きょうは、句読点の打ち方について綴ってまいります。
文章を書いているときに「句読点を打つ位置、本当にここで合っているのかな…」と感じたことはありませんか?
普段なんとなく打っている句読点ですが、打ち方次第でテンポのよい、圧倒的に読みやすい文章になります。
今回の日記では、句読点の正しい打ち方のルールと読みやすくなるポイントを解説します。
適切でない句読点の文章は読みにくいだけでなく、意味が変わってしまうこともあります。
一方で正しく句読点を打つと、理解しやすい文章になります。
ルールを理解するだけで伝わりやすい文章を書けるようになりますので、ぜひ一緒にマスターしましょう
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句読点とは?
句読点(くとうてん)とは、文の終わりや意味の区切りに打つ記号のことです。
文章を読みやすくしたり、内容を正しく伝えたりするために打ちます。
句読点は、句点と読点のみを指す場合もありますが、疑問符「?」や感嘆符「!」といった記号を幅広く含む場合もあります。
読みやすくなる句読点の打ち方2つのポイント
プロのライターや新聞記者は、読みやすくするために、つぎを目安に句読点を打ちます。
上の目安を意識した文章を見てみましょう。
句読点(くとうてん)は、文章の終わりや意味の区切りに打ち、文章を読みやすく理解しやすくする記号です。(50文字・読点2個)
適切な位置に句読点を打つと、文章にリズムが生まれて読みやすくなります。
文章が読みやすくなるポイントは2つです。
読点が多いと読みにくくなり、文章のリズムを損ねてしまいます。
読点が多くなる原因のひとつに、一文が長すぎることが挙げられます。
一文一義(ひとつの文章に一つの意味)を意識して、ひとつの文を短くすることが読みやすい記事を書くポイントです。
では、さっそく句点「。」の打ち方から見てみましょう。
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句点「。」の正しい打ち方4つのルール
句点(くてん)は「。」のことを指し、文の終わりに打ちます。
ただし、句点を打たなくてもよい場合があります。
つぎの4つのルールに分けて、くわしく見てみましょう。
括弧の文末に打たない
括弧の文末に句点を打たないようにしましょう。
カギ括弧「」の例文を見てみましょう。
◆ カギ括弧「」 ×:彼は「満開だな。」とつぶやいた。 ↓ 〇:彼は「満開だな」とつぶやいた。 〇:彼はつぶやいた「満開だな」。
上のように、カギ括弧の直前に主語があり、述語が省略されている場合は、カギ括弧の外に句点を打ちます。
丸括弧()の例文も見てみましょう。
◆ 丸括弧() ×:(案内を参考にします。) ↓ 〇:(案内を参考にします)
こちらも、丸括弧の中の文には句点を打ちません。
文末に注釈の()を使う場合()のあとに打つ
丸括弧の中身が文章の部分的な注釈の場合は、丸括弧のあとに句点を打つ場合があります。
毎朝週3回、公園の周りを歩いている(1週約5キロ)。
文末に出典や引用の()を使う場合は()の前に打つ
丸括弧の中身が文章全体の注釈、筆者名、引用や出典の場合は、丸括弧の前に句点を打つ場合があります。
毎朝週3回、公園の周りを歩いている。(○○著『初恋』より)
感嘆符や疑問府の後ろに打たない
感嘆符「!」や疑問符「?」の後ろに句点を打ちません。
句点を打つと、記号が連続して読みにくくなります。
わあ!今年も満開かな?
新聞や書籍などの一般的な文章では、カギ括弧や丸括弧の文末に句点を打ちません。
ただし、教科書の場合は違います。
教科書では「おはよう。」のように「」の中の文末に句点を使います。
参考:「くぎり符号の使ひ方(PDF)」文化庁
つぎは、読点「、」の打ち方を見てみましょう。
読点「、」の正しい打ち方18のルール
読点(とうてん)は「、」のことを指し、文章を読みやすくしたり、読み誤りを避けて内容を正しく伝えたりするために打ちます。
読点を打つタイミングを3つ見てみましょう。
これらのタイミングを踏まえて、読点の打ち方を6つの項目に分けて見てみましょう。
主語のあとに打つ
「主語が長い場合」や「文の途中に主語を置いた場合」は、主語のあとに読点を打ちます。
2つのケースを見てみましょう。
長い主語のあとに打つ
長い主語のあとに読点を打つと主語が明確になり、理解しやすい文章になります。
書くことに楽しみを覚えた私は、将来の夢を決めた。
どこまでが主語なのかがはっきりとわかり、意味が伝わりやすいですよね。
文の途中で主語を置いたところに打つ
文の途中に主語を置いたところに打つと、主語がどこにあるかを明確にしめせます。
彼の言葉について、私は考えた。
長い文章になると主語がどこにあるかわからなくなり、誤解を招くことがあります。
文の途中に主語を置くときは、意味をわかりやすく伝えるために意識して打ちましょう。
名詞が並ぶところに打つ
名詞や情報が並ぶところに読点を打ちましょう。
「名詞が並ぶところ」と「情報が並ぶところ」に分けて例文を紹介します。
名詞が並ぶところに打つ
名詞が並ぶところに読点を打つ場合、最初の名詞にのみ「や」の接続語を入れ、あとに続く名詞に読点を打っても構いません。
ただし、最後の名詞のあとには読点を打ちません。
例文を確認したほうがわかりやすいので見てみましょう。
昨日は、唄や琴、舞い、俳句のお稽古にいそしんだ。
もちろん「や」を読点「、」に変えても構いません。
複数の情報が並ぶところに打つ
複数の情報が並ぶところに読点を打ちましょう。
自信に満ち、権威を誇り、栄華を月に詠む、そんな時代だった。 執筆に打ち込める環境と、尽きない想像力が欲しい。
文を区切るところに打つ
文を区切るところや、意味の切れ目に読点を打つと読みやすくなります。
それぞれ例文とあわせて見てみましょう。
文を区切るところに打つ
文を区切るところに読点を打ちましょう。
母は海へ行き、父は山へ行った。
「母は海へ行き」と文が区切れて「父は山へ行った」主語が変わりますよね。
このように文が区切れるときは、読点を打ちましょう。
助詞を省略するところに打つ
助詞を省略するところに読点を打ちましょう。
源義経の本、貸してください。
上の例文は助詞の「を」が省略されていますよね。
このような場合も読点を打ちます。
逆説の助詞のあとに打つ
逆説の助詞のあとに読点を打ちましょう。
たくさん種を蒔いたが、芽は出なかった。
逆説の助詞「が」のあとに読点を打つことで、読者に意味が変わることを促せます。
条件や限定をあらわす語句のあとに打つ
条件や限定をあらわす語句のあとに読点を打ちましょう。
2つの例文を見てみましょう。
たくさんお水をあげたら、咲くかもしれない。 来年のことはわからないので、諦めない。
上の例文は「水をあげたら」と条件を「わからないので」と限定をあらわしています。
このような場合は、文が切れて意味が変わるので、それをしめすために読点を打ちます。
ただし、上にしめした例文のように、あとに続く語句が「咲くかもしれない」「諦めない」と短い場合は打たなくても構いません。
たくさんお水をあげたら咲くかもしれない。 来年のことはわからないので諦めない。
会話文や考えをあらわすところに打つ
会話文や考えをあらわすところに読点を打ちましょう。
また来たいね、と微笑んだ。
上の例文は「また来たいね」と会話文をあらわします。
この場合、会話文であることを捉えられるよう読点を打ちましょう。
言葉を隔てて修飾する語句のあとに打つ
言葉を隔てて修飾する語句のあとに読点を打ちます。
こっそり、春の香りを楽しんだ。
上の例文のように「こっそり」は「楽しんだ」を修飾しているので「こっそり」のあとに読点を打ちましょう。
修飾関係を明らかにするところに打つ
修飾関係を明らかにするところに読点を打ちます。
下の2つの例文を見比べてみましょう。
源さんと友達の平さんが、私の家まで遊びに来た(1人来た)。 源さんと、友達の平さんが私の家まで遊びに来た(2人来た)。
読点を打つところによって、同じ文章が違う内容に変わりますよね。
修飾語がどこの語句に係るのか、係るところに読点を打ちましょう。
修飾関係を明らかにすることで読み誤りを防げますよ。
誤読を防ぐところに打つ
読み誤りしやすいところに読点を打ち、誤読を防ぎます。
2つのケースを見てみましょう。
漢字・ひらがな・カタカナが続くところに打つ
漢字、ひらがな、カタカナなど同種類の言葉が続くと読みにくくなります。
語句の連続を避けるために読点を打ちましょう。
そのためだけに、ただただ書き続ける。 明日、日本の元号が変わる。
誤読しやすいところに打つ
誤読しやすいところに読点を打ちましょう。
下の2つの例文を見比べてみましょう。
×:ここではきものを脱いでください。 ↓ 〇:ここで、はきものを脱いでください。
「はきもの」を脱ぐのか「きもの」脱ぐのか誤解をあたえますよね。
意味を明確に伝えるために、読み誤りを防ぐところに打ちましょう。
接続詞のあとに打つ
接続詞や感嘆詞のあとに読点を打ちます。
こちらも2つのケースを見てみましょう。
接続詞のあとに打つ
接続詞のあとに読点を打ちます。
しかし、桜は色づいた。
感嘆詞のあとに打つ
感嘆詞のあとに読点を打ちます。
わあ、きれい。 おっ、咲き誇りましたね。
続いて、読点を打たない箇所のルールを見てみましょう。
必要ないところには打たない
読点を打ちすぎると読みにくくなります。
必要ないときは打たないようにしましょう。
つぎのような場合は、一般的には読点を打ちません。
ただし、読点をどのように打つかは書き手の判断に委ねられます。
文の意味をよく理解し、読みやすくするために読点を使いましょう。
主語が短いところには打たない
主語が短い場合は、読点を打つと煩わしくなるため、読点を打たなくても違和感はありません。
△:その会社は、信用できます ↓ 〇:その会社は信用できます
「」の前後には打たない
「」の前後に読点を打つ必要はありません。
記号が連続して読みにくくなります。
△:彼は、「満開だな」、とつぶやいた。 ↓ 〇:彼は「満開だな」とつぶやいた。
「なお」「また」の接続詞のあとに打たない
原則は、接続詞であっても「なお」「また」のあとには、読点を打つ必要はありません。
△:また、彼はこのように告げた。 ↓ 〇:また彼はこのように告げた。 △:電話、もしくは、メールでご連絡ください。 ↓ 〇:電話、もしくはメールでご連絡ください。
このように、読点の打ち方には細かなルールが多くあります。
まずは、読点を打つタイミングを押さえて、細かいルールについてはその都度、確認しましょう。
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だれでも文章が上達するおすすめの本3選
では最後に、だれでも文章が上達するおすすめの本を3冊紹介しますね。
本の通りに実践すれば、読みやすい文章になりますので、ぜひパラパラとめくってみてくださいね。
「うまく」「はやく」書ける文章術
「「うまく」「はやく」書ける文章術」は、情報の整理された、わかりやすい文章の書き方を基礎から学べる本です。
「何を書けばよいのかわからない」と書けずに悩む方でも、読んだその日からWebサイト・ブログ・SNS・ビジネス文書などあらゆる文章をスラスラ書けるようになります。
書くことがまとまらずに筆が進まない方、読み手を楽しませる文章を書きたい方におすすめです。
文章力の基本
「文章力の基本」は、わかりやすく簡潔に伝わる文章の書き方を77のテクニックから学べる本です。
「無駄なく・短く・スッキリ」と書き「誤解をあたえず・正確に・スラスラ」と伝わる文章の書き方を理解できます。
「良い例文」から「悪い例文」への修正が丁寧に解説されているので、文章を書くときも見直すときもすぐに実践できますよ。
同じ著者が書いた、さらにわかりやすい「文章力の基本の基本」もおすすめです。
伝わる文章の基本
「伝わる文章の基本」は、文章に苦手意識を持っている方でも取り組めるように、文章の基本の「き」から徹底解説した本です。
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「「うまく」「はやく」書ける文章術」と「文章力の基本」は、下の記事でくわしく解説していますのでご参考くださいね。
くわしく知りたい
Webライターの文章力を鍛える本5冊!語彙力と共感力を磨く本3冊!
おさらい:句読点の正しい打ち方10のルール
句読点(くとうてん)は、文の終わりや意味の区切りに打ち、文章を読みやすくする記号です。
文章を読みやすくするポイントは2つです。
まずは、上の2つを踏まえて句読点を打ちましょう。
句読点を適切に打つと、読者に内容を正しく伝えられます。
読みやすい文章にするためにも、適切な位置に句読点を打ちましょう。
また、読みやすい文章にするには、ライティング術を知ることも役立ちます。
下の記事では、簡単にできるポイントをまとめていますので、ぜひあわせてお役立てくださいね。
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おしまいに
句読点は、原則的な決まりはなく「必ず!打たなければならない」ということはありません。
打たなくてもよい場合もあります。
読者への思いやりを基準に判断し、読みやすくするために句読点を使いましょう。
最後までお読みいただきまして、ありがとうございます。
それでは、ごきげんよう。
桜御前