとに、実際に恩恵を受けたり利益を感じたりできれば、ベネフィットを受けたといえます。
メリットとベネフィットの対義語
メリットとベネフィットの理解を深めるために、対義語についても知っておきましょう。
それぞれの意味を考えるときに、すぐに思いつかないときは、対義語を思い浮かべるとわかりやすいですよ。
メリットの対義語
- メリットは長所・利点という意味
- 商品を利用するときの肯定的な特徴
- 対義語は短所・欠点
メリットは、長所や利点という意味です。
メリットの対義語は、デメリットで「短所」や「欠点」という意味があります。
たとえば、青汁を例にメリットとデメリットを考えてみましょう。
上の例を見ると、メリットの意味は肯定的な一面、デメリットの意味は否定的な一面とわかります。
つまり、メリットは商品を利用するときの肯定的な特徴と理解できます。
ベネフィットの対義語
- ベネフィットは利益・恩恵という意味
- 商品を利用することで得られる未来の幸福感や期待感
- 対義語は損失・損害
ベネフィットは、利益や恩恵という意味です。
ベネフィットの対義語は、ロスやダメージなど複数あり「損失」や「損害」の意味があります。
こちらも青汁を例にベネフィットとロスを考えてみましょう。
ベネフィットはプラスに働き、ロスはマイナスに働くことがわかります。
青汁を飲むことによって健康的に若返るという利益を得るかもしれませんが、反対に、お腹をこわすという痛手を被るかもしれませんよね。
ベネフィットは、その人にとって為になることや目的を叶えるものを意味します。
つまり、商品を利用することで得られる未来の幸福や期待感をもたらすと捉えることができます。
対義語を考えると、メリットとベネフィットの意味を掴めたのではないでしょうか?
では、それぞれを使いこなすために、2つの違いを掘り下げてみましょう。
スポンサードサーチ
メリットとベネフィットのメッセージ
メリットとベネフィットは、つぎのように分類できます。
メリットは、顧客(読者)にとって「条件」をあらわし、ベネフィットは「目的」をあらわします。
メリットは、条件なので「商品中心のメッセージ」になります。
ベネフィットは、顧客(読者)の目的を叶えるものなので「顧客中心のメッセージ」になります。
具体的に見てみましょう。
メリット:商品の強み
- 商品の肯定的な特徴をあらわす売りや強み
- 商品を語る自己紹介文
メリットは、商品の売りや強みであり、肯定的な特徴をあらわします。
顧客にとって条件になるので、商品中心のメッセージになります。
先ほどの青汁を例に考えてみましょう。
◆ 青汁のメリット ・栄養価が高い ・カロリーが低い
上の特徴は、青汁を購入する条件になりますよね。
なぜなら、青汁を飲むことでカロリーを気にせず、栄養を摂れるからです。
この商品の強みが、青汁を飲むメリットです。
では、このメリットを生活習慣病が気になる顧客に向けて伝えてみましょう。
◆ 商品中心のメッセージ この青汁は、栄養価に優れた20種類の青野菜を凝縮して作った低カロリーの飲み物です
商品中心のメッセージは、商品の視点で語る自己紹介文と言えます。
つぎに、ベネフィットのメッセージを見てみましょう。
ベネフィット:顧客が手にする利益
- 未来の姿をあらわす顧客の変化・手にする利益
- 顧客の未来の姿を言葉であらわしたイメージ像
ベネフィットは、顧客が手にする変化であり、目的を叶えるものです。
その商品を使ってどのような未来を得られるのか、未来の幸福や期待感をあらわします。
顧客の目的を叶えるものなので、顧客中心のメッセージになります。
こちらも青汁を例に考えてみましょう。
◆ 青汁のベネフィット ・健康になる ・若返る
青汁を飲むことで、健康になって若返るという目的を叶えられます。
この利益が、青汁から得られるベネフィットです。
では、このベネフィットを顧客に向けて伝えてみましょう。
◆ 顧客中心のメッセージ この青汁を飲みつづけると健康的な体になり、毎日楽しく元気に過ごせます
顧客中心のメッセージは、顧客目線になって考える未来の姿を言葉にしたものと言えます。
商品サービスを提案するときは、メリットを伝えることも大切ですが、メリットを伝えただけでは購入してもらえません。
顧客は、メリットよりもベネフィットを知りたいと思っており、ベネフィットを得るために商品サービスを購入します。
そのため、必ずベネフィットを強調して提案することが大切です。
では、なぜ顧客はメリットではなく、ベネフィットを知りたいのでしょう?
ベネフィットを伝える重要性
- メリットを伝えただけでは価値をイメージできない
- 叶えられる目的を知ることで価値を判断できる
商品サービスを提案するときに、メリットばかりを伝えがちですが、顧客はメリットを知っても強く「欲しい!」とは感じません。
なぜなら、自分に対する評価を気にするため、何ができるかよりも何を得られるかに関心があるからです。
顧客は、メリットよりもベネフィットに興味を持つため、叶えられる目的を提案されることで価値を理解します。
つまり、メリットを伝えただけでは価値をイメージできないので、何も提案していないのと同じになるわけです。
したがって、顧客におすすめするときは、メリットではなくベネフィットを強く伝えて価値をイメージさせることが重要です。
なお、ベネフィットに興味をしめす理由は、人間の欲求を知ると理解が深まります。
人間の欲求に訴える方法は、下の記事で解説していますので、こちらもあわせてご覧くださいね。
くわしく知りたい
マズローの欲求5段階説とは?欲求を満たす心理アプローチと活用法
感情を揺さぶるGDTの法則!9つの欲求で行動を駆りたてる最強ルール
では実際に、それぞれの使い方を見てみましょう。
メリットとベネフィットの効果的な伝え方
今度は、見た目も可愛くおいしい和菓子を例にして、メリットとベネフィットの伝え方を見てみましょう。
メリット:商品中心のメッセージ
もし、あなたが可愛い和菓子をおすすめするとしたら、どのような文章を書きますか?
その和菓子は珍しい花形の桜色の羊羹で、使っている素材や味も絶品です。
あなたは、ひとりでも多くの人に味わって欲しいと願っています。
◆ メリットのメッセージ ・この羊羹の透明さは、職人が時間をかけてじっくり丁寧に寝かせたものです ・この羊羹に使っている桜は、名産地である八重桜の塩漬けを使用しています ・桜の色と形は、このお店のオリジナル商品です
おすすめする側になって商品を紹介すると、売りや強みを並べがちです。
ですが、これらは羊羹の特徴や長所を伝えただけのメッセージです。
顧客は、商品のメリットよりもベネフィットを知りたいと感じるので、顧客の目的を満たせるかどうかを伝える必要があります。
羊羹を買うことによって、どのような幸福を得られるのか、何の目的を叶えられるのかをイメージしやすい言葉で伝えましょう。
- 顧客の目的を満たせるかを伝える
- → 何の目的を叶えられるのかイメージしやすい言葉で伝える
ベネフィット:顧客中心のメッセージ
顧客にとっての未来の幸福や期待感は、メリットにベネフィットを加えるだけで、魅力的なメッセージに変わります。
先ほどのメッセージをもとに、ベネフィットを加えてみましょう。
◆ ベネフィットのメッセージ ・この羊羹は職人が時間をかけてじっくり丁寧に寝かせたので、透き通る透明感とぷるぷるとした食感を味わえます ・この羊羹は名産地の八重桜の塩漬けを使っているので、他にはない高級な味を楽しめます ・桜の色と形はこのお店だけのオリジナル商品なので、お土産にすると物珍しく女性にたいへん喜ばれます
幸福感や期待感を加えるほうが、未来を想像しやすく魅力的に感じませんか?
上のように、メリットにベネフィットを加えるだけで、目的をイメージしやすく価値が伝わるメッセージになります。
このように、商品サービスを提案するときは、ベネフィットを伝えることが重要であり、メリットにベネフィットを加えるだけで価値が伝わります。
メッセージの効果的な伝え方は、下の記事で解説していますので、ぜひあわせてご参考くださいね。
くわしく知りたい
【アーカーのベネフィット3分類】心を大きく動かすメッセージの伝え方
【FABフォーミュラ】簡単3ステップの法則!ベネフィットの伝え方
では、メリットやベネフィットの違いを理解できたら、ベネフィットの種類を3つ紹介しますね。
スポンサードサーチ
ベネフィット3つの種類
商品やサービスを提供して、顧客が受けとるベネフィットには種類があります。
機能的ベネフィット
プラスに感じる実用的な利益
機能的ベネフィットは、顧客が商品やサービスを使用したときに、直接得ることができる実用的な利益のことです。
たとえば、車の購入により、気軽に移動ができるようになったり、時間や労力を軽減できたりすれば、機能的ベネフィットを受けたことになります。
ほかの例もいくつか見てみましょう。
◆ 機能的ベネフィット 速さ 高速インターネットを接続することで、Webページの読み込みが速くなり、ダウンロードをスムーズに行える 耐久性 耐久性のあるスマートフォンケースを使うと、衝撃や落下からスマートフォンを保護できて長く使える 防水性 防水ウォッチは水中で使用でき、水泳や潜水のときにも正確なデータを確認でき、トラブルを防げる
機能的ベネフィットは、商品やサービスがどのように役立つのか、何を実現するのかに焦点をあてています。
感情的なベネフィットと組み合わせて伝えると、顧客の心を強く引き寄せます。
情緒的ベネフィット
プラスに感じる感情や心理
情緒的ベネフィットは、商品やサービスを使用することで、プラスの感情をあたえる利益をいいます。
車の購入により、好きなときに好きな場所にドライブできるようになると、楽しみが増えてワクワクした気分を味わえるでしょう。
また乗り心地がよく、快適さを感じることも、情緒的ベネフィットにあたります。
こちらもいくつか例を見てみましょう。
◆ 情緒的ベネフィット 幸福感 プロが作った高級なチョコレートを食べると、幸福感や楽しみを味わえる リラックス ヨガ教室を利用すると、ストレスを軽減でき、リラックスした気分になれる 充実感 ペット用品を購入すると、ペットの喜ぶ姿を見ることができ、充実感を味わえる
情緒的ベネフィットは、顧客の感情や心理にあたえる影響や、生活にどのように貢献するのかに焦点をあてています。
商品サービスの価値を高めたり、顧客とのつながりを強化したりするのに役立ちます。
自己実現ベネフィット
プラスに感じる理想の姿
自己実現ベネフィットは、商品やサービスの利用により、個人の成長や自己実現を叶える利益をいいます。
憧れていた車を手に入れることで、乗るのにふさわしい自分になれたと感じたり、個性を演出できると楽しんだりすることが、自己実現ベネフィットに該当します。
◆ 自己実現ベネフィット 自分らしくいられる 個性的なアクセサリーを身につけると、自分らしさを表現できる こだわりを出せる ヨーロッパ風の家具を揃えると、自分らしい空間を演出できる 理想の姿になれる 美容エステに通うと、理想の姿になれて、さらに自分を素敵に見せたくなる
自己実現ベネフィットは、商品やサービスが、個人のライフスタイルやアイデンティティにどのように貢献するのかに焦点をあてています。
特定のブランドに対して、顧客の継続的な支持や信頼の気持ちを高め、長期的な関係を築くのに役立ちます。
ベネフィットの具体例
最後に、ベネフィットの理解を深めるために具体例をしめします。
ベネフィットと混同しやすいメリットも記載するので、それぞれの違いを見比べてみてくださいね。
商品 | ベネフィット | メリット |
---|---|---|
健康食品 | 毎日を活き活きと過ごせる (自己実現ベネフィット) | 健康状態が良くなる |
ロボット掃除機 | 自由な時間が増える (機能的ベネフィット) | 自動で掃除が完了する |
テーマパーク | ワクワク感やドキドキ感を体験できる (情緒的ベネフィット) | さまざまなアトラクションで遊べる |
スポンサードサーチ
おさらい:メリットとベネフィット意味と違い
商品サービスを提案するときは、メリットよりもベネフィットを伝えることが重要です。
メリットにベネフィットを加えるだけで、商品価値が魅力的に伝わります。
読者はメリットよりもベネフィットに興味があるので、提案するときはベネフィットを強く伝えましょう。
また、読者に伝わる提案をするには、読者のニーズを知ることも大切です。
下の記事では、ニーズとウォンツ伝え方を解説していますので、あわせてご覧くださいね。
おしまいに
メリットとベネフィットは、目に見えないものをカタカナであらわしているので、余計に理解しにくいですよね。
- 「ベネフィット=未来の幸福な姿」
- 「ベネフィット=未来の期待感」
上のように覚えると理解しやすくなります。
まずは「読者の目的を叶えられるか?」を考えて、読者の未来の姿を伝えましょう。
最後までお読みいただきまして、ありがとうございます。
それでは、ごきげんよう。
桜御前